バリタイ福生店のすぐそばに、カメレオンカフェがあります。
入口のドアを開けると湿度の高い空気が迎えてくれます。
店内は、お客さんに見せる側に1メートルはある水槽が8個展示されていて、水槽1つ1つに1匹づつ、カメレオンが入れられていて、止まり木として入れられている木の枝に静かにつかまっています。身体の長さが50センチ位ある個体は、雑念なく心を空にして瞑想しているのか?それとも、時間と存在について深く考えているのか?その様子を見ている筆者がそういった状態になりたくなります。
一方で、この店にはホスト役のカメレオンがいて、この個体は水槽に入れられているカメレオン達とは違い、店内に張り巡らされたロープや水槽の上面の金網を歩き回っています。
ネコカフェやドッグカフェは都内に数軒ありますが、カメレオンカフェは一軒だけだそうです。
この店にいるカメレオン達の故郷はアフリカの東側にあるマダガスカル島です。
カメレオンは人間の顔を区別できるらしく、個体によって、特定の人(店長さん)に身体を触れるのを許したり、嫌がったりするのだそうです。
また、縄張り意識が強いので、自分のテリトリーに別のカメレオンが入ってくると威嚇するのだそうのです。その様子を実際に見せていただきました。
先ほど述べたホスト役のカメレオンを水槽に入れられた個体に近づけると、二匹のカメレオンは身体を膨らませて、緑色だった身体の色を相手に見える側をオレンジ色に変えて威嚇しあいます。互いが緊張しているのがひしひしと伝わってきます。筆者にとっては新しい体験で興味深かったですが、ちょっと、二匹のカメレオンが気の毒でした。
この様にカメレオンは個性が豊かで、繊細な動物なので、かつて日本に連れてきても3~4ヶ月の命だったそうです。しかし、今では飼育の技術が向上し、日本に連れて来て3~4年は生きていることが出来るのだそうです。
で、筆者は店のカメレオン達は何歳なのか気になり店長さんに尋ねました。すると、店長さんは一年目だと答えてくれました。
筆者の頭の中は、体長が50センチ位あるカメレオンが一年目?、え?、何故そんなに早く成長するの?とクエスチョンマークが汲めども汲めども湧いてくるのでした。すると、店長さんが、マダガスカルには雨季と乾季があって、乾季を過ごすのが過酷で、命を落とす個体が少なくなく、大きく成長して乾季をやり過ごすのだと答えて下さいました。寿命が一年以下の個体も少なくないとか。
筆者は注文したマダガスカル珈琲を飲んでいると、店長さんは餌のコウロギをカメレオンに与えて下さいました。
舌を伸ばして捕食する様をライブで目撃できたのでした。本当によく伸びる舌です。
その時に、小学生がコウロギを買いに来ました。店長が小学生を送り出すと「あの小学生、カメレオンをウチで買って、今、飼育しているんです。彼には頑張ってもらいたいです」
筆者は「難しくないんですか?あの年頃だと、金魚すくいで捕った金魚でしょ?」
店長さんは「そうなんです、難しいです。でも
、お父さんと協力してるみたいです」
カメレオンを持つと腕が腐るという言い伝えがマダガスカルにはあるそうです。カメレオンの爪が鋭いので、腕に載せると腕が傷つき、その傷が化膿するからだそうです。
店長さんに持ってみますか?と言われましたが、筆者は手に傷があったので辞退してしまいました・・・。
カメレオンカフェに行くことがありましたら、ぜひカメレオンに触れてみて下さい。
今夜はバリタイで、カメレオンの様に舌を使ってお楽しみ下さい。