銀の森の物語~愛しき薔薇の君へ~ | 薔薇の館

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訪問ありがとうございます。

こんにちわ。作詞家の方に、新しい歌詞を書いていただきましたので、披露させていただきます。

よろしければ、ご覧ください。今回も前回に引き続き、コウモリ伯爵と赤い薔薇の恋の物語です。

 

 

     銀の森の物語~ 愛しき薔薇の君へ~

     宮里誉

 

    

     咲いたばかりの花びらに

     朝露ひとつ 落ちました。

     黒羽伯に抱かれた

     その花の名は、赤薔薇姫

 

     黒羽伯の愛の人

     宝石霞む光る声

     命はまるで流れ星

     すぐに別れは訪れる

    

     赤薔薇の手を取り黒羽伯

     ひとときたりとて離れがたしと

     眠ることすら拒んで嘆く

     嗚呼 時計の針は止まらない

 

     愛の悲しみ 愛の喜び

     再会するほど 心は軋む

     愛の苦しみ 愛の理

     永遠の命など 取るに足らない

     限りある生を一輪のために

     涙がひとつ 薔薇を濡らした

 

 

     雫見つめて思い出す

     朧げな記憶辿れば

     天使の組曲 背負いつつ

     手を取る指は震えてた

 

     額に口付け 赤薔薇の姫

     あなたの苦しみを分けてほしい 

     永遠の命を許せぬならば

     ええ花の掟も捨て去るわ

 

     ふたりが向かうは銀の森

     「悪魔が囁く」人は言う

     氷の魔女が御座す国

 

     愛は悲しみ 愛は喜び

     雪たち踊って回転木馬

     愛は苦しみ 愛は理

     「我らの命を捧げましょう」

     魔女はふたりを 見つめてほろり

     優しい白で、包んであげた

 

     妖精たちの 歌声が

     山の麓に 降りてくる

     まばゆい光 森に差し

     時折響く 笑い声  

     遠い昔の物語  

     恋人たちの物語