アレキサンダー 「今日は急ぎだ。早速ストライクフォースの結果から行こうか」

ヒョードル 「モーvsムサシはモーの長所がムサシの短所をモロに突いた形になったから一方的になったね。戦略的でレスリングの強いモーと、行き当たりばったりでそんなに腰の強くないムサシだから展開としては十分考えられたんだけど、そうなるとあとはムサシの三角締めをどの程度凌げるのかと言う事が分からなかったんだよね。でもムサシは余裕かまし過ぎちゃったな。PRIDE時代のノゲイラみたいに“倒されたら三角行きゃいいや。俺誰でも極められるし”なんて調子に乗ってたんじゃねえの?とてもレスリング対策してたとは思えねえもん。そういえば生放送のコメント見ててムサシに幻想抱いてた奴が多かったのに気付いたんだけど、これまでそこそこの実力にツキが味方して過剰な幻想を周りだけでなく本人も抱いてたんじゃないかと思うんだよ。過剰な幻想になる試合としていくつかあるけど、まずジャカレイ戦でのフィニッシュの蹴り上げはムサシじゃないとできない技でもないから評価できない。あれはジャカレイがバカ過ぎた部分が大きい。デニス・カーン、ババル、ソクジュの3人はそこそこネームバリューがあったけど、運良く3人とも下降期に入ったあたりだから・・・あ、武蔵もね。だから神がかったような強さに見えたんだろうな。そこそこは強いんだけど、そこそこだよな。モーはやっぱ賢いね、しっかり戦術立ててた。つかやっぱジョン・ジョーンズとカブリ過ぎだよな、ライトヘビー級で賢くてレスリング強くて目立ちたがり屋で黒人でハゲ(笑)。そりゃ彼らの教祖がアンデウソン様だからな。でもこの2人の実力は俺が見る限り既にリョートやショーグンと肩を並べてるぜ。
メレンデスvs青木は、青木の打たれ弱さからしてメレンデスが勝つならパウンドTKOかと思ってた。ま、ギリだったけどな。メレンデス陣営は青木がやってくることは全て想定済みだったんだろうな、タックルを左手でガブりながら右アッパーを打つカウンターは何回も練習した感じだもん。戦術面も完璧だったけど改めて感心したのは集中力の高さだよ。フランク・エドガーもそうだけど、やっぱ集中力ってのはスタミナがモノを言うなと。青木やペンなんかフッと気の抜ける瞬間があるんだけど、メレンデスなんか1週間何も食ってない肉食獣並みの集中力だもんな。あと、ああいうカウンター狙いができるようになったのはやっぱ石田、トムソンに負けてからなんだよね。それまで猪突猛進だったのが、いったん引くっていうしたたかさを身につけちゃった。それはそれで初期の頃のようなガムシャラな怖さはないかもしれないけど対青木としてはプラス面が多かったんじゃないの?なんかメレンデスって選手は“まっさら”だね。今後もスポンジのようにどんどん吸収してどんどん試合が洗練されたスタイルになってくるよ。洗練つっても元が元だけに華麗とまではいかないだろうけどさ。青木はこれからはもっとグラップリングを磨くより打撃が欲しいね。スタンドでメレンデスは低い重心でガンガン距離詰めてたもん。なんせあれだけ顔突き出してもパンチが来ないんだから。もったいないと思うんだよ、あれだけのグラップリング能力があれば打撃も本人が思ってる以上に当たると思うんだけどな。
ヘンダーソンvsシールズはシールズが勝つならあれしかないわけだけど、シールズの思い描く展開になったのはヘンダーソンの合理性が仇となった感じもするよ。ヘンダーソンってすごく合理的な選手で疲れるのがイヤなんだよね。特にスタンドでのクリンチ、あの状態でスタミナを消耗するのがとにかくイヤなんだと思う(笑)。四つ状態でブレイクがかかる場面をあまり見ないんだよ。そういう時にワザと投げられてその力を利用して上を取り返す、なんていう先を読んだズル賢い動きをよく見せるんですわ。他にも簡単に下になったりするんだけど最終的には脱出しちゃってるとか、そういう方法が浮かんでくるだけに彼にとってクリンチ状態ってのは時間と体力の浪費に感じてしまうんだと思う。“我慢比べなんてやってらんねえよ”って考えが、それ以外の動きを見出すクセになってると思うんだよ。ただ彼のこれまでの試合を見ると、寝技の得意な選手に対しても同様なんだな。本来ならそういうタイプには徹底して倒れないように根比べしたほうがいいに決まってるんだよ。ヘンダーソンくらいのバランスの良さで長時間粘られたら相手が根負けするんだから。たぶん本人も分かってる、でもそれでもイヤなんだろう(笑)。しかしシールズは相変わらずブサイクな打撃・・・スタンドはもちろんだけど、あんな力の入ってないマウントパンチ見たことないぜ。でもまあ他がほぼ完璧だからなぁ、神は二物を与えないんだな。」

アレキ 「んじゃUFC」

ヒョードル 「アンデウソンvsマイアな。散々アンデウソンを叩いてきた俺としちゃマイアに勝って欲しかったのはやまやまだけどそれはさておいて、まずこの手の試合内容の是非については仕方ないってことも散々言ってきたよな。“王者にふさわしくない”“メインにふさわしくない”とかもういいよ。こういうのはルールの問題であって選手の責任じゃないって俺の口癖みたいになっちゃってるんだけど、特にダナ・ホワイトのような権力を持った人間が選手に苦言を呈するのは脅しであってちゃんちゃらおかしい話だよ。オクタゴンも広すぎるっつうのも結構前から言ってたけど変わんないしああいう試合になって当然だよ。アンデウソンの戦い方についてはレイチ戦後にも言ったけど、アンデウソンはぁ、今回もぉ、奴ができる限りのぉ、最大のベストを尽くしたんですよぉぉぉ!!!相手が距離を詰めてきたら広い広いオクタゴンを利用して逃げて逃げて逃げまくって、それでもバンバン警告出されるルールじゃないから全力でそれをやってたんだよぉ!アンデウソンを凄く叩いてる人間の気持ちは分かるよ、ただそれが挑発行為でなく卑怯だということならそれは本質を見抜けてないよ。そういう意見の人間はアンデウソンがベストを尽くしてないと思ってる。アンデウソンの相手をナメくさった、余裕を構えたスタイルが本当に余裕があるように見えちゃってる。だからアンデウソン幻想も生まれたんだけど、ああいうトリッキーなスタイルってのは一見余裕に見えるけど実は他に選択肢がないんだよ。怖いから色々するんだよ。でも騙されるのは観客だけじゃない、戦う選手だって同じで、今回のマイアや前のレイチなんて田舎の青年が都会の洗練された兄ちゃんに完全に呑まれて、ケンカする前に怖気づいたようなもんだもん。相手が一枚上手だという気持ちになったんだな。似たような試合として桜庭vsグレイシーやvsビクトー戦なんかを思い出すよ。桜庭のトリッキーな動きにビビりまくってた彼らと同じだよ。ビクトーなんかハシビロコウみたいにピクリとも動かなかったもんな(笑)。でもマイアもさあ、終盤アンデウソンが逃げ始めたときに序盤に自分がやられたようにおちょくった態度で挑発すればいいのにそういう機転が利かないもんな。ただその発想ができるのがトリッキーな選手ってことで、逆にそういうアンデウソンと同じタイプならビビることもないとも言えるんだよ。手の内が分かるから動きに惑わされないしな。まあトリッキーと言ったらなんつっても日本人だよ。日本人2人がアンデウソンに土をつけてるのは偶然じゃないと俺は思ってて、長南のカニ挟みもそうだし、高瀬の寝技に関しても寝技自体、特に“極め”ってのはトリッキーそのものだし。逆にトリッキーなタイプではないマッハが完敗したのもうなづけるんだよね。でも岡見、秋山、三崎はバランスが良すぎる。一番相性がいいのは須藤元気のようなタイプなんだけどな。でもマイアがダメとなると残念ながら今のミドル級にアンデウソンに勝てそうなのはいないね。ソネンも調子いいけど相性的にはどうかと思うんだよな。ま、アンデウソンの一番の強敵はダナのプレッシャーだね。
ペンvsエドガーは微妙だったけど常に攻めようとしてる選手に凱歌が上がったのはいい傾向かと。エドガーの勝ち方はペンと引き分けたときの宇野と同じものだったね。基本的にはアウトスタイル、時折テイクダウンっていう。あれは彼らならではの相当スタミナがないと取れない戦略だわな。
五味vsケンフロについては見終わっても試合前の感想と同じだな。五味はもう潮時だと思うな。まあ家庭もあるからそういうわけにもいかないだろうけど、今の状態、いやたぶんこの先も勝ったり負けたりの中堅ランクの位置から抜けられないよ。五味ももう32くらいか?これまでと同じ仕事でモチベーションを上げるのは不可能に近いよ。その中堅クラスでやってく考え方になれるのかなって。」

アレキ 「じゃあ総括」

ヒョードル 「なんか日本最弱なんてマスコミが煽ってる件に関して綴ってたんだけど、今月のゴン格見たら松原隆一郎が全く同じこと喋ってたんで削除した(笑)。座談会で吉鷹弘も言ってたけど日本ではアグレッシブじゃないと評価されないから、勝負にシビアな外国だと不利ってのは的を得てるよ。負けても面白い試合ができれば次も出れる、そんな思想が染み付いてると勝てるわけないわな。青木は割とそういう戦い方はしないほうだけど、相手がそういう考えだと青木にとって楽になるわけだからな。まあ結局のところ日本人には一本にこだわったコメントする選手が多いけど、そんなもん日本というぬるま湯に浸かってるから言えるってことですわな。
あと最近のゲーム性の強い試合のスタイルについての批判を目にするんだけど。前述のアンデウソンやメレンデスなんかのジャブやローでポイントを取ってテイクダウンを防いで勝つっていう。こういう試合がつまらないっていうのもこれも同じ事だよな。ぬるま湯だから生まれるわけで、だいたい何でもレベルが上がってくると動きが地味になるのは必然なんだよ。ジャブやローって将棋でいうと『歩』なんだよ。将棋やったことあると分かるだろうけど強い奴と弱い奴の差は歩の使い方にあるんですよ。強い奴同士の対局が何やってるのか分からないのと同じでレベルの高い者同士の試合ってのは動きが少なくて地味なもんだよ。MMAってのはまだ分からない人には分からない、でもそれを分からそうとした結果が今の日本のMMAレベルでもあるよ。俺はMMAってのはまだ細々とやってかなきゃいけない時期だと思うよ。それを見直さないでやれ地上波だ大会場だつって、マスに合わせて興行するのが続く限りは海外行っても負けるんじゃないか?以上!」

アレキ 「今回は試合が多過ぎた!さようなら~」
ママ 「知ってる?今の日本はデフレスパイラルよ。デフレスパイラル。デフレがスパイラルするのよ。知ってるの?あなた達」

アレキ 「どうやら最近覚えたらしいな」

ヒョードル 「ああん?デフレスパイラル?んなこたあどうでもいいんだよ。そんなもんは池上彰に優しく教えてもらえ!席に座っていいタイミングで『へぇー』とか『ほぉー』とか言ってりゃいいんだ。でもあんまり言うとただのバカだと思われちゃうぞ。ぬはぁっ! ってかどうでもいいんだって!格闘技の話だよ!」

アレキ 「自分が言い始めたんじゃねえか。じゃあUFC-111から」

ヒョードル 「カーウィンvsミアは、カーウィンが勝つならこうだろうっていうまんまの展開だったね。カーウィンについては対ゴンザガ戦しか見たことなくて、その時は体は硬いけどバカなことはしない選手だなって印象しかなかったんだけど、ミアにとってこういう相手は苦手なタイプなんだろうな。イアン・フリーマンもカーウィンと似た感じの選手だけど、確かミアに同じような勝ち方したんだよな、グラウンドでのパウンドだったっけ? それで言うとミアは2回目のレスナー戦のフィニッシュもそんな感じだった。ま、レスナーは規格外のパワーがあるからアレだけど、ミアって選手は基本的には合理的でパワーのある、典型的な欧米人選手を苦手にしてるフシがあるよね。危険察知能力が低いというかなぁ、前回『際』の話をしたけどやっぱりミアも賢くないから際が弱いよ。だからカーウィンのようなタイプにその部分を研究されて豪腕で叩きのめされるって負けパターンになってるな。カーウィンが打撃戦をせずに組み付いたのはそういう隙を見つけたからかも知れないけど、ミアの打撃ってのは下手クソなんだけど躊躇がない怖さがあるんだよな。下になるのを恐れてないからこそ生まれる思い切りのよさというか、MMAならではのプラスアルファだよな。前回打撃系のチーク・コンゴからダウンを取ったのもそれがあるだろうし、カーウィンもそれを警戒した部分もあるだろうな。
GSPvsハーディーは単にテイクダウンに強い者と弱い者が戦った典型的な展開だったでは終わらせられない部分があって、ハーディーについて奴のしぶとさや体の柔らかさとかじゃなく思考回路というか性格的傾向に感じるところがあったね。ハーディーのテイクダウンの弱さってのはこれまでの試合でも明らかなんだけど、単に腰が軽いというとレスリングの弱さの問題で終わりがちなんだけどそれって攻める気持ちがあるからこそテイクダウンディフェンスがおろそかになるっていう気持ちの問題も関係してて、ハーディーは特にその部分が強いんだよ。レスリング力の弱さも結構な感じは否めないけどな。こういうタイプは試合でテイクダウンを取られるたびにテイクダウンディフェンスに重点を置くスタイルに軌道修正して試合を重ねていくのが通例で、一昔前のアイブルや近藤有己なんかいい例だと思うけど、ただ諸刃の剣として相手に与えるプレッシャーは弱くなるし残念ながら特に戦績アップするわけでもないんだな。でもイチかバチかの試合をするよりは安定を取るのが普通の人間で、ほとんどの選手が落ち着いたスタイルになる。だけどハーディーに限っては相手がGSP、タイトルマッチでもあるのに終始重心が高いまんまだった。つまりスタンドで攻める気持ちを持ち続けたんだよ。ハーディーは郷野戦でも終盤にテイクダウンを取られまくってスプリット判定まで持ち込まれたりもしたし、今回も相手はGSPだよ。普通もっと腰を落としてテイクダウンに備えるもんだけど最後までそれをしなかった。人間ってのはいくら確固たる考え方を持っていても負けを目の前にすれば“俺の考え方は間違ってるんじゃないか?”とか迷いが出てくるものなんだけど、奴からはそんな迷いを微塵も感じられなかったんだよね。リスキーな選手であることは分かっていたけど、この時代にここまでリスクを負う選手がタイトルマッチに絡んできたってのはちょっと思うところあったね。まあ相手がいないせいもあるけど稀有な選手だと思うよ。もはやリスキーという表現よりサムライスピリッツだね。ホント紙一重ってこういう奴のことを言うんだと思ったよ(笑)。ただ今回の結果を踏まえて今後スタイル変更があるのか注目したいね。このままではチャンピオンになれないことが分かったわけだからね。次、俺としては対チアゴ・アウベスが見たいよ。いつも打撃系同士の試合に文句ばっか言ってんじゃねえかって言われそうだけど打ち合いが嫌いなだけなんだよ。この2人はタイプが違うからさ、ハーディーが打ち合いも辞さない肉体派に対しアウベスは距離を取る頭脳派だから面白くなりそうなんだけど。」

アレキ 「五味vsフロリアンも一応触れておくか」

ヒョードル 「フロリアンが優位なことは言うまでもないけど、今の五味は誰に負けてもおかしくないよ。五味のテンション次第なんだけど、いくらUFC初登場だからつってもテンションはそれほど上がってない感じがするしな。ミルコもそうなんだけどこういう好不調の波が激しい人間ってのは感性があるからで、こういう選手はある程度極めると満足しちゃうんだよ。先が見えちゃうからある程度のところで頂点が想像できてしまうんだな。そんな気持ちをもう一回盛り上げるのは難しいと思うよ。以上!」

アレキ 「ではまた次回!」
ヒョードル 「ふむ。キミどんなお題でもすぐになぞかけできるって本当かね?」

ママ 「大丈夫です」

ヒョードル 「じゃあお題は時期的にも変わり目ってことで『季節』。これでいこうか」

ママ 「・・・・・・整いました!えー、ミュージシャンの犯罪とかけまして、弁解の余地がないと解きます」

ヒョードル 「・・・まさか。まさかとは思うが、その心は?」

ママ 「何も言えなくて夏」

ヒョードル 「だよね!!だと思った!全財産賭ければよかった!ダメっしょ!バレるようじゃダメっしょ!シミュレーション失敗。なんだよ使えねえなぁ。そんなんじゃあプロデューサーに使ってもらえないよ?」

ママ 「だってぇ、本当なの?何でもなぞかけできればブレイクするって。今時そんなの・・・」

ヒョードル 「間違いない。俺には分かるんだ、世の中が何を欲してるのか。俺の先見の妙を信じるんだママ」

アレキサンダー 「二番煎じで上手くいった例はないぞ」

ヒョードル 「むっ!?誰かと思えばアグーのボスじゃねえか。正義の味方みたいな感じで入って来やがって茶々入れてんじゃねえぞコラァ!いてかましたろかワレェ!」

アレキ 「完全に一番先にやられる悪玉じゃねえか。ところでよぉ、更新が遅い原因のひとつにこういうくだらんネタ作りがあるってホントか」

ヒョードル 「ちょっとお前、マジで川に来い。今度それ言ったらブチ殺すからな」

アレキ 「やっぱ禁句だったか。じゃあ最近の試合を振り返ってみるか、WEC-47から」

ヒョードル 「ミゲール・トーレスvsジョセフ・ベナビデスはアップセットだとか言ってた記事もあったけど、実績うんぬんでなくこれまでの両者の動きを見てたら十分考えられる結果だと思うんだよな。これまで各階級の絶対王者のような扱いで60kg前後にはトーレスがいたんだけど、他の階級のトップに比べると不安定感は否めない感じがしてた。戦績は凄いけど相手に恵まれてたことと、オールドスタイルすぎる気がするな。新しい技術がない分は閃きと根性で補うっていう。そういう選手の方が人気は出るけどな。前回ブライアン・ボーウェルズに続いての連敗になるんだけど、今回のベナビデスやドミニク・クルーズ以外にもワグネイ・ファビアーノ含めて65kgという競技人口が多くレベルの高い階級からの転向組みが続々とやってきた今、トーレスは化けの皮が剥がされるような気がしないでもないね。新しい技術を学ぶつってもトーレスみたいに試合になると本能で戦うような選手には無駄な時間にしかならないよ。だいたいさ、ある程度キャリアを積んだ選手でも、よく新しい練習法を取り入れたり技術を学んだりして『以前の俺とは違う』とか抜かすの多いけど戦績アップする奴なんてほぼ皆無だろ。いくらリップサービスつってもなぁ。それ言えるのはチェール・シェノンくらいじゃないの?ベナビデスに関しては最後のタックルなんか打撃のふりして入るっていう結構古典的な技だけどドンピシャだったね。トーレスが腰軽いのもあるけど実際いまだにできる奴少ないんだよ。ホントKIDはあの人気絶頂期にこいつとやらなくて済んだのは運がよかった。いやまさに“神の子”ですよ。王者になったドミニク・クルーズはまだ底が見えないけど使う技や手数の多さ、試合の組み立てなんか見てるとどうもこの人はほぼジョシュ・トムソンだな。」

アレキ 「次はSRC」

ヒョードル 「マメッド・カリドフvsジョルジ・サンチアゴな。カリドフは典型的な東欧系選手で、俺やアレキ、アマール・スロエフ、ハリトーノフなんかのロシア勢のほか、ゲガール・ムサシ、アンドレイ・アルロフスキー、K‐1のルスラン・カラエフなんかに見られるような、スタンドではコンビネーションよりもノーガードっぽく脱力した状態から柔軟な筋肉を生かして一発狙うってスタイル、下になった場合は一瞬の隙を突いて一気にリバースする、終盤ヘタる(笑)。でもカリドフはスタンドだけでなくリバースやテイクダウン見てもセンスを感じさせるいい選手だよ。サンチアゴはいつも通りだね。のほほんとした感じで紆余曲折しながらも最後は粘り勝つってパターンだけど、この原因のひとつにインディオのDNAが強いからってのがあると思うんだな。ブラジルは多民族国家だからババルのような白人系もアンデウソンのようなアフリカ系の血が強い選手も色々いるんだけど、顔を見て分かるように先住民(=インディオ)の血が強いと思われるのが有名どころでいうとノゲイラ兄弟やこのサンチアゴ。文明の発展が他民族より遅れたからなのか、インディオ系は我慢強いよ。アメリカ人ではクレイ・グイダや亡くなったエヴァン・ターナーなんかもな。二人とも粘り強い選手だしな。
真騎士についてはまんま若い頃のKIDだね。やっぱ顔が似てると能力や性格も似るんだな。」

アレキ 「次はUFC-110」

ヒョードル 「ノゲイラvsベラスケスのフィニッシュはPRIDEでのホジェリオvsソクジュを思い出した。潜り込まれてからのフックでKOってのを見て、ノゲイラ兄弟ってのは打撃とレスリングの際の部分が得意じゃないよな。打撃は打撃、レスリングはレスリングっていう固定概念があるから取るべき対処を間違えたというか、でなければグラップラーがあんだけ中に入られるかなあって。まあ頭を使わない選手はそうなりがちなんだけど、他にもわざと相手にパンチを打たせてドンピシャでタックル取るなんていう器用な場面も見たことないんだよな。オールドスタイルっていやそれまでだけど、打たれ弱くなった現状を考えるとそういうしたたかな技術を身に付けられるかが今後のカギだろうな。しかしベラスケスは怖いもの知らずな感じだな。ジュニオール・ドス・サントスもそうだけど今んとこ強気でガンガン行くのが成功してるよね。喧嘩慣れしてるというか玉砕覚悟的な戦い方なんだけど、ただこういうスタイルは長持ちしねえわな。彼らと同タイプの五味や、スタイルを変えようとしてるKIDの最近の苦戦ぶりからも分かるしな。
 シウバvsビスピングはシウバにとって相性の良い相手だったね。ビスピングみたいなオールラウンダーじゃ厳しいわな。何回も言った気がするけどシウバに勝つにはシウバ以上の打撃の使い手か圧倒的なレスリング力のどっちがあればいいんだよ。アホだから」

アレキ 「じゃあ予想といくか。22日のDREAMから」

ヒョードル 「ビビアーノvsハンセンはビビアーノが勝つとしたらテイクダウンの回数、ハンセンが勝つならスタンドで優勢って感じでどっちみち判定だろうな。実力的に差はない。せっかちなビビアーノに対して楽天家のハンセンだから仕掛けてくるビビアーノを受けて立つハンセンって構図には違いないと思うけどな。
ジダvsヌーンはどうなんだろ。ヌーンは鳴り物入りで来た感があるけど、まあジダもそうだけどヌーンもスタンドしかないからなあ。だからヌーンは格下のベネットなんかに負けることもあったし、どっちに転ぶか分からないな。
菊野vs弘中も難しいな。菊野はアルバレス戦で分かったけど、ありゃガンガン来る選手を苦手にしてるね。『ジダに勝ったじゃん』とか言うのがいるかもしれないけど、ジダはそんな気強くないから。菊野はタイプ的には田村潔司に近い。とにかく距離を大事にしてるから、距離とかお構いなしに詰めてくる奴だと計算が狂っちゃうタイプだと思うよ。弘中は何でも出来て根性もあるけどその分戦略に欠けるね。何でも出来るがゆえに試合の中でもこだわりっていうのがないんだよ。相手からすれば“やり続けられたら嫌だな”ってところまではやってこない。相手からすると“怖さ”ってのはないけど、忍耐強くて常に向かってくるし弱点がないから“面倒臭い”って印象だと思うよ。まあ判定だな。
長南vsナカハラはナカハラが今どのくらいの位置にいるのかを図る試合になるね。長南については俺の中では先述した『以前の俺とは違う』発言が多い代表格みたいな存在なんだけど(笑)、ただ今回のナカハラに限らず相手を選ばないところは評価するよ。ナカハラなんて勝って当たり前、逆に負けたら格が下がるのはミエミエだからな。」

アレキ 「あとは21日のUFC-Liveか」

ヒョードル 「ベラvsジョンズはさっきのナカハラ同様、ジョンズの位置確認になるね。ジョンズについてはキング・モーとダブるほどスタイルやスキルが似てて、性格は警戒心の強い目立ちたがり屋って感じ。まあアンデウソンフォロワーにありがちな・・・っていうか本家がモロそれだからな(笑)。ベラはいまいちパッとしないねえ。臆病な面が強いかな、その分洗練されたソツのない動きはするんだけどな。性格的に打撃にこだわらない戦い方の方が向いてる気がするけど。
ドス・サントスvsゴンザガはゴンザガが厳しいとは思うんだけど、頭は良いだけになんとか寝技に持ち込んでもらいたいね。ドス・サントスの寝技の程度は分からないけどゴンザガが勝つにはそれしかないと思うし、そういう相手の弱点を突いて圧勝してしまうような怖さを持った選手だと思うんだよね。ただミルコのようにメンタルの弱い選手だと弱点を突かれればダダッと崩れてしまうけどドス・サントスはタフな感じだからなあ。サントス有利は揺るがないだろうな。以上!」

ママ 「次回、ヒョードルが爆笑ネタを披露!」

ヒョードル 「殺すぞコラァ!」

アレキ 「いつになるやらね~」