ジョン・レノンの数多あるエピソードで、個人的に好きな話があります。骨董品を買いに来たレノン夫妻のエピソードを、木村東介氏なるお店の主人が書いたものです。
要約したものを載せますが、最後に出典を書いておきますので、興味を覚えた方は、なんとか原本を読んでください
私の筆力では・・・うまく伝えられません!
お忍びでヨーコと来日したジョン、お目当ては日本の古美術、絵画や掛け軸を銀座に買いに来たのです。
当初主人は「ジョンレノンって誰?」みたいなノリで、接客をするのですが、購入品を真摯な態度で買うレノンに、段々親近感を抱きます。その時は開業以来の売上げを記録するのですが、購買欲の止まらないレノンに他の店を紹介をします。移動までに少し時間があったので、歌舞伎座へ観劇に行くのですが、生憎舞台は「隅田川」という暗い話を演じています。きらびやかなものを見せるつもりだった店主は、「ちょいと外にでも出ますか」とヨーコさんに声をかけようとしたら、レノンの両目からは止めどもない涙があふれては落ち、ヨーコさんはしきりにハンカチで拭いています。
これを見て店主は一流の芸術家同士は例え国が違い、言葉が違っても、また劇の途中であっても感じることが出来るものだなぁといたく感激するのであります。
この1文を読んで、さすがはジョン・レノンと感激しました。このあと演じた歌右衛門を紹介するのに、通り道の「奈落」を通って、楽屋に行く際、店主が「こんな汚い通路ですいませんねぇ」にレノンは「いえ大丈夫です。私はもっとひどい所を通って来ましたから」との返答、クールですなぁ・・・
ちなみにレノンが涙した「隅田川」は昔の「人買い」のお話で、ちょうど終幕あたり、人買いにあった子供を探している母親が、その子供の墓を見つけてしまうシーンだったようです
幼少を複雑な家庭環境で過ごしたレノンにとっては、共感することは人一倍多かったのではないでしょうか?
歌右衛門はその後、ロンドンで隅田川を上演したそうです。
ちょいと笑えるのは、市川海老蔵の出し物には「ノー」といって立ち上がったそうです。賑やかな万人向けの出し物らしいのですが、形の踊りは要らず、心の踊り、魂の踊りを見たかったとのことを主人は書いています。
今話題の海老蔵君は大根役者と名高いようですが、先代もそんな風に見られていたのかな??
奇しくも、エビゾー君、活動を無制限延期らしいのですが、今の彼こそStrawbery Fields に連れていってあげたいですなぁ・・・しかしボンボンの彼にわかるかな?
ネタ元
ビートルズってなんだ? 香月利一編
「ジョン・レノンと歌右衛門」木村東介 (話の特集 1981年4月号)
