毎度お送りしております、レコード・コレクターズ誌 7月号で特集されていたアメリカン・オールディーズ 1954-1966 ベスト100のご紹介。後半戦も佳境に入って参りまして、今日は60位台に入って参りました。これでほぼ3分の2を終えることになります。
やはり、この辺になって来ますと、マニアックな曲が増えてきまして、私も知らない曲(知ってはいるけど、曲名見てもわからない曲)が結構入っております。
さっそく、ご紹介して参りましょう。第61位から第65位です。
さっそく、ご紹介して参りましょう。第61位から第65位です。
第61位 Reach Out I'll Be There / Four Tops 第62位 Travelin' Man / Ricky Nelson 第63位 I Will Follow Him / Little Peggy March 第64位 Devil with a Blue Dress & Good Golly Miss Molly/Mitch Ryder & The Detroit Wheels 第65位 Cathy's Clown / The Everly Brothersこの中で良く知ってるのは、第61位のフォー・トップスくらいでした。モータウンを代表する4人組男声コーラス・グループです。第62位は青春スター歌手、リッキー・ネルソンのカントリー・フレイヴァー溢れる曲。第64位のミッチ・ライダーはその名の通りデトロイトで結成されたR&Bフィーリングの白人バンドで、この曲はヒット曲のカヴァーを2曲つなげた珍しいシングル。第65位のジ・エヴァリー・ブラザーズは、「Bye Bye Love」「All I Have to Do Is Dream」に続く3曲目のランクイン。
さて、この中から、第63位のこの曲をピック・アップしました。
この曲のメロディは、なぜか良く知ってるのですが、歌ってる人のことについては全く知らなかったので、いい機会だと思い調べてみました。
まず、これはUSで63年にNo.1となったリトル・ペギー・マーチの、USにおいては一発ヒットです。(ジョージ・ハリスンの盗作騒ぎでおなじみのシフォンズの「He's So Fine」に続くNo.1ソングです。)
13歳の時に、いとこの結婚式で歌ってるところから発掘され、この曲が発表されたのは15歳になったばかりの頃。少女が元気いっぱいに歌う、明るいポップ・ソングです。
このペギーさん、その後何枚かシングル・アルバムを発表するのですが、トップ20に入るヒットを飛ばすことはありませんでした。ところが、69年に活動の拠点をドイツに移し、70年代においては、そこそこの人気を博したようであります。ユーロ・ヴィジョン・コンテストへもドイツ代表として参加したこともあるそうです。現在は、ラスヴェガスなどで活動しているそうです。
さて、この曲、実は彼女のヴァージョンがオリジナルではありません。原曲はフランク・プールセル楽団が61年に発表したインスト・ナンバー、すなわちイージー・リスニングの曲だったのだそうです。プールセルとポール・モーリアの共作なのだそうで、モーリアも後に録音しているようです。そんなわけで、アメリカン・オールディーズというのは、ちょっと正しくないのかも知れません。
さらに、このインスト曲にフランス語の歌詞をつけたものが62年に発表されます。歌ったのは、「Down Town」のヒットで有名なUKの女優兼歌手,ペトゥラ・クラークでした。彼女のヴァージョンはいろんな国の言葉で歌われているようです。
「Chariot」 by Petula Clark
これを英語で歌ったのが、ペギー・マーチの曲となるようです。
この曲は、その後も、スキーター・デイヴィス、上述のリッキー・ネルソン、パーシー・フェイス・オーケストラ等が取り上げているようです。また、ウーピー・ゴールドバーグ主演の映画「天使にラブ・ソングを・・・ (Sister Act)」でも使われていたようで、YouTubeにはその映像が最も多くありました。
あと、これは昔から思っていることなのですが、ピンクレディーの「逃げろお嬢さん」という曲の冒頭の節がこの曲に酷似しています。
意外と深い背景と歴史を持った曲だったようです。