“ふてぶてしい”。アスクレンのMMAは日進月歩の現代MMAにおいて語られる技術論、そして彼の輝かしいレスリング゛の実績をこんな言葉で片付けてしまえそうなほど無骨である。ラウンド終了時には当然の如く上のポジションにいるわけだが、相手選手の“早くどけよ”という心の声が見ているこちらに聞こえてきそうなほどゆっくりと立ち上がり、だらだらと歩きながらコーナーに戻るそのさまは、休日に寝癖をつけたままのオッサンが時間を持て余してブラーッと部屋を移動するそれと変わらない。

だがそのふてぶてしさ、そして痛点が存在しないかのような驚異的な打たれ強さが、彼のレスラーとしての強さをMMAで十二分に発揮させ連勝街道を突っ走らせている。試合内容といえばスタンドでの動きはとても現代MMAで一団体のチャンピオン選手とは思えず、かといってグラウンドでも柔術的な動きは多少見せるものの試合の8割方は力ないパンチを打ち続けるのみ(本人は本気で殴っているのだろうが)。だがその度に毎回起こるブーイングの嵐の中、そしてUFCのディナ社長から『睡眠薬より効く』と揶揄されたほどのいわゆる“つまらない試合”を延々とやってのけ、おまけに試合後には観客への投げキッス。並大抵の神経ではない。だがそんな彼の勝ち続ける姿はまるで『プロとは魅せるもの』という一定数存在する巷の意見をあざ笑っているかのようである意味痛快にも見える。

大方の観客にとってアスクレンはもはやヒール中のヒールである。強すぎるがゆえに“どうやって彼を倒すのか”と対戦相手に期待を込めた視点で試合を見てしまうのだ。そうなると世界最高峰と呼ばれる選手達との絡みの期待が俄然湧いてくるのだが、ディナ社長との関係や2人の性格を考えると夢のまた夢で終わりそうな気配もある。だがこのままマイナー団体で勝ち星を積み重ね、いずれ伝説となるのがアスクレンらしいとも思うのである。

2010年6月26日、ヒョードルvsヴェウドム戦前夜。静けさが全てを支配する。



「ヒョードル・・・」

ヒョードル 「・・・ん?」

「ヒョードル・・・」

ヒョードル 「誰だよこんな時間に・・・」

「ヒョードルや」

ヒョードル 「・・・俺?俺の声?」

































「出かけるのをやめなさい」



















ママ 「出た」

ヒョードル 「いやいやママ、続いてるから。普通に割り込んじゃってるから!台無しだよもう!まだまだあったんだよ、2010年は名言の大豊作の年だったんだ。ちゃんと準備してたんだぞ!」

ママ 「持ってるな」

ヒョードル 「だあっ!言うな!し、しかもなんかこう、上手い感じに!」

ママ 「『今日俺はまともに歌わないよ』をもじって『今日俺は語らないよ』とか?」

ヒョードル 「そっ、そそそ、それもいいんじゃないかい?それじゃなかったけどね。そそそそんなんじゃないよ」

アレキ 「お前ら今年もおめでたいにも程があるな。まあそれよりさ、年末年始の興行ラッシュにコメントしないわけにはいかんから。毎回物議をかもす青木の試合が組まれたDREAMから行こうか」

ヒョードル 「青木vs自演乙は青木らしい負け方だったね。1Rを切り抜けた安堵の気持ちから安易にタックルに行ってしまった。おそらく1R終えた時点で、2R速攻で極めてマイクアピールせずに早々と控え室に戻るという行動で、こんなお祭試合を組んだ主催側に無言のアンチテーゼとして伝える。そんな演出まで考えてたんじゃね?らしい負け方ってのは青木が打撃を受ける瞬間っていつもフッと気が抜けてる時なんだよ。それは自分のグラップリング力に自信があるゆえに集中力が切れる“慢心”が招いた結果。青木がグラウンドに持ち込んだもののパウンド負けする場面がよくあるのと同じように、立ち技の選手なんだからあっさりテイクダウンできるだろうと。みんな分かってることだけど最初から総合ルールならいつもの青木はあんな安易なタックルはしないよ。ただ自演乙陣営はあのカウンターは何回も練習してたんじゃないかと思うね。『青木は相手の打撃の合間を縫って組み付いてくるから総合ルールになったら自分から仕留めようとするな。タックルへのカウンターだけ狙え』って。あのルールで青木の総合での評価が下がるわけないんだけど、世間一般は自演乙は総合でも青木より強いと思っちゃうんだろうな。解説のマサトなんてその象徴みたいなリアクションだったけど、ただよ、いくら興奮したって『1R逃げまくったからこうなるんですよ』はイタすぎるな。

ちとマサトについて言わせてもらうと、問題はK-1ルールであって青木がああいう戦略を立てるのは当然だよ。責められるべきはルール、もしくはレフェリーであって青木の戦い方を糾弾してる連中は矛先を間違ってる。マサトは他にも石井がバンナに打撃を仕掛けたことを高評価してたり、そこいらの素人でも分かりそうな質問を須藤に聞いたりして『やっぱコイツK-1以外のことは分からないんだ』と改めて思ったね。そのK-1っていうのは、K-1はテレビ放送することで打ち合わざるを得ないルールに色々変えてったんだけどそれはアゴも強く打ち合いが得意なマサト有利なルールでもあった、そのバチバチ打ち合うK-1だよ。こういうタイプはあらゆる場面を想定しなきゃいけない総合では通用しづらい。なんで石井がバンナに殴りかかるのか、それが理解できないならまだしも“打撃で勝負を挑んだ”とまで思ってるんだから。でもやっぱ一芸に秀でているがゆえに分からないんだろうな。紙一重って言うからな。

総合はやることが多いからマサトの頃のK-1のように足を止めて打ち合うような単細胞じゃなく幅広い神経が必要なんだよ。単細胞ってのは悪口じゃなくて何て言うかなあ・・・直線的な?頭が固い?これが悪口?(笑)でもさあ、言い訳じゃなくあくまでもタイプの問題を言ってるんだから悪口じゃないんだよ。おそらくマサトがキックの前に総合に出会ってたとしても辞めただろうし、K-1で頂点に立ってた頃でももし喧嘩相手がそこいらの素人であってもケンカ度胸があってレスリングや柔道、柔術が普通程度できる相手だったら勝てなかった可能性はあったろうね。K-1の解説でも『行かなきゃダメですよ』ってコメントが多いのもその表れなんだよ。

立ち技系選手で総合で成功するタイプってのはアウトスタイルの得意なヤツだよ。ブアカーオやペトロシアンなんかいいね。今は全盛期を過ぎたけどミルコがそうだったよな。意外に思うかもしれないけど今回所と対戦した渡辺一久も同タイプだよ。KIDもそう、一見野生的に見えても決してバチバチ系じゃない。あくまでも遠い間合いからトリッキーな動きを交えて一発打っては離れるっていう頭を使った戦い方をしてる。まああくまでも総合に向くかどうかの話だからおいといて、渡辺が寝技で善戦したのはフィジカルもあろうし所の雑な攻めもあったけど柔軟な考え方があったからだと思うよ。ただ柔軟がゆえに出たであろう後頭部ヘッドバッドは、当たらなかったと思うけど一度ストップさせて口頭注意くらいしないとレフェリーとしてダメだな。

現に今のUFCのトップクラス達を見てみるとアウトボクシングが得意な選手ばかりだろ?アンデウソン、LYOTO、GSP、アルド、エドガー、クルーズ・・・。じゃあケイン・ベラスケスやジュニオール・ドス・サントス、ショーグンのようなバチバチ系がトップ張ってるのはどうなんだって話になるけど、格闘技ってのは階級が増えるほどスタイルが違うんだよ。重い階級になるほどスピードやスタミナが必要で疲れやすいアウトスタイルってのは、一発当たれば倒せるっていう魔力と比較して非効率だから。上記の3人は打ち合いに必要なアゴの強さやハンドスピードなんかの条件を持ってるのがあるけど、一番の理由はバックボーンのレスリングや柔術のレベルの高さにある。軽い階級でもこれは関係ある。まずは倒されないまたは倒されても大丈夫ってのがあるからできるんで、だから逆にストライカー出身はバックボーンが打撃だから倒されないようにアウトボクシングが必要ってことになるのよ。組み付かれることを気にしてちゃバチバチ打ち合うなんてできないからさ。ただ上記3人の彼らが通用してるのはあくまでも現時点での話しな。ショーグンなんか変化しつつあるしね。

ミノワマンvs泉だけど泉はこれまで総合に転向した柔道家の中でもスマートに戦うね。中村和裕のスマートを通り越したズル賢さまではないけどその分精神的にも強いし、賢さと精神力のバランスが取れているから安定した戦績を残していくんじゃないの。現時点では石井より強いかな。でもやっぱりこの先階級は落とさないと体格差がキツイと思うけどなあ。

高谷vsビビアーノは、高谷にとってやり易い相手だったからね。まあビビアーノとは前回トーナメントで当たって高谷の方がダメージがあるにも関わらずスプリット判定だったからな。なんか高谷vsジョン・ホーキを思い出したよ。テイクダウン取れないで焦っている顔のホーキがビビアーノとダブった。小ずるい感じも似てるし(笑)。ブラジルの柔術家ってああいうのが多いよな。たぶんジョゼ・アルドも自分より打撃ができて腰強い相手だとパニクるタイプだと思う。てか高谷のようなタイプは柔術家の鬼門だからな。

川尻は精神的な成長が表れてきたね。以前のようにガンガン打撃を仕掛けてくる相手に対して打ち返すことをしなくなった。俺は戦前の予想ではトムソンのようにガツガツ来るタイプは分が悪いんじゃないかと思ったけど、トムソン相手でも熱くならず冷静にテイクダウンを積み重ねたのは良かったね。ある程度キャリアを積んだ選手に『強くなった』ってなかなか言えないけど、川尻の場合はそれが言えるんじゃないかな。

アリスターvsダフィーはあんなもんだよ。アリスターの相手がダフィーに決まったとき、ネットで『楽しみ』やらDSEを絶賛する声がちらほらあったもんだから、ダフィーって見たことなかったから何試合か見てみたらとてもアリスターの相手じゃないと思った。何で騒いでるか調べてみたらどうやら6勝1敗の戦績やUFC最速KO記録とかいった触れ込みが原因なのかね。やっぱ何試合か見ることが一番分析しやすいけど、戦績で分析するなら誰に勝って誰に負けてるのか、またその相手はどのくらいのレベルなのかくらいまでは考慮しないとな。クートゥアーもトップを張ってたけど、その頃でさえ戦績だけ見るとたいしたことない選手になるからな。

石井vsバンナは、バンナの寝技での動きがそこそこ上手かったのが印象に残るな。GSPと練習したことあるようだけどその辺なのか。石井はねぇ・・・んー、あれでいいっちゃあれでいいんだけど。テイクダウンして押さえ込むっていう。取りあえず関節技と打撃に関しては伸びしろを感じないというか。練習ではまかなえないセンスはもちろん必要なんだけどその2つにはそれを感じないんだよね。これまで勝ってきたランクの選手には通用するだろうけど今回のバンナ戦でもあのアキレスの取り具合は柔道家ってのを差し引いても有り得ないし、下になったときの動きも鈍いね。まあ自他共にセンスがないことは承知してることだし、スマートに戦うよりも無骨に組み付いてコツコツパウンドって道を磨くのがいいんじゃね?石井の良さは“勝つことが第一”って考えを持ってることなんだから、日本ではブーイングされまくりだけど勝ち続ければ間違いないんだって信じてて欲しいし、そういう強さは持ってると思うし。

しかしお前、横田に勝ったナラントンガラグはかなり強いぞ。名前が長いとかバカにできないぞ。郷野に勝った時点でKID戦とは比べ物にならないくらい総合の選手になってたんだけど、川尻とやったとしても勝っちゃうかもよ。青木のようなトリッキーでセオリーにない動きじゃないと正攻法じゃ勝つのが難しいくらいの選手になってるよ。この選手は対KIDが総合初戦だから日本で発掘された総合格闘家と言ってもいいと思うんだけど、日本のクソ興行のバカに出来ない部分ってこれなんだよな。ミルコの総合での実力を発見したのもそうだし、アンドリュース・ナカハラしかり。お祭カードからたまに本物が落ちてくるんだよ、たま~に。

日沖vsサンドロはサンドロの見えなかった部分がはっきり見えた面白い試合だったね。日沖はサンドロの腕が折れそうになったとき折れるのに折らなかったのかどうかは分かんないけど、そうだとしたら俺は甘いなと思うな。サンドロ陣営も本人も止めるなと言ってる以上はやむを得ないかなと。何も折った後中指立てろとまでは言わんがあの場面は非情にならないと、レフェリーストップになっていたらサンドロが報われん。あそこまで腕が曲がる人間は結構いるから。止めなかったレフェリーは迷ってるうちに時間が経ってしまった可能性も否定できないけど結果的にナイス。サンドロは負けてなお株を上げた感じだね。さっきの話に戻るけど、このサンドロやナラントンガラグも軽い階級の中ではバチバチ系だけどサンドロのバックボーンは柔術でナラントンガラグはモンゴル相撲がルーツ。

K太郎vsヤスベイは裏メインだったというか。これまでの試合でも感じてたけどヤスベイもルーツが柔術のバチバチ系だよね。奥野戦でアウトスタイルっぽいことはしてたけど、にしても前出過ぎな性質は隠せてなかった。リーチ差と奥野のスタイルを考えたらもっと出なくてもよかったはず。で、K太郎戦だけどK太郎はヤスベイとは真逆の性質で、今まで言ったバチバチ系を『動』とするならK太郎は『静』になるね。『動』とか『静』とか、打撃だけのタイプ分けじゃなくてグラップリングでも同じなんだよ。実績のあるグラップラーで『動』タイプにはディエゴ・サンチェスやヒカルド・アルメイダなんか代表的で、こういう動タイプってやることが増えるMMAでは寝技は使わない、あるいは得意でない傾向がある。アルメイダはヒューズにチョーク取られたり長南にもヒールを一瞬極められたり、サンチェスなんて寝技に行く場面なんてホント少なくてむしろ殴り合うイメージの方が強いだろ。逆にグラップラーで『静』タイプってのは要は細かい技術屋だよな。代表的なのが青木やK太郎、菊田・・・。挙げると日本人選手ばかりで外国人選手ではほとんど浮かんでこないね。昔のミノタウロがやや近いかなとは思うけど、それほど日本人選手は静タイプが多くて、日本人の細やかさってのがこんなところにも表れてるんだよ。分かりやすく打撃とかグラップリングとかで分けて名前を挙げたけど、『動』とか『静』って要は人間の性質のタイプなんだよ。まあさっき悪口っぽくなったけど基本『動』タイプってのは細かいことは考えない、フィジカルや根性重視、純粋、単純明快、といった特徴があって、『静』タイプは当然その真逆の傾向がある。もちろん『動』でも『静』でもない中間の選手だっていっぱいいるわけよ。

で、話を戻すと『動』のヤスベイを『静』のK太郎が極めるのは元々のグラップリングの実績も違うけど、MMAだと余計に有り得なくはないかなと。戦前のヤスベイの評価の方が高かったのは『動』であるがゆえの手数の多さも加味されてたんだろうな。俺もヤスベイ勝つと思ってたもん(笑)。

アレキ 「じゃあUFC」

ヒョードル 「エドガーvsメイナードは最終ラウンドラスト1分でのラッシュでメイナードかなと思ったけど、まあドローでも仕方ないかな。人気のあるエドガーをプロテクトしたとも考えられなくはないけど、手数の多さってのはやっぱり評価に値するなと。

五味の負け方は五味がライト級第三集団に留まっていることを確信させる負け方だったね。ちょっとあの取られ方はないな。前言ったように近々引退か、それともこの第三集団レベルの選手と勝ったり負けたりを繰り返すのか。最近の本人のインタビューとか読んでもまだいけると思ってる反面テンションが保てない的なコメントがあるってことが、そこのところをハッキリできてないんだろうね。でもやっぱグイダはタフだよな。最後カウンターの膝も入ってるのにな。アクションが大きいから関節とか取りやすいタイプで2Rにももつれた時腕十字やチョーク取れる場面はあったんだけど、五味だし今の状態じゃなおさらトライすることできないわな。

キム・ドンヒョンvsネイト・ディアスはキムがツイてたな。結局ネイトが押してたわけだから放った反則ヒザの減点の加減しだいで決まっちゃったわけだけど、反則はこれくらい判定に響くんだよってのを知らしめた意味で俺は良かったと思う。でもキムは調子悪かったのか相性の問題なのか動きが悪かったね。スタミナがすぐ切れることがあるんでそれに当たった感じだったけど。相性で考えるとネイト・ディアスって、兄貴も同類だけどレスリングは捨ててスタンドでも寝技でも一発狙いだから、それを警戒しすぎたのかもしれないね。グレイ・メイナードがネイトとスプリット判定だったように、警戒心が強い選手はランク的に格下でも一発を持った選手が相手だと競った試合になる場合があるんだよ。ランペイジとユン・ドンシクも似たような試合だった。警戒心が強いだけじゃなく頭の悪い選手でもそういうことは起こるよ、シウバがマーク・ハントと競ったように(笑)。しかしあの動きだとキムは厳しいな。五味もそうだけどUFCではこの辺のトップ集団とは明らかに差がある集団って、もう沸かす試合で生き残れるギリギリのラインだからな。

チアゴ・シウバvsブランドン・ベラは、ベラについて前も言ったかなあ、明らかに性格的に打撃向きの選手じゃないんだよ。というか今回の試合見てると格闘家向きじゃないとさえ感じるんだよな。とにかく受身過ぎて見てられないというかなぁ。じゃあカウンタータイプなのかというと相手が出てくるとバックステップかクリンチが主で、テイクダウンするでもない。となると勝つには仕掛けていくしかないわけなんだけど。相手が打撃の強いチアゴ・シウバってことで攻撃の選択肢がなかったってことが一番の要因だろうとは思うけど、でもいつもあんまり勝利に対してハングリーじゃないのかな、ガツガツした感じがないもんな。それはそれでUFCでチャンピオンシップにまで出られたんだから大したもんって感じか。まあ練習環境の問題ってのも大きいから何でか分からないけど」

アレキ 「じゃあ今後の注目カードについて」

ヒョードル 「アンデウソンvsビクトーはアンデウソンの判定勝ちだろうな、いつものようにアウトボクシングでポイント稼ぐ戦略で。ビクトーが勝つのは難しいけどタックルに見せかけたパンチでのKOを狙うしかないね。テイクダウンしたところでビクトーはちょこちょこパウンド打つしかできない。そうなるとチェール・シェノンのように5R押さえ込めるかというとビクトーじゃ無理だろ。以上!」

ママ 「皆様今年もよろしくお願いします。って言えるのもあと1年ですね。だって・・・」

アレキ 「また来週~!」
「負けたことだしそろそろ終わるんじゃね?」


「更新もされてないしな」


「いや、それはいつものサボリ癖だからwww」


「あいつさあ、選手のこと気分にムラがあるとかボロクソに言ってるけど、自分が一番ムラっ気あるだろ」


「長らく更新しないと思ったらいきなり短期間に続けて更新することあるよなw」


「でもあのサボリがあるから5年もやってられるんだろうな」


「うんこ」


「test」


「うんこ」


「本田本田本田本田本田本田本田本田本田本田本田本田」


「天井から雨漏りがしてたんです。すると父がipadで天井の穴を塞ぎ、ガムテープでipadをしっかりと固定しました。家族みんな『なるほど』と思い、改めて父をリスペクトしました。若干水が垂れてはいましたが、やるとやらないとでは天と地の差です。するとその時、ガムテープがはがれipadが落下しました。すると父が落ちてきたipadを受け止めようと右手を差し出しました。するとipadは手に当たって重心が崩れ、ものすごい勢いで回転しながらコタツの角にディスプレイが直撃しました。ばこーんという音がしました。ipadを見るとのディスプレイのちょうど真ん中部分が大きくへこんでいました。タッチパネルってこんなにへこむものかねとみんな言ってました。もしipadがまん丸ならばこんなことにはならなかったのではないでしょうか。ipadは何でも出来る、そう信じていた私たち家族は打ちひしがれてしまったのです」


「何の話だ」


「うんこ」


「するとが多すぎる」


「ガムテープってのが問題だった」


「ばこーん」


「そんなことよりおまいら、ちくわの穴を通り抜けようとすると向こう側から小宇宙に出るって知ってますか」


「意味不明だしw」


「無法地帯か」


「安全地帯」


「↑絶対オヤジ」




わいわいがやがや





わいわいがやがや









「・・・てえ~い」






「ちょっと待て~い」



















ヒョードル 「ヒョードルは、ヒョードルは、永遠に不滅やで~!」





アレキサンダー 「はい、じゃあ早速UFCの結果から行こうか」

ヒョードル 「秋山vsリーベンだけど、リーベンはそこそこの選手だからフィニッシュの三角締め以外はそれほど意外でもないよ。リーベンのように気持ちで戦うケンカ腰タイプにはビスピングがやったようにジャブでポイントを取りながらいなすのが勝率高いと思うんだけど、秋山がそれをやらなかったのは戦略不足なのか本来のスタイルを見失っているかのどっちかだと思うよ。戦略不足についてはリーベンってどの試合もあんな感じだから打ち合いはマズイって秋山なら気付くと思うんだけど、急に決まった相手だから情報が足りなかったのかマジで気付かなかったのかはしんない。戦略ミスじゃなければ気負ったスタイルに原因があるね。秋山って本来もう少しディフェンシブな、警戒心の強い戦い方が持ち味だと思うんだけど、前回のベルチャー戦でもそうだったけど打ち合いも辞さないスタイルになっちゃってるんだよ。おそらくだけど、ベルチャー戦のあのスタイルが好評だったからというよりは、日本を飛び出してUFCに挑戦した手前ポイントを稼ぐような試合を見せたくない、やる気を見せなきゃいけない、って気持ちからああなってる気がするね。その気負いのせいでダメージも増えるけど、何よりもスタミナを減らすんだよ。三角締めの時バテバテでなんのディフェンスもできてなかったろ?秋山はUFCで勝ちたいんなら本来のスタイルに戻すべきだな。UFCはそこそこのディフェンシブなスタイルはOKなんだから。

レスナーvsカーウィンは面白かったなあ。カーウィンは凄いよ。何が凄いって、スタミナに難があるんじゃないかとか寝技が弱いんじゃないかって言われてて全く期待を裏切らないんだから(笑)。まあ見た目からしてガチガチのアメリカンレスラーだから弱点が歩いてるようなもんだけど、あれでスタミナも寝技も問題ないんなら誰も勝てないもんな(笑)。逆にレスナーは北欧系の血でも入ってるかのような柔らかい筋肉で長期戦も問題ないね。あとレスナーは純粋でひたむきなところがいいね。だいぶ臨機応変に対応できるようになったけど、所々で見せる直線的な動きはやっぱ不器用だなって。でも人の言う事を聞く耳を持ってるからどんどん技術を吸収して行くんだよ。その点はメレンデスと大きく似通ってる選手だよね」

アレキ 「じゃあ兄貴vsヴェウドムの試合を振り返ってみよう」

ヒョードル 「今回俺の敗因について検証すると、まずよく言われる『スタイルが古い』って意見があってそれは同感なんだけど、『スタイルが古い』ってのが漠然としていて何を言ってるのか分からない人も多いと思うんで俺が思うそれを説明すると、簡単に言うと“一発狙い”のスタイルのことなんだよ。今のMMAは技術の単位が細かくなって、昔のように大振りの選手が勝てるような環境じゃないんだよね。今回で言えばガードの中に飛び込んでパンチを打とうとしたアレだよな。メレンデスが青木にやったそれとは目的が異なるパンチの打ち方だわな。これまでの俺の試合を振り返ってもわかるようにパンチはいつも大振り、寝技になっても一本取ろうとリスクの高い腕十字や足関節をガンガン狙ってたっしょ?今回もKOしようといつものように突っ込み過ぎちゃったんだよ。まあそんな俺だったからこれまでの試合で神懸かったフィニッシュシーンを見せたことにもなるんだけど。

あと相性の問題もあるね。ヴェウドムはジャブで距離を取られるような、あまり踏み込んでこない戦法を取られると負けることが多いけど、そういうタイプにとって逆に俺みたいに旺盛に動く選手は相性がいいよ。そもそも柔術家タイプって基本相手のミスを突くところがあるしな。まあ色々あるけど結局はいつも言ってるようにMMAなんだからってのがデカイよ。むしろこのスタイルでここまで勝ってきたことが不思議なくらいだよ」

アレキ 「兄貴は面白い試合をして、かつ試合にも勝ってきた最後のサムライスタイルかもな。最近そういったカリスマ的な選手たちの負けが目立ってスタイル変更を余儀なくされてるだろ?その中でのこれだから、ひとつの時代が終わる1シーンだったと言えるんじゃないかな。で、今後スタイル変更はあんの?」

ヒョードル 「こういうカリスマ的な選手って頑固なのよ。桜庭なんかもそうだけどすぐには方向を変えられない。根本的な話をすると、そういう人間って美意識むちゃくちゃ強いってのが根っこにあるんだよ。俺が品格を気にしてるのは普段の言動から分かると思うんだけど、そんな俺がアンデウソンみたいにポイント取った後は逃げまくるとまでは言わなくてもそれに近いスタイルを取るなんて、いくら勝負に勝てるとしてもちと考えられない。でもあれが出来たら楽だよな。ヤツのように心臓に毛が生えてたらどんなに試合が楽かと思うよ。でもよぉ、現実的な話をすると今さらそんなことしたらこれまでせっかく築いてきたヒョードル像が崩れてしまうって事の方が負けるより怖いじゃん?」

アレキ 「ん?」

ヒョードル 「だってね、聞いてくださいよ。僕はね、ご存知の通りいつも穏やかで紳士的、なのに強いっていう気は優しくて力持ちのイメージが出来上がってるんですよ。このイメージって格闘家として、いや男として世界共通の理想的な男性像なわけですよ。いわばスーパースターですよ!それが世界中に知れ渡ってるんですよ? え? 私が何を言ってるか分かります?? ・・・つまりぃ、私にはぁ、世界中にタニマチがいるってことなんですよぉぉぉ!!!」

アレキ 「やめろォ!」

ヒョードル 「まあそれも一部あるってことよ。でも間違いないのは美意識が先にあってこそのそれって順番だから。だからアレだな、次の試合で負けたら引退するほうがいいと思うんだな。これから勝ったり負けたりの選手になって、一時の栄光すら忘れさせるような立場になってしまうことはファンも望んでないし、何より俺の美意識が許さないからね。俺の敗因については以上!」

アレキ 「その他の試合について」

ヒョードル 「日沖vsリオンだけど、この試合は典型的な合理性vs根性っていう図式のマッチメイクで、結果的には日沖が“合理的な選手”からより成長した姿を見せた試合になったわけだけど、お互いの自覚の違いがこういう結果に表れたと思うんだな。リオンも言ってたように以前の日沖なら競った試合や終盤の失速での弱さってのがあったんだけど、おそらく分析好きなこともあって日沖はそれを自覚してて、終盤になっても一歩も引かないってのを肝に銘じていたんじゃないか?終盤の打ち合いはその表れだと思うんだよ。もちろん打撃でイケると踏んでの戦略だけどな。

対するリオンは日沖とは逆に準備が万全と言える闘い方じゃなかった感じがするな。前半はジャブでポイントを取られるんだけど、スロースターターであることはリオンも自覚してるし、日沖が終盤ヘタることも知っていたからいつものように後半巻き返すつもりだった。でも予想より日沖が下がらないどころか打ち合ってくる場面もあってリオンは自分のペースに持ち込めなかった。日沖が『いつもの勝ちパターン+リオン用の戦術』を駆使したのに対してリオンは『いつもの勝ちパターン』しか用意してなかったんだよ。その準備ができるかどうかは己の弱点を自覚してるかどうかってことじゃないかな。今回リオンが自覚できなかったのは、終盤になっても下がらないという強い決意を日沖が持つとは思ってなかったという甘さだよ。

リオンにしろ過去のマッハやノゲイラにしろ、いくら攻め込まれても最終的には逆転で勝っちゃう選手は根性に頼っちゃうクセがついちゃって、新しい技術の習得を怠ってしまいがちになるんだよ。で、そのうち連敗が続きだして自分が化石化しつつあることに気付くってパターンがこういうタイプには多いね」

アレキ 「最後に青木vs川尻の予想を」

ヒョードル 「川尻がメレンデスと同じ戦略で来るのは間違いないし、それができる要素が十分あるから川尻優位だと思うね。青木としては川尻がディフェンシブな戦い方をするだろうから、宇野が川尻にやったようにちょこちょこ小技を出してポイントを重ねることで判定勝ちを狙いたいな。おそらく川尻はメレンデス以上に出てこないと思うんだよ。いくらちょこちょこ当てられても、絶対これはタックルへの布石だと思って辛抱強く耐えるタイプだから。まあ青木にしてもこういう戦略は狙ってると思うんだけど、ただそれをするにはミドルだけだとシャオリンには通じても川尻には厳しい気がするんだよなあ。だから川尻」

アレキ 「ではまた次回!」