Sea Breeze Season8 -98ページ目

久々の集合

お盆休み中のある日、バイトOBが遊びに来た。

偶然にも同じ日に3人。


自分のところに挨拶に来た後、久々の再会を喜び合っていた。

この3人は同時期にバイトしていた。


初めのうちは、お互いの近況を報告しあっていたが、やがて話題は当時の思い出話(悪事?)になり、大いに盛り上がった。


とにかく、コイツらはよく働き、よく遊んだ。


全力で夏を楽しんでいるように見えた。


ヤツらはバイトなので当然お客さんと接する。

特に女の子の接客には積極的だった。

だからと言って、ナンパをする訳ではない。

名前も聞かなければ、携帯の番号もメアドも聞かない。


ただ普通に話すだけ。


だから、女の子のほうも警戒心がなくなり、普通に話しかけていた。


その方が自然に会話ができるので、返って盛り上がるのだ。


かといって、サボったりはしない。
しゃべりながらも仕事の手は止めない。
よく心得ている。



その頃は、貸しボートもやっていて、空き時間にはボートの漕ぎ方を教えたりもした。


ヒマな日には、素潜りを教え、さざえやタコを捕ったりもした。


当然、恒例のバーベキューも盛り上がった。


そんな話をしながら、あの頃を思い出したのか、


「久しぶりにバイトしてーなぁ」


と言っていた。

男の扱い方

ある日、ハデな女の子二人組のお客さんが来た。

何気に声をかけたら海の家を利用してくれた。


ただ、とても海に来る格好とは言いがたい。


金髪をやたらと膨らませてセットしている。
ハデな化粧。
服装もハデだ。

どう見ても夜の街のほうが合っている。


その彼女達が水着に着替え、売店前のテーブルに座ったので、しばらく話し相手をした。


「オジサン、アツイ~!」
「もうなんとかしてよ~!」


2人ともかなりハイテンションだ。


「誰がオジサンだって?それより、オマエらなんかヘンだぞ。」


「だって~、昨日から寝てないんだもん。それにしても海アツすぎるよ~。」


「そりゃそうさ、夏なんだから。アツイから海に来たんだろう?」


「そうなんだけどさ~」


「ん?頭から砂でもかぶったのか?なんか光ってるぞ。」


「これ砂じゃないよ!キラキラスプレーだよ!」


「海に来るのにキラキラスプレーしたってしょうがねえじゃん。どーせ泳ぐんだろう?」


「だって、仕事終わってそのまま来たんだもん。」


こんな会話が延々と続いた。
話していると結構面白い。

二人はキャバ嬢だと言う。
確かに、なかなか可愛い顔をしている。


軽く食事を済ませた彼女達は、

「ヤバいよ。あと3,000円しかないよ。」

などと言っている。


何か相談した後、彼女達は砂浜に出て行こうとした。




が、





「砂がアツイ~!」

「太陽まぶしいすぎ~!」

とにかくウルサイ。


それでもなんとか砂浜に出て、


「ちょっと散歩してくるね~。」


「オジサン、ちゃんと荷物見ててよ~。」


「だからそのオジサンって言うのはやめろ!いいから早く行け!わがまま娘ども!!」


「じゃあね~」


と、笑いながら砂浜を歩いて行った。



しばらくすると、男を2人連れて帰ってきて、元のテーブルに座った。


さすが男の扱いは手慣れたものだ。

うまく会話を弾ませている。

男達の話に調子を合わせ、適当に持ち上げて、かといって、わざとらしくない。

調子にのった男達は入れ代わり立ち代わり、ビールやジュース、お菓子を買いに来る。
食堂ではツマミを注文している。


どうやらさっきの散歩はナンパされるために行ったようだ。
そして獲物をGetした。
それも扱いやすい男を。
何しろ所持金3,000円だ。
全部おごらせるためだろう。


盛り上がった4人は、そのまま海へ。


売店の混雑が一息ついた頃、彼女達は男を置き去りにして戻ってきた。


「あれ?さっきの2人はどうした?」


「あ~、もういいの。やっぱりオジサンと話している方がほのぼのできるから。」


「ウソつけ。アイツらかわいそうに。それよりそのオジサンってのはやめろって言ってんだろ!」


「アハハ、ゴメンね。オジサン。」


やれやれ・・・


ベタな会話だ。
でも彼女達は会話を飽きさせない。さすがだ。


やがて、彼女達は次の日の予定を話し始めた。


「明日は江ノ島に行くんだ。」


「また被害者が出るわけだ。」


「え~!?オジサン、あたし達、そんなヒドイ事しないよぉ。あっちが勝手におごってくれるんだもん。」


「全部聞こえてたぞ。目の前のテーブルに座ってるんだから。遠回しにしっかりおねだりしてただろ?」


「あっ、わかった?でも、向こうは気が付いてなかったよ。」


「やっぱり・・・。それにしても上手いもんだな。」

「こういうの慣れてるし。それに、わたし達かわいいからね~。」


「バーカ。その性格知ってたら誰も近づかねえよ。」

「だって~、声かけてくるほうが悪いんだもん。せっかくなのに断るのも、ねぇ~。」


「オマエら悪党だなぁ。」


そんなこんなで騒ぐだけ騒いで2人は帰って行った。


結局、翌日は雨まじりの曇り空だった。


彼女達は江ノ島でも獲物を見つけられたのだろうか。




因みに、最後までオレの「オジサン」は訂正してもらえなかった。

お礼の仕方

今年の夏、こんなお礼をされた。


大学生くらいのカップルがかき氷を買いに来た。

彼氏の方は、にこやかで人の良さそうな感じ。

彼女の方はと言うと、可愛い顔をしていて、結構胸が大きい。

爽やかな感じのカップルだ。


その2人が売店に来た。


「いらっしゃい!ご注文は?」


彼氏の方が、


「ブルーハワイお願いします。オマエは?」


彼女は、


「わたしはイチゴミルクで。」


2人の明るい受け答えが気持ちいい。


オレは、

「ブルーハワイとイチゴミルクね。」


と言って、かき氷を作り始めた。


すると、

「ミルク多めっていくらですか?」


と聞いてきた。

でも、彼等の明るい雰囲気がなんとなく気に入ったので、


「いいよ。サービスするよ」


と言って、ブルーハワイとミルクたっぷりのイチゴミルクを出した。


彼女は

「うぁー!すごーい!」

と言って、かき氷を受け取った。

それを見ていた彼氏が、


「オマエ、ちゃんとお礼しろよ。」


すると彼女が彼氏に

「ちょっと持ってて。」

と言って、かき氷を渡した。

そして、両腕で大きな胸を寄せて谷間を作り、それを見せるようにして、


「ありがとうございましたー!」


と、お辞儀をした。

それを見た彼氏が、

「バカッ」

とツッコミをいれた。


「おもしろい彼女じゃない。」

と、彼氏に言うと


「えぇ、まぁ・・」


と苦笑い。


思わず、

「もう一杯サービスしようか?」

と、言おうと思ったが、それはやめておいた。



短いやり取りだったが、話していて気持ちのいい2人だった。