90年代のブリット・ポップ隆盛時の中心的存在だったブラーが、15年以来となる新作を発表しました。中心人物のデーモン・アルバーン、ソロやゴリラズ等のユニットでコンスタントに活動して来ましたが、ブラーとしては本当に久しぶりの作品。オリジナル・メンバーの4人が再集結して、素晴らしい作品を提供してくれました。

 

The Ballad of Darren / Blur
23年発表

昨年夏にリユニオンが公表され、先月、ウェンブリーでライヴを行った彼ら。さらに先月下旬に新作を発表しました。ライヴも成功裏に終わったようですし、この新作も素晴らしい内容でした。さらに、今月のサマソニではヘッドライナーとして登場する予定です。観たかったのですが、気づいた時にはチケットはソールドアウトでした。

このアルバム、全曲、4人のクレジットによる共作となっていますが、やはりアルバーンの主導で書かれた曲が詰まっているという感じです。曲調も、90年代の彼らを思わせる曲や、アルバーンのソロにあったような曲調もあり、永年をかけて熟成されたブラー・サウンドが楽しめる作品でした。オールド・ロック・ファンにも十分に訴えかけるものがある内容だと思います。

【収録曲】
 ① The Ballad
 ② St.Charles Square
 ③ Barbaric
 ④ Russian Strings
 ⑤ The Everglades (For Loenard)
 ⑥ The Narcissist
 ⑦ Goodbye Albert
 ⑧ Far Away Island
 ⑨ Avalon
 ⑩ The Heights
 ⑪ The Rabbi [*]
 ⑫ The Swan [*]

  (⑪・⑫はデラックス盤のボーナス・トラック)

それではこの中から何曲かご紹介して参りましょう。

まずは、オープニング・ナンバーの①"The Ballad"。アルバーンの21年のソロ・アルバムを思わせる、ゆったりとした美しいナンバー。なにか心が落ち着くサウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=1tzGul-qA48

6月に先行第2弾シングルとして公表された②"St. Charles Square"。往年のブラー・サウンドを思わせる、ねっとりと絡みついてくるようなサウンドが印象的な王道ブリット・ポップ・ナンバー。この曲が始まると、おっ、ブラーが帰って来たと思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=OwReCTWEotU

そして、個人的には現時点でベスト・トラックと思っている③"Barbari”。c"アルバム・リリースと同時に3rdシングルとして発表されています。軽快なポップ・ナンバーで、UKハード・ポップの伝統を感じるナンバー。


第1弾先行シングルとして5月に発表された⑥"The Narcissist"。こちらはアルバーンのユニット、ザ・グッド・ザ・バッド&ザ・クイーンの感触のサウンド。アルバーン独特の世界観を感じるナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=JwKDEnB2HCc
 

最後にボーナス・トラックから、⑪"The Rabbi"。こちらもブラー独特のノリのポップなナンバー。結成30年を超えたキャリアの重みを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=fszcaAzcm0M


このアルバム、3rdアルバムから7作連続での全英チャートNo.1を獲得しています。現代UKロックを代表するバンドとなった彼らの、渾身の1枚でした。