ママ 「えー皆様を、私どもにしかできないお迎え方をいたします。それは日本語ではたった一言で表現できます。み・の・も・ん・た」

ヒョードル 「ガハハハ! ママ、『お・も・て・な・し』だよ!」

ママ 「み・の・も・ん・た」

ヒョードル 「ガハハハ!」

アレキ 「やってるなバカ親子。しかしみのもんたは踏んだり蹴ったりだな」

ヒョードル 「結局ね、人柄の問題ですよ。前にローラの父が詐欺で捕まったろ。あの時世間はローラに同情的だったけど仮に今回のみのとローラを逆にしてみ? おそらくそれでもローラは叩かれなくてみのは叩かれるよ(笑)。まぁ直前に女子アナの尻触ったとかも拍車をかけたけど、今のみのもんたは屁ここうがエアコンの温度変えようが何しても叩かれるんだよ、あっ! た・た・か・れ・る」

ママ 「オーホッホッ。ヒョードルったら」

ヒョードル 「ウヒャッーーヒャッヒャッ!」

アレキ 「・・・じゃあグローバー・テイシェラがライアン・ベイダーを下したUFC Fight Night 28から」

ヒョードル 「テイシェラ本人も自覚してたけどアレはすぐ帰って反省会レベルだろうな。ベイダーがジャブで強打を防いで上手く戦ってるなと思ってたらフロントチョークも狙い澄ました感じで、戦略ではベイダー側が何枚も上行ってたな。フィニッシュのパンチは流石だったけどこれまでのようにフィジカルや身体能力に頼ったスタイルに限界を感じたかもな。まあベイダーも十分強いからアレだけどこの試合で結構アラが見えたのは確かだわな。

岡見vsジャカレイは岡見の弱気の虫がまた再発したなと。岡見は育ちがいいんだよ精神的な意味で。想像力豊かで相手を過大評価してビビッてしまうんだな。相性的には寝技系は岡見にとって得意なタイプのはずで、MMAに精通してる人間から見ても岡見がジャカレイに四つから倒される可能性は少ないし、引き込まれたとしても岡見ならジャカレイの仕掛けを潰せるという見方だったと俺は思うんだけど、でも岡見自身は妄想が行き過ぎちゃって組むことすら恐怖を抱いてた感じだったな。岡見はこれまで打撃はジャブを主体にして打ち合いは避けて、相手と接近すると四つに組んだり首相撲、シングルレッグで流れを変えてきたんだけど、その近距離で組みに行けないとなると打ち合うしか選択肢がなくなっちゃうんだな」

アレキ 「ペティスがベンヘンを下したUFC-164」

ヒョードル 「前言ったけどペティスはベンヘンを相性的に完全に呑みこんでるよな。1回目に戦った時は三角蹴りが話題だったけど、そんな冒険が出来る時点でナメてるんだな。今回もカポエイラキックなんかやってたけど。ベンヘンも余裕かませないよう距離を詰めようとはしていたがやっぱり苦手意識がチラホラしてたな。あとペティスはレフェリーに止められるまで離しちゃダメだな」

ジョシュvsミアはまたミアがあの負け方したのかと。ジョシュも狙ってたね。グイダを下したチャド・メンデスはフィニッシャーに生まれ変わろうと一生懸命やな。もうちょっと強い奴と当てたってや~!

グレイソン・チバウvsジェイミー・バーナーはスプリットじゃなくて3-0でチバウ。まぁしかしチバウは安定してるな。アダ名を付けるなら『二軍のトップクラス』て感じか。褒めてるのか貶してるのか分からんが。でもチバウと戦うことでその選手の力量が計れるから便利っちゃ便利な存在だよな。逆にバーナーは波が大きいな。このタイプの選手は格下に負けることも多いけど大物食いする事もあるから割と人気はある。ライト級だと他にジム・ミラーや五味も同タイプな。まあ天気屋だからカード組む側もバクチ打つようなもんだよ」

アレキ 「日沖がダレル・エルキンスに負けたUFN-27」

ヒョードル 「日沖についてはグイダ戦も含めてこのクラスには勝ってもらわないとという期待値も相まってエルキンスには勝つんじゃないかと予想した人もいると思うけど、今回の負けはもう日沖はこのランクなんだって決定づけた試合だったね。ちょっと古い話だけど同レベルだったサンドロの勝ったり負けたり&小見川の苦戦具合っていうのが、単に2人が今のMMAについていけてないからといういわば『日沖は違う』的な誤魔化しを無意識に持っていた人も多いと思うんだよ、サンドロと小見川の年齢の点もあってな。まぁ今回の負けを見てやっぱり日沖はサンドロと小見川と同レベルなんだと再認識というと変だが、した試合だったよ。

あとセラーニはドス・アンジョスに負けたか。際どかったけど試合を選ばないとこんなこともあるだろ。水垣もあの辺が限界だな。コンディットvsカンプマンはまあ・・普通。このUFN-27は全カード観たんだけどキツイな。レベル低いしオクタゴンは広いし拷問だよ。特にパピイ・アベディだったかな、負け方とか笑っちまったよ」

アレキ 「となると最近のUFC落ちの選手がベラトールとかオクタゴン狭めの興業に出る流れは歓迎と」

ヒョードル 「まあな。ONE FCの朴vsコロッサとかいいカード組むじゃんよ。勝ったコロッサ繋がりでナム・ウィチョル、ウィチョル繋がりで久米とか、その辺の選手がまあまあのランクにいるのが分かる。朴はボロ負けのように見えたけど勝つときもあんな感じだからな。ホームランか三振の広島のランスみたいなもんだよ」

アレキ 「例え古いな」

ヒョードル 「ベラトールでもバトリシオ・フレイレがディエゴ・ヌネスによう分からんパンチで勝ってたけどUFC以外の選手が勝つと妙に心地いいな。ママ、締めてくれ!」

ママ 「あ・お・い・ゆ・う」

アレキ 「まあ・・まあな。ではまた次回!」
ドクター 「ですから! 何も異常はありませんって!」

土佐犬民 「ウソじゃ! ウソを言うな! 先生ウソはいかんぜよ! 頭は痛いし喉も痛い、鼻水は止まらん、熱はあるし体はだるい。こんなつらい経験したがはおら初めてぜよ! 先生よ、もうおらはお見通しぞ? ガンじゃろ! おらはガンながじゃろ!? 分かっちゅうがぞ・・ゲホッ!ゲホッ! あぁ喉痛い! カーッ、ペッ!」

ドクター 「ちょっと! ここでタンを吐かないで下さいよ! まったく・・。ですからね、それが風邪の症状なんですよ。 やることは全てやったじゃないですか。熱も37℃代ですし、レントゲンも取れってしつこく言うから取りましたけど異常なかったんですから。まあ血圧は高めなんであんまり怒らないようにして下さいね。 はぁ、まったくこういう一部のクレーマーがいるから大変なんだよなあ…」

土佐犬民 「何じゃと!? おらがクレーマーつか!? おぉん!? おいおまん! 先生っちゅう肩書に呑まれて低姿勢でおったけどにゃあ、おらはクレーマー呼わばりされて黙っちょる男じゃないぜよ! おらそういう男やき!」

ドクター 「いや、その…。でもね? そもそもの話をするとあなたねぇ、受付時の名前を書く欄に『向井理』って書いたでしょ? 一時看護師全員が詰め所で大騒ぎしてましたよ。そういう悪ふざけ…」

土佐犬民 「アホ――ッ!!! それはこの病院の看護師のレベルの問題じゃろうがドアホ――ッ!」

ドクター 「大きな声を出さないで下さいよ!」

土佐犬民 「おらはちょっとした遊び心で書いただけぜよ! ほんまに寸法が悪い言うたち…。 分からんかよ? 冗談やろが冗談。こんなショボイ病院のショボイ日常に不満を感じゆう看護師に刺激を与えちゃったがん分からんがかよ? それにしても『向井理』とかようある名前じゃろうが、大騒ぎするなや。『ダルビッシュ有』とかなら別ぞ? それじゃったら先生、アンタの言いゆうことに一理ある。だいたい先生よ、よう考えてみ? 有名人がこんな高知の田舎のショッボイ病院に駆け込んでくると思うかよ? おまん有名人が高知に来るゆうたらだいたいは四万十川でなんちゃらとかやろ? なーにが四万十川ぞにゃあ? そんなもん地元民からしたらただの長い川ぜよ」

ドクター 「ハイハイ、そうですねぇ、そうですねぇ」

土佐犬民 「オイッ! 何おまん生返事して話終わらそうとしゆうがぞ! おらはお見通しぞバカタレが! ほんまに看護師がショボイだけやなく医師までショボイ病院いうたら話になら…ん? ちょっと待てよ。おまんの名札『中松』て書いちゅうぞ? プ――ッ! おまん『ドクター中松』ちゅうことか! ヒャーッヒャッヒャッ! お、おまん! クックックッ! ド、ドクター中松! イーッヒッヒッ!」

ドクター 「くっ…。まあその件に関しては何度か言われますけどこんなあからさまにバカにした人はあなたが初めてですよ。失礼にも程がありますからね!」

土佐犬民 「ヒー、ヒー、いや先生! それは一理ある! 確かに今のおらは失礼じゃった! け、けんど先生! クックックッ! ドクター中松て! ヒーッヒッヒッ! まさか家にあのピョンピョン跳ねる靴とか置いてないやろにゃあ! ギャーッハッハッ! ヒー、ヒー、病気を治しにここへ来たつもりが逆に腹筋痛めてしもうたぜよ。ふーっ。 ・・・ブ、ブフッ! い、いかん! おまんの方見たら! ブホーッ!! ヒーッヒッヒッ!」

ドクター 「とにかく! 話を戻しますけど結局ね、書き直した名前が『土佐犬民』でしょ? ふざけるにも限度があるんですよ! もっとそもそもの話をするとあなた救急車で来たでしょ? しかもベラベラ喋るから元気だと判断されて途中で降ろされたらしいじゃないですか。そしたら大声で『救急隊員に殺されるー!』って叫び続けるから仕方なく運ばれて来たらしいじゃないですか! そんな話聞いたことないですよ、途中で降ろされるなんて」

土佐犬民 「知らんもーん。おらそんなこと知らんもーん」

ドクター 「看護師さん、もう会計に連れてってあげてくれる?」

看護師 「じゃあ行きましょうか。よいしょ」

土佐犬民 「なっ、病人に何をしよらぁおまんら! クソッ!… あっ! ぐわあっ痛い! 痛い痛い! 今看護師さんが腕を引っ張ったせいでおらの肩が脱臼したにかわらん! ぐわぁぁーっ! おーい誰か助けてぇ! 看護師さんに腕引っ張られて肩脱臼されられたぜよーっ!」

看護師 「普通に持っただけじゃないですか!」

ドクター 「もう悪あがきはやめて下さいよ! 他の患者さんに迷惑だと思わないんですか!」

土佐犬民 「悪あがきじゃと!? くっ、なんぞドクター中松がクソ生意気に・・・ うっ! ぐわあああ! 胸が! 心臓が痛い! たぶん今の先生のキツイ言い方にショックを受けたにかわらん! 患者のみなさん! この先生はひどい先生ぜよぉーっ!」

ドクター 「もうダメだ。看護師さん、限界だからみんなで連れてって」

ザワつく院内の中、大勢の看護師に抱えられ会計に連れられる土佐犬民。

土佐犬民 「ヤブ医者―っ! 覚えちょけよ! おらは絶対負けんきににゃあーっ!」
ヒョードル 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

アレキ 「うるせえ!」

ママ 「何なのよ!」

ヒョードル 「見たかおい! やっとアンデウソンが負けたぞぅ! ク~ッ! よしママ、アレキ、今から乾杯だ! 酒だ!酒持ってこーい!」

ママ 「嫌よ」

アレキ 「一人でやれよ」

ヒョードル 「んだとコラッ! テメエら! 長年あのハッタリに騙される選手の不甲斐なさに歯がゆさを感じてなかったのかよ! クソッ、しょうもねえ。後で西友で甘酒買ってくるわクソ共が」

アレキ 「ウォッカにしろよ。設定上」

ヒョードル 「(無視して)あのー、アンデウソンのパフォーマンスについて“ウェイドマンという強豪に勝つために必死だった”という説が多勢のようだけど、俺はその説は薄いと思うんだよね。真意は分かんないけど単にこのウェイドマン戦だけでなくアンデウソンの試合を昔から見続けて、感じた俺自身なりの見解を。

俺が思うアンデウソンの敗因は2つあって、どちらも心因的なものだと思ってるんだよ。1つ目は“神の領域を目指した”説。アンデウソンが自分が絶対王者という称号だけでは満足できなくなってしまって、もっとみんなを驚かせたい、前よりもアメージングな勝ち方をしたいというエンターテイメント志向が高まってゆき、それがあのやり過ぎたパフォーマンス、そして最後の無茶なスウェーに至ったと。あのスウェーはウェイドマンが決してパンチは上手くないことを考慮してもあり得なかった。しかし並みの選手ならあの場面でパンチを連打できなかったんじゃないかという観点ならウェイドマンの胆力を褒めるしかないんだが。そういう意味では正確に言うと“神の領域に入ろうとしたが相手が悪かった”になるのかな。

その前者が少なからずも発展的と見るならこちらの後者はやや問題ありなんだが、アンデウソンの“心の闇”説。俺はこっちが本命じゃないかと。この説は前述のアンデウソンの行き過ぎたパフォーマンスの原因がモチベーションの低下からくるやけっぱち、いわゆる“破壊願望”によるのではないかという説。特に1R終えた後やけに何か叫んでいたけどあれは“自分を鼓舞する”とか“観客を沸かせる”とは異質な、自分の中で鬱積している何かを吐き出すかのような叫びに見えたんだよね。試合後もショックを受けた様子もなく淡々としていた。

この心の問題が原因と考えると、vsソネンⅡの時に俺はアンデウソンが試合をブチ壊す覚悟でソネンを潰しに来たと言ったんだけど、あれは予兆だったと言えなくもないんだよね。そのソネン戦だけでなくアンデウソンのワセリン塗りや挑発パフォーマンスは以前からちょくちょくと問題になってはいたけど、年月と比例してそれがあからさまになっていたことも含めると繋がりがあるように思えるんだよ。まあ考えてみればこれまでUFC6年間で16連勝だよ。多少頭がおかしくなることもあるだろ(笑)。時々さ、何不自由のない成功者が自殺することがあるけどそれに近いある種の虚無感のようなものを抱いていたのかもしれないね。

ま、アンデウソンはMMA史上最高のペテン野郎だったよ。いい意味でな。自分をいかに強く見せるかというハッタリをかますことにズバ抜けていたよ。結果的にウェイドマンはそれを胆力でブチ破ったことになるけど、1Rのグラウンド戦以降のスタンドのシーンではウェイドマンに若干の手詰まり感と言うか迷いが垣間見えた。ラウンドの仕切り直しでウェイドマンは正気に戻ったけど、あのシーンは流石ペテン師だけのことはあったなと。

とりあえずココ的にはありがとうございましたってとこだな。散々ネタにさせて頂きましたから(笑)。まあウェイドマンは負けず劣らず長期政権を築ける選手だし、そうすることが天国にいるアンデウソンも報われるだろう。ご苦労さん!」

アレキ 「勝手に殺すな(笑)! ではまた!」