-「グミ・チョコレート・パイン」を青春時代に1回読むってことのほうが僕にとっては価値があるのさ-十七歳/銀杏BOYZ(峯田和伸)
そうグミ・チョコレート・パイン読み終えました。
この本を友達に借りたのはちょうど一年前くらいだったと思います。
今まで手につけてなくて読まずにいて申し訳ない…後今回の感想はネタバレが多いので読んでない人は注意!
読んだ感想を一言でいうと。
「これ、自分(俺)のために書いたのでは?」
って感じです。多分グミ・チョコレート・パインをAmazon辺りで星5つ評価している人は皆思ってるはず。
僕の尊敬するバンドBase Ball Bearの小出氏の言葉を借りるなら「AでもないCでもないその狭間でモヤモヤしたBな生徒」
つまり学校で派手なグループにも属さず、地味すぎるグループにも属せない中間な存在が恋をして、友だちを増やして、バンドを組み、そしてライブをして物語が終わる。
しかも主人公を中心とする主要人物はアングラロックバンド、B級映画、小説などが大好きで誰よりも知識があると思うがゆえに一般人との温度差を常に感じているいわゆるサブカルチャー作品が好きな人物で。
まるで僕の高校時代を見ているので共感しか覚えなかったです。
と言うのも貸してくれた人が人なので当たり前か、と腑に落ちてしまった。
この作品との出会いは一年ほど前Twitterで「表面上はまわりに合わせてEXILE大好きって言いつつも本当はナンバーガールとかしか聴かないようなそんな女子が居たらなぁ…」というしょうもない欲望を持ったツイートを
フォロワーである友達が「それまさにグミ・チョコレート・パインだから貸すよ」的な感じのやり取りからでした。
僕の高校時代に変化をもたらした人物を三人挙げよ。
という設問があったのなら、まずグミ・チョコレート・パインを貸してくれた友達(以下Aさん)を挙げると思います。
僕は高校時代「少しだけ周囲より音楽好きで、少しだけ周囲よりずれてると思いたい」そんな少年でした。
EXILEやAKBやレゲエだのなんだのを冷めた目で見て。いわゆるロキノン系と呼ばれるバンドに熱狂的にはまってました。
そんな少年は平凡に高校二年生に進級し、新年度すぐ新しいクラスで実施される「自己紹介」というイベントがきっかけで気持ちの変化がありました。
喋ったことも顔も知らなかった人が多い中、いかに自分と同じ感性、趣味の合う人間を見つけられるか、多分僕は人より自己紹介の存在を重要視していた。
ただ自己紹介なんて完璧な内容だったとしても人の記憶にはこれっぽちも残りません、なのになぜか自己紹介でスベれば2ヶ月くらいは後ろ指を指される。
そんな恐ろしいものです。
各々自己紹介
新年度というスタートダッシュをコケる訳にはいかない!と思った僕は本当はBase Ball Bearというバンドが大好きなのですが、きっとだれも知らないので、大衆に人気のあるUVERworldと言おうと静かに決心しました。もちろんUVERworldも好きでしたし。
そんな僕だったのですがあるクラスメイトが自己紹介で「銀杏BOYZが好きです!」といったのがきっかけで自分に嘘をつかず本当に好きなものを持って自分を紹介できたのでした。
よくきっとほとんどの人が知らないバンドをチョイスしたなぁ。と感心しました。
当時の僕は今ほどバンドに詳しくなかったのですが、銀杏はSKOOLKILLとボーイズ・オン・ザ・ランしか知りませんでした。
ボーイズ・オン・ザ・ランは同名映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の主題歌で、これもまたグミ・チョコレート・パインと同じ、少しだけ下品で純情な青春モノだったので、当時付き合っていた彼女と行ったカラオケで予告が流れていて気まずい空気が流れたのが印象的で知りました。
ただ「Base Ball Bearってバンドが好きです!」と言っても、クラスのムードメーカー的な女子が「ギャハハ知ってるー」って明らかに知らないのが感じられるガヤが返っててくらいでしたが僕には誇らしさすら感じました。
その銀杏BOYZ好きの友人(以下Bくん)も僕の高校時代に大きな変化をもたらした人物の二人目でした。
彼は当時僕よりも音楽を知っていて、面白くて、僕が初めてバンドのライブを観に行くことのきっかけになった人でした。
今は僕のせいで仲悪くなってしまったのですが、今でも大切な存在でした。
Bくんすら超越するくらい、僕にグミ・チョコレート・パインを貸したAさんは音楽に詳しく変わった人でした。
自己紹介でも僕の知らない単語がポンポンでてきて、圧倒されました
Aさんとは高校1年生からのクラスメイトで、共通の知り合いがいたので知っていたのですが、その頃から人とは違う存在感が感じられる人でした。
変わった持ち物を着用して、休み時間はバンドのライブ告知のフライヤーを読みながら一人でヘッドホンを音楽を聞いてるような人だった。
と言ってもAさんとは一年生の頃はさほど関わらなくて、本格的に関わったのは二年生からでした。
CDを貸してと言ったら10枚くらい一気に貸してくれて、僕の知らない色々なバンドを教えてくれました。ライブにも誘ってくれたのですが一度も行けずじまいで申し訳なかった。
僕がここまで音楽好きになった原因はこの人にあります。
それくらい衝撃を受けて、自分に知らないバンドがあるのが恥ずかしいと思って聴き漁りました。
そんな音楽の趣味の合う友人に恵まれて、高校3年生で初めて楽器を始めるのでした。
友人がモテたいからっていう理由でバンドやろうぜ。誘ったのがきっかけでした。
誘ってくれた友人が、僕の高校時代に変化を持たらした人物の三人目(以下Cくん)
その誘いに乗って僕とBくんとCくんでバンドを組みました。
ここらへんが主人公である賢三と友達のカワボンとタクオが高2の夏休みにバンドを組んだ。グミ・チョコレート・パインと同じものを感じます。
Bくんがギター、僕がベース、Cくんが歌うという形でした。
多分この三人だけでバンド結成しただけじゃ、陽の光に当たらず終わるとこでしたが後に軽音部に所属する友人二人のおかげであとから軽音部に入り文化祭でライブをすることができました。
前述したとおり派手な立場にも、地味な立場にも立たない僕等が初めてスポットライトと歓声を浴びたのでした。
今でも大学の軽音部で僕はベースを弾いています。
音楽を聴くだけの人間が発信する立場に慣れたことに価値を感じます。
そんな学生時代を思い出す内容だったのでハマりすぎて3日で三冊読み終わりました。
さて話は戻ります。
「表面上はまわりに合わせてEXILE大好きって言いつつも本当はナンバーガールとかしか聴かないようなそんな女子が居たらなぁ…」という僕の欲望を体現するような女子がこの作品のヒロイン山口美甘子 です。
彼女は、おもてづらはクラスの女子の界隈で馴染んでいますが、実はいわゆるサブカルチャー作品が好きで、心の中で浅い知識しかない周囲の女子を冷たい目で見ていて、後にスカウトされ女優になり映画の主演をして、清純で男に疎かった彼女が男を知りビッチになる。
そんな女子に恋する賢三の恋のお話です。
賢三がよく行く映画館で偶然美甘子に遭遇し、お互いの趣味に共通点を持って仲良くなってたはずで、女優になった美甘子に追いつくために賢三はバンドに打ち込むのですが、いざ会ったら賢三のことなんてこれっぽっちしか覚えてないことに衝撃受けました。
僕みたいな消しゴムを拾ってもらっただけで好きになる人もいれば、そういう人もいるのかと思いました。
絶対美甘子は賢三に惹かれてたと思っていたのに恐ろしいものです。
個人的にツボを突いたとこと言えば、賢三と美甘子が浅い知識の奴等と軽蔑していた同じ高校のクラスメイトが終盤で各自ドン底に落ちるのですが、最後の最後で開き直って幸せになるところがおもしろかったです。
特にクラスメイトの詠子はどう見ても他人から見たら不幸だろと思いつつ本人は幸せそうにしててなんか可愛いなと。笑
作者もあとがきで言っていたのですが登場人物が各々幸せになるように書いたってとこがいいですね。
読み終わったあとになんだか笑顔になりました。
本当「モテキ」とか「ボーイズ・オン・ザ・ラン」とかこういうダメ男が奮闘して変わっていくって話が大好物で、だからいつまでも卑屈な立場に心地よさすら感じてるんだろうなぁっていう自分の反省。笑
笑って泣ける、いい作品だと思います!!ぜひ十代のうちに読んでいただきないと思いました。



