車に戻る。


まだこの感情をどうしていいかわからない。


冷静に…とはいっても、原因もなにもわからずにどうすれば…。


おそらくこのまま意地張って連絡とらなければ…この付き合いは終わる。


それでいいのか?


なぜ自分はちさを好きになった!?


『お互いいじりあいながらも、一緒にいると楽しいから?』


ただそれだけ?


それなら友達でも同じじゃないか。



……


感情をなくすように…


一度目を閉じてみる。


過去を振り返ってみる。


『もう一度、あの笑顔が見たいな…。


そうか。おれはあの笑顔、そしてこれまでのちょっとした優しいとこに惹かれてた。


でも、今回は違った。


なぜ!?


そこははっきりさせときたい。』



『ちさへ。


さっきはしんどいのにきつく言って悪かった。


原因はあっても今は言い訳しない。


今日ははやくよくなるよう、ゆっくり休んで欲しい。


で、もう一度。明後日の土曜日に話がしたい。


もしよければ、12時にいつものとこで待ってる。


もう会いたくなければ、それはそれでいいから来なくても、返事しなくてもいい。


おれが勝手に待ってるだけやから。


もし、なにか必要なものがあるなら、なんでも言って。鈍感なおれにできることはそれくらいしかないから。


このメールで気分悪くなったならごめん。


早くよくなってな…。んじゃ、今から帰ります。お休み。』



送信後、なんともいえない感情のまま自宅に車を走らせました。



駐車場に着くと、メール受信1件。


この内容でこの先はもうないのかもしれない…


不安に襲われながら確認してみました。


今日も仕事終わりに、いつものように会うことになってました。


出る前にいつものように『今から出ます』メールで知らせて車へ向かいます。


いつもなら途中で『気をつけて』メールがあるんですが、今日はありませんでした。


ただ、忙しいのかと思ってました。


到着したことを伝えて待ってると、5分後に合流しましたが、顔が赤い…


「え!?どしたん?顔赤いで!大丈夫か??」


「うん、朝から熱あるねん…」


「やっぱり…そらあかん!

今日はゆっくり休んどくか!?」


「家だれもおらんし、しんどいねん…」


「薬は飲んだんか?」


「きらしてて、飲んでない…」


「あかんやん!じゃ、今から買いにいこ!!」


「持ってきてくれてないん?」


「え?ああ。そら今知ったしな…」


「なんで!?

朝からきついって今言ったやん、朝礼のときに気づいてくれてなかったん!?」


「わからんかった。」


「ありえへん!!

こんなきついのに…普通気づいてくれて、途中の休憩とかにでも気遣いしてくれるのとちゃうん!!」


「どうしたんや?いつもと様子が全然違うぞ!?」


「そうか、それはおれが悪かったな。」


「ほんまや。前の彼氏ならそういうとこはしっかりと気にかけてくれたんに!!


ちさの内心(以下省略)

「あ、言うてもうた…。」


「それは悪かったな…。

朝礼で3分程度、しかも仕事の業務連絡聞いてて気づかないのでそこまで言うか。」


「大人にならんとあかんけど、これはどっかおかしい言われ具合ちゃうか!?」


「普通顔くらい見るし、そしたらすぐにわかるやん!

もう、しんどいのにもっとイライラさせたいんか!!!」


「ちがう、こんなん言うつもりじゃないのに…

抑えきれない!!」


「わかった、とりあえず薬買いにいくぞ。

その後、イライラせんように家でゆっくりしといたらええやん。おれといても余計きついだけやろ。」


「なんかこっちまでイライラしてきたぞ!?

おれ、なんか悪いことしたか!?

そこまで言われることか!!」


「もういい!そのままでいい。」


「いい、ちゃうわ!

そのままじゃ余計きつくなるやろうが!!

薬だけ飲め!

俺のことは無視でかまわん!!」


「いいから!降ろしてよ!!」


「聞き分けのないやつやな!!

すぐやからがまんせぇや!!」



そう言うと、ちさの呻きを聞く前に車を出し、近くのドラッグストアで風邪薬を買い、ちさの家の近くまで送る。



「着いたぞ。これ飲んで、少し寝て。

もうなんも考えんように。」


「…」



無言で帰宅の途につくちさを、なんともいえないイライラともどかしさで見送る。


どうしてこうなったのか!?


この時はまったく理解できず、しばらくそのまま動けませんでした。


この気持ちをぶつけることができず…


握り締めていた右手からはうっすら血がにじんでいました…。


それからは、週4のバイトの日はメールのみ、

無い日の平日は軽く会って話したり、電話だったり。

土日はお泊りが当たり前となってました。


時期は7月も中ごろ…


話の流れで


「旅行とか行きたいね~^^」


ということで、二人で調査。

時期的に急がないと盆休みは宿が取れなくなる恐れがあるので…


それからというもの、ずっと雑誌やネットから情報を出しては二人で悩み…


電車でのんびりと三重県へ…ということになりました。


決まってからも二人で準備や買い物に出かけたりと楽しい時間は過ぎていきました。


そう、旅行1週間前までは…。


この日も仕事終わりに会うことになっていました。