西郷隆盛は、宗匠頭巾の男に、自分の名前を告げた。
「西郷さんのことは、藤田先生(藤田東湖)から良く聞いていますわ」、
「そうでごわしたか、藤田先生から」、
「西郷さん、いろいろ知りたかったら、野村休成を訪ねていけば良いでしょう」、
「えっ、野村休成?」、
「御数奇屋坊主の組頭、野村休成、そう聞けば、どこの、御殿様でも、良くご存知かと思いますよ」、
西郷隆盛は、このおそらく、一橋慶喜(徳川慶喜)の護衛の者であろう、品の良い中年の宗匠頭巾の男に、野村休成を教えてもらい、
「教えて頂き、ありがとうございます、1度、訪ねてみます」、
「そうしなされ、では、私達は失礼します」と、言って、
宗匠頭巾の男は、手で仲間に合図して、一橋慶喜の護衛らしき者達は去って行った。
それを見届けると西郷隆盛は源兵衛に、
「源兵衛どん、長い間、すまなんだのう」と、礼を言った。
「いえ、旦那、9日間、旦那と舟にいるのも良かったですぜ、じゃあ帰りやすよ」、
「ああ、最後の舟漕ぎ頼む、じゃどん、また頼むこともあるかも知れんでごわすがな?」、
「ええ、もう勘弁してくださいよ、恐い思いはもうたくさんでごわすよ」、
「ハハハ、大丈夫でごわす、次は釣りで頼むでごわすよ」、
「それなら歓迎ですぜ旦那、また、楽しく舟を漕がさせてもらいますぜ」、
こうして、西郷隆盛の佃島通いは失敗のような感じになったが、野村休成の名を知ることができ、藩の長屋に帰ると、早速、野村休成の住所を調べ出して、下谷の池の端に屋敷があることが解り、
『おいどんが行くと、体が大きいもんで目立ちやすもんで、う~ん、俊斎どんに頼むでごわすか』、と思い、
有村俊斎に理由を話して野村休成を尋ねさせて、会えるようにしてくれることを頼んだ、
そうして、有村俊斎は野村休成に会いに行ったのだけれど、もの凄く怒りながら帰って来た。
「お帰りもせ、俊斎どん、ほんで、どんなもんでごわしたか?」、
西郷隆盛が早速聞くと有村俊斎が、
「あの男、すんごく腹が立ちもしたでごわすよ」と、
酷く怒っている様子なので、西郷隆盛は、
「俊斎どん、えらく腹を立てているようでごわすが、野村休成どんのとこさで何かあったでごわすか?」と、聞くと、
「あの男、情報を聞きたかごわせば、金を出せ言いもしての、幾ら欲しいと聞いたら、五両なら五両の情報、十両なら十両の情報、五十両なら五十両、百両なら百両のと、各種いろいろと金額に応じて用意しますけど言いもしての」、
今、この国が大変な時に、それを利用して、金儲けをしようとしているのを感じさせる、野村休成に腹が立って、有村俊斎は帰って来たみたいだった。
西郷隆盛は笑いながら、
「ハハハ、聞きたかったら、金を出して買え、言いもしたか、面白そうな男でごわすな」、
有村俊斎が怒りながら、
「面白くないでごわすよ、あのクソ坊主」、
つづく。
「西郷さんのことは、藤田先生(藤田東湖)から良く聞いていますわ」、
「そうでごわしたか、藤田先生から」、
「西郷さん、いろいろ知りたかったら、野村休成を訪ねていけば良いでしょう」、
「えっ、野村休成?」、
「御数奇屋坊主の組頭、野村休成、そう聞けば、どこの、御殿様でも、良くご存知かと思いますよ」、
西郷隆盛は、このおそらく、一橋慶喜(徳川慶喜)の護衛の者であろう、品の良い中年の宗匠頭巾の男に、野村休成を教えてもらい、
「教えて頂き、ありがとうございます、1度、訪ねてみます」、
「そうしなされ、では、私達は失礼します」と、言って、
宗匠頭巾の男は、手で仲間に合図して、一橋慶喜の護衛らしき者達は去って行った。
それを見届けると西郷隆盛は源兵衛に、
「源兵衛どん、長い間、すまなんだのう」と、礼を言った。
「いえ、旦那、9日間、旦那と舟にいるのも良かったですぜ、じゃあ帰りやすよ」、
「ああ、最後の舟漕ぎ頼む、じゃどん、また頼むこともあるかも知れんでごわすがな?」、
「ええ、もう勘弁してくださいよ、恐い思いはもうたくさんでごわすよ」、
「ハハハ、大丈夫でごわす、次は釣りで頼むでごわすよ」、
「それなら歓迎ですぜ旦那、また、楽しく舟を漕がさせてもらいますぜ」、
こうして、西郷隆盛の佃島通いは失敗のような感じになったが、野村休成の名を知ることができ、藩の長屋に帰ると、早速、野村休成の住所を調べ出して、下谷の池の端に屋敷があることが解り、
『おいどんが行くと、体が大きいもんで目立ちやすもんで、う~ん、俊斎どんに頼むでごわすか』、と思い、
有村俊斎に理由を話して野村休成を尋ねさせて、会えるようにしてくれることを頼んだ、
そうして、有村俊斎は野村休成に会いに行ったのだけれど、もの凄く怒りながら帰って来た。
「お帰りもせ、俊斎どん、ほんで、どんなもんでごわしたか?」、
西郷隆盛が早速聞くと有村俊斎が、
「あの男、すんごく腹が立ちもしたでごわすよ」と、
酷く怒っている様子なので、西郷隆盛は、
「俊斎どん、えらく腹を立てているようでごわすが、野村休成どんのとこさで何かあったでごわすか?」と、聞くと、
「あの男、情報を聞きたかごわせば、金を出せ言いもしての、幾ら欲しいと聞いたら、五両なら五両の情報、十両なら十両の情報、五十両なら五十両、百両なら百両のと、各種いろいろと金額に応じて用意しますけど言いもしての」、
今、この国が大変な時に、それを利用して、金儲けをしようとしているのを感じさせる、野村休成に腹が立って、有村俊斎は帰って来たみたいだった。
西郷隆盛は笑いながら、
「ハハハ、聞きたかったら、金を出して買え、言いもしたか、面白そうな男でごわすな」、
有村俊斎が怒りながら、
「面白くないでごわすよ、あのクソ坊主」、
つづく。