特に大きな進展はありませんが、今日の記事です。
カーブで男性の体揺れる=「安全バー下りない」-コースター転落死・警視庁
以下記事引用東京ドームシティアトラクションズ(東京都文京区)のコースターで会社員の倉野内史明さん(34)=羽村市=が転落死した事故で、警視庁捜査1課は 1日、業務上過失致死容疑で、運営会社「東京ドーム」や、輸入代理元「インタミン・ジャパン」(杉並区)など3カ所を家宅捜索した。安全バーの確認を担当 していた女性アルバイトは同課に「過去にも目視確認だけのことがあった」と説明している。状況が明らかになるにつれ、安全管理の不徹底ぶりが浮かび上がっ てくる。
■「バーがグラグラ」
事故が起きた1月30日。同園では人気ゲームのスタンプラリーが催され、混雑していた。倉野内さんと一緒にいた知人は乗車前、「(自分も倉野内さんも大柄なので)乗れないかもしれないから、だめだったらスタンプだけもらおう」と話し合っていた。
だが、2人はコースターに乗ることができた。しかし、「倉野内さんの安全バーはグラグラ揺れていた」(知人)という。
バーは前方から乗客が手前に引いて密着させる。8段階でロックされ、最も緩くても背もたれから約30センチ以内まで引き寄せないと固定されない。倉野内さ んは身長約185センチ、体重約130キロ。ロックがかかっていなかったとみられる。同課によると、倉野内さんは「前のめり」に転落。事故後の検証でも倉 野内さんのバーはロックされていない「直立」状態だった。
現場にはバーの確認と発進ボタンを担当した女性アルバイトのほか、現場責任者の女性契約社員、客を誘導するアルバイト2人がいた。バーを確認した女 性アルバイトは同課に「バーがおなかに当たっていたので、手で押して確認しなくても大丈夫だと思った。過去にも目視だけのことがあった」と説明。現場責任 者も確認作業をチェックしていなかったようだ。
■対応に疑問も
東京ドームは当初、転落を防ぐ安全管理について、マニュアルに加え、口頭で指導を徹底してきたと説明。「乗客に安全バーを倒すよう呼びかけ、目視やバーを手で押すことで固定を確認する」としていた。
ところが、事故後の聞き取り調査では、口頭で「手で押して確認」することを指導されたことがない係員が複数いたことが判明した。同社はそれでも「最低限で も目視での固定確認を指導していた。特に大柄な乗客や子供客には注意を払い、安全管理に努めてきた」と強調するが、事故は起きた。
日本大学の船山泰範教授(刑法)は「あらゆる危険を想定して予防策を尽くすのは運営者の義務。現場の過失だけではなく、安全管理態勢に欠けた部分があったのではないか」と同社の対応に疑問を投げかける。
さらに、船山教授はマニュアルの整備▽安全管理を係員に順守させる教育▽施設の危険箇所にネットを張る-などの対策が必要だとし、「管理責任者自身が現場をこまめにチェックすることも不可欠」と訴える。
■教訓生かせず
「ハインリッヒの法則」というものがある。1つの重大事故の背後に29の軽微事故があり、背景に300の「ヒヤリ」「ハット」が潜んでいるとされる。
今回の事故と直接関係はないが、同園では昨年末から、部品の落下、従業員が点検中に指を切断するといったトラブルが続いた。事故があったコースターでは平 成14年に運行手順の誤りで2つの車両が衝突、1人が軽傷を負う事故もあった。これらの教訓は生かされなかったことになる。
最新の機種では安全バーが固定されないと発進しないものもあるが、今回、事故が発生したコースターはバーが固定されなくても発進できたものだった。
日本大学の青木義男教授(安全設計工学)は「不況の影響で、安全管理に十分な費用が充てられないケースがある」とした上で、「安全装置があっても、運用者全員が遊具の危険性を認識しなければ、事故は根絶できない」と指摘している。
記事の最後には、ハインリッヒの法則が引用されています。労働災害を統計的に調べ上げた結果導きされたもので、ここ近年で重大事故がいくつも発生した東京ドームシティでは相当数の「ヒヤリハット」があったはずです。
つまり今回のケースと似た事例で、重大事故に至らなかったヒヤリハットがあれば、事前に対策が打てたのかもしれません。
あと、被害者の方が「乗れないかもしれないから、だめだったらスタンプだけもらおう」と話し合っていた。」と行っていたことから、過去にアトラクション遊具に乗車できなかった経験があったのかもしれません。搭乗時に声をかけていれば、わりとすんなりと乗車せずに済んだ可能性もあります。
今回の事故を招いた何らかの不備として、どのようなものがあるかとりあえず挙げてみます。
1 遊具に具体的な体格制限をもうけていなかった。(乗車してから安全バーを装着して確認する手順だった模様)
2 安全バーが固定されていないことを、スタッフが直接触って点検しなかった。(マニュアルや手順の指導に不備があった)
3 安全バーが固定されていなくても、運転が可能であった。
4 遊具に安全バー以外の、転落防止設備がなかった。
5 転落した先に、緩衝材やネットなどが設置されていなかった。
中には、設置が非現実的と思われる物もあるかもしれませんが、とりあえずあげてみました。
この中で1番は費用がかからない(かかったとしてもたかがしれている)ものですが、それ以外はある程度の費用が必要な物です。
たとえば2番などは、マニュアルの作成やスタッフの研修費用など、意外とお金がかかると思われます。また3-5番に関しては、設備投資や新たな点検項目の増加など、目に見えて経費がかかります。
つまり、リスクが高ければ高いほど、安全にはお金がかかるものなのです。
お金をかけずに安全管理をしようとは思わず、ある程度の経費が必要なのだと認識するべきだと思います。つまりこういう事故の責任は、経営者にある場合が多いのです。