ちょっと落ち着いたところで、前々回の続きです。
福島第一原子力発電所は、すべての原子炉を休眠させた後に廃炉へと向かうことは間違いありません。また、同様の規格をもつ他の原子炉も、速やかに廃炉へと向かうことでしょう。具体的には70年代に運用されている古い原子炉、その他津波被害の想定を今回のような20m以上にした場合、耐えられないと思われるものなどでしょう。
ここで、前回引用させてもらったよくわかる原子力の、原子力発電と地震から抜粋します。
地震と原子力発電
以下抜粋
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○ 旧型の原子炉の問題点
日本では、1966年に第1号として東海原発が運転を開始していますが、これら旧型の原子炉が設計された時代には、原子炉を設計するための耐震性の指針
さえなく、プレート運動による地震の発生メカニズムも知らぬまま、電力会社が自己判断に基づいて設計していました。初期に建設された原発は、実際の地震に
比較して小さな揺れにしか耐えられないものとなっています。
「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」は1981年に原子炉安全委員会によって正式決定されたものです。したがって、広瀬は1978年9月以前に工事に着手された原子炉25基は、原子炉設置基準を満たしていないという重大な事実を指摘しています。
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また、比較的新しく作られている柏崎原発は、中越沖地震において耐震設計の予測を上回る加速度を観測しています。
現在計画している新たな原子炉は、すべて凍結されるでしょう。東京電力を初めとした各電力会社も、これ以上のリスクを背負って原子力発電所を運営することは拒否する可能性だってあると思います。日本の原子力発電事業は、急速に減衰していくことは間違いありません。
電力会社は新たな発電事業を、個人や企業は電力会社に依存しすぎた電力供給を見直す動きが、活発化することはさけられません。もちろんすべて自前で電気を作るのは難しいですが、今までよりも電力会社から供給される電力量を押さえ、自前で電気を作って工場などに供給することを真剣に取り組むでしょう。長期間この停電が続くようなら、会社経営も持たなくなりますし。
大きな企業などでは、急な停電時に最低限の電力を発生させる自家発電施設を所有していますが、そのほとんどがディーゼルによる発電です。
JRなどは自前の火力発電や水力発電所を所有しています。信濃川水力発電所では、以前JRの水泥棒で結構な騒ぎになりました。信濃川ではJRの件により水量が減少し、多くの生き物に影響が出るなど、環境問題に発展しました。
そんなこともあり、ここ数年の開発などによる自然破壊へ繋がることから、あらたな水力発電所の設置には大きな抵抗があるでしょう。また温暖化への危惧から火力発電所も同様です。
減少するばかりの電力供給に、みなさんはどうしますか?
・より節電する方法を考えるしかない。(スマートグリッドなど含む)
・より環境に優しい方法をとった発電により、電気の供給をうける。あるいは作る。
この両方をやるしかないでしょう。
家庭での発電に関しては、コストの問題が大きく横たわっていますが、太陽電池、ガスによる発電を実際に家庭で作っているところも増えてきているようです。いま試験的に運用されている燃料電池のシステム(エネファーム)なども、これから普及の兆しが見えてくるかもしれません。
少なくとも、停電などによって非常用電源の必要性を痛感した人は、かなり多いのではないでしょうか。
原子力発電が全体の23%を占めていることで、多くの人は脱原子力は無理ではないかと言っているようですが、個人や企業単位で一つ一つが電力会社への依存度を低くすることにより、充分可能ではないでしょうか。
もしかしたら、今回のことを契機に、日本はエネルギー先進国へと向かっているのかもしれませんよ。