―――午前3時、緑ヶ丘アパート前


馬場 「・・・(キョロキョロ)よし、誰もいないな。じゃあみんな集まってくれ」

土佐犬民 「うむ」

クボッチ 「オーライ」

アケミ 「・・・超ねみーんだけど!」

竜 「おい、なんだよぉ馬場、なんで急に引越しなんてするんだよぉ」

馬場 「いや竜さん、3回説明したし。。。んじゃ、みんな集まったところで改めて説明するか。えー、101竜さん、102アケミちゃん、201とっさん、202クボッチ、皆さんはここ緑ヶ丘アパートから引越しすることとなりましたと。理由はこのアパートが反社、つまり俺だな、俺が絡んでると週刊文文にバレるかもしれないですと。そうすると俺も皆さんもお縄になったり路頭に迷うことになりかねないから、先手を打ってここを出て行くという結論になりましたと、まぁこういう事だ。じゃあみんなでアパートに向かって手でも合わせるか、10年間お世話になりましたってな。あ、えーっととっさんは2015年からだから5年だな」

土佐犬民 「ん? っちゅう事はおら以外は3人とも10年前に同時に入ったっちゅう事かよ?」

竜 「そうだぜ土佐、ここじゃお前が一番ヒヨッコだぜ。ヘヘッ! 俺ら3人はあの事件の後すぐにここに入ったからよぉ」

土佐犬民 「あの事件? なっ、何があったがぜよ?」

馬場 「あぁ竜さん、言っちゃった。。。いやとっさん、最後だから言うけど、このアパートは10年前に4室とも借主が全員首つり自殺してるんだよ」

土佐犬民 「オイーッ! 衝撃の事実!」

馬場 「シーッ! 静かに! だから呪われたアパートつって、大家もほっぽり出して逃げてったんだ。そこに勝手に住み始めたってことよ」

土佐犬民 「おっ、おまんらそんな事件の直後によう暮らす気になったにゃあ・・・神経が分からん!」

アケミ 「カンケーないね」

クボッチ 「ちっせえこと気にすんな」

竜 「ヘッヘッヘ! ビビってんのかよ土佐! 幽霊なんているわけねえだろ。そんな△◎♪&×%$、きのこ」

土佐犬民 「な、何じゃと?」

馬場 「アル中の症状が出始めたな。急に“きのこ”しか言えなくなるんだ。症状がまだらに出るんだよな」

クボッチ 「竜さん、大丈夫、大丈夫ッスよ」

竜 「きのこ」

アケミ 「叩けば治るけどね(竜にビンタバチーン)」

土佐犬民 「なっ」

竜 「んっ? あれっ? どうしたのみんな集まって」

馬場 「またイチからかよ・・・。竜さん、今から引越し。分かる? 引越しだから大事なものトラックに積んで」

竜 「えっ、引越しなの? あっそうなの? 分かった。大事なもの? 俺は酒さえありゃどこでもいいよ」

馬場 「ホッ、よし、じゃあ一升瓶とか全部トラックに積んでな。他のみんな、トラックに自分の荷物は積み終えたか?」

土佐犬民 「おらはOKぜよ」

クボッチ 「俺もOKッス」

アケミ 「アタイは生活保護だからね。必要最低限のものしかないよ」

土佐犬民 「・・・ブフッ! ア、アタイ! おまん今時アタイっち! ヒッヒッヒッ!」

アケミ 「何だって? 何おちょくってんだいオヤジ! こんな夜逃げするハメになったのもテメエが週刊文文の取材にしどろもどろになったからだそうじゃないかい! 調子こいてんじゃないよ!(ビンタバチーン)」

土佐犬民 「痛っ! こ、こいつ、ぬぎぎ・・・!」

馬場 「おいみんな、揉めるな! 静かにしろ!」

クボッチ 「いや、マジでアケミ姉さんの言う通りっすよ。ま、俺の場合はそろそろここもガサ入るかなって思ってたからちょうどいいタイミングでの夜逃げになるけど、おっさん、今のアンタに人をおちょくる権利はねえからな」

土佐犬民 「ぐぬぬ(プルプル)・・・ん? ちょっと待てクボッチ! おまんには言われたぁないぜよ! おまん部屋に来たときはいっつも大音量で音楽流しよっちからに! アレやめれっち馬場ちゃんにも言われたろうが! 低音の時窓が“うおおーん”ゆうち響くがぜよ! 震度1くらいの感じがする! 震度1くらい!」

馬場 「大きい声出すなって!」

クボッチ 「そりゃレゲエは低音が命だから仕方ねえだろ。あっ、今のレゲエはクソだよ? 俺のオススメは90年代のダンスホールだね」

土佐犬民 「し、知るか! いっつもおまんの言いゆうこと半分以上分からんがぜよ!」

クボッチ 「なんでアンタいつも怒ってんの? ストレス溜まってんじゃねえの? なんなら今度俺の部屋でガンジャ一発キメるか? そんでビーニマンのChronic流しゃ俺たちのわだかまりも解けて2人ともゴートゥーヘブンだよ。いい加減仲良くやろうぜヤーマン」

土佐犬民 「わ、分からん分からん! もうおまんとは喋らん!」

クボッチ 「チッ、何だテメー、歩み寄ってやったのによ。このボンボクラー」

土佐犬民 「だっ、誰がボンクラぞ! ええ加減にしちょけよ!」

竜 「なんだ? ケンカか? やるってえのか!? 誰でもかかってこいよ!」

アケミ 「テメエは関係ねえだろっ!(ビンタバチーン)!」





















馬場 「・・・・アハッ、アハハッ、みんな僕の言うこと聞かな~い(白目でスキップ)」





























土佐犬民 「いかん! 馬場ちゃんがおかしなった!」

竜 「おっ! ヘヘッ! なんだよ馬場そのダンスは! 俺もやろうっと(白目スキップ)」

クボッチ 「ジャムってる。イカすぜ2人とも!」

馬場 「ダブルパチンコ!」

竜 「だっ、ト、トリプルパチンコ!」

アケミ 「馬場さんちょっとヤバイね、普段こんな事する人じゃないからね・・・。馬場さんしっかりしな!(ビンタバチーン)」

馬場 「いてっ、はっ! 俺何してたんだっけ・・・。そうだ引越しだ! 急がないと・・・。みんな用意できてるんだっけ!? それじゃあ早速出発だ!」


闘いは続く

土佐犬民 「ふーっ、やっぱ牛丼は上手いにゃあ。今日も誰にも気付かれんかったし、あとはバナナ買うて帰るか。”脱! 脱炭水化物”いうてにゃ、ヒッヒッヒッ! (肩トントン)ん? 誰ぜよ?」

文文 「ど~も~、こんばんは~。週刊文文と申しま~す。土佐犬民さんですよね?」

土佐犬民 「・・・なっ、なぬっ!? 週刊文文いうたらスクープ連発のあの文文か! おらに何の用ぜよ?」

文文 「実は我々はですね、最近でこそテレビでは見ないですけど、土佐さんの事が気になっててずっと調べさせてもらったんですよ」

土佐犬民 「何ぞ今更・・・。調べるもなにもウキペディアに全部書いちゅうろうが。あれ以上も以下もないぜよ。否定はせん!」

文文 「はい、あの内容もこんなの有り得ないと思って全部調べましたら、まさかの全部事実でした。で、現在の過ごし方というと『緑ヶ丘アパート』の201号室にお住まいで、食事は宅配らしき弁当、週二回程度は今日のように度なしのメガネで変装して牛丼屋に行き、食べ終えたらスーパーで98円のバナナを買って帰るという感じでいらっしゃいますね」

土佐犬民 「・・・なっ、おまんら探偵並みの取材力やにゃ・・・。っちゅうかそこまでする理由は何ぞ? おまんらおらの何を知りたいがぞ?」

文文 「あのー実は、以前土佐犬民さんが明石御殿で『自分は大物プロデューサーのおかげでテレビに出てる』っておっしゃったじゃないですか。アレ、我々すごく引っかかっていて、大物プロデューサーって誰なんだろうと思ってずっと調べていたんですね」

土佐犬民 「なっ・・・ななな、ちょ、ちょっと待て! おまん、いったんそこの路地裏に入れ!」

文文 「は~い、分かりました。ナイスリアクションですね~(スタスタ)」

土佐犬民 「ち、ちょっと落ち着け」

文文 「僕は落ち着いてますが(ニッコリ)」

土佐犬民 「・・・プロデューサーが誰かを特定したっちゅう話をしたいがかよ?」

文文 「あのー、我々が調査した結果、あるプロデューサーの名前に行きついたんですね。ただどうしても最後の決め手が無くて、とりあえず一回土佐さんと話してみようかなーって思って今日は来たんですよ」

土佐犬民 「ホッ、何ぞ、とりあえず雑談してみるっちゅう話かよ。よっしゃ分かった! 事実を教えちゃる! ええか? あんにゃあ、あのコメントは自分を売り出すために作った設定ぜよ。じゃき要するに真に受けたおまんの勝手な思い込みっちゅう事! 分かったかよ? 分かったらさっさといね。いねいね!」

文文 「ドリー伊藤」




















土佐犬民 「ぐっ・・・(硬直)」
















文文 「あれっ?(ニヤッ) どうしたんですかぁ? 固まっちゃいましたけど」

土佐犬民 「な、な・・・!」

文文 「まあまあ土佐さん、それはよしとしましょう。大物プロデューサーのツテでテレビに出るなんてよくあることですからね。ただし! 問題は何でドリーさんとコンタクトが取れたのかってところなんですよぉ! 実はこの案件、深い闇があるんじゃないかと踏んでるんですよぉ! 一体誰の紹介でドリーさんと繋がったんですか?」

土佐犬民 「・・・・・ち、知人」

文文 「どういう関係の仕事をしている方ですか?」

土佐犬民 「し、知らん」

文文 「知らない? ドリーさんとのルートを作ってまでしてくれた人なのに? もう一度聞きます、何の仕事をしている方ですか?」

土佐犬民 「そ、そこまではええじゃろう! なんでそこまで固執するがぞ? そいつのプライバシーを侵害することにもなるぞ? ええ加減にせんと訴えるぞ!」

文文 「反社、頭文字B」
























土佐犬民 「死にまーす」




















文文 「アハハ! 何ですかその宣言は! そのリアクションってことは認めるってことですか? 当たってるんじゃないですか土佐さん!?」

土佐犬民 「・・・・・・・・・・・・・ゴホッ、ゴホッ」

文文 「えっ? あっ、嫌だな~土佐さん、新型コロナのフリなんかしちゃって~。そんな事したって無駄ですよ!」

土佐犬民 「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ」

文文 「そんな事・・・」

土佐犬民 「ゴホッ! ゴホッ! ゴホッ!」

文文 「ま、まさか本当に・・・! こういうおっさん多いし・・・。クソッ、ここは大事を取っていったん引き下がるしかない!土佐さん、次は逃がしませんからね!(ダダダッ)」

土佐犬民 「ふ~っ、まさかドリーの手法で助かるとは・・・。ヤバイ、あいつ今度は防護服とフェイスシールドの完全防備で来るぜよ! 馬場ちゃんと対策練らにゃいかん!」


闘いは続く
アレキ 「さぁ兄貴! UFC-239の気になった試合の感想と行こうか。ホルヘ・マスヴィダルがベン・アスクレンを飛び膝で秒殺したけども」

ヒョードル 「山本KIDvs宮田和幸に言及した時と全く同じですよ。相手が向かってきたらタックルしてしまうというレスラーの習性を利用した、狙いすました一発ですよ。アスクレンは強い打撃をくらっても怯むことのないメンタルの持ち主だけど、意識を飛ばされちゃったらさすがになぁ・・・。マスヴィダルについては相手を分析する目は持っていると思うんだよ。彼の試合を観てる人は分かると思うんだけど、普段はワンツーとローしか出さないような警戒心が強い選手なのよ。つっっまんねえ試合ばっかなの(笑)。そんな彼が今回飛び膝でKOしたのは、絶対当たるという確信があったと思うのよ。だからこそ試合前からアスクレンを挑発できた。その辺の彼の嗅覚というかな、コイツは自分にとってヤバい、ヤバくないといった風に相手を見抜く能力に長けている選手だと思うんだな。戦績を見ても私がいつも言ってる“スプリット判定が多い選手は手を抜いてる”説にも当てはまる訳ですよ、クレバーがゆえに楽をして勝とうとしてるっていう。トビー・イマダ戦の逆三角を極められた場面だとか喧嘩動画をアップしたりだとか、ちょっとヤンチャが過ぎた兄ちゃん的な印象があるけど、意外と分析してる人なんですよこの人は。ただ今回の試合後の言動についてはクソなので論外な」

アレキ 「ギルバート・メレンデスはなかなかスランプ状態から抜け出せないな」

ヒョードル 「メレンデスの連敗については、ボクシング+テイクダウンディフェンスでは今の時代でトップクラスに入るのは難しいってことだと思うんだよ。同じスタイルの選手を挙げるとジュニオール・ドス・サントス、ジョニー・ヘンドリックス、ロビー・ローラーとか、みんな一時はトップクラスでブイブイ言わせてた連中だけど、みんな2015年頃から負けが込み始めてるんだよ。だからその辺りでMMAの潮目が変わってきて、ボクシング+テイクダウンディフェンスというスタイルが限界に達したんだろう。今のMMAはストライカーとして闘うにはキックも必要不可欠な要素になっているし、レスリングもディフェンスだけじゃなくて自分からテイクダウンする技術も必要になっている。ただメレンデスは今から技術を習得するのも難しいからトップ戦線に返り咲くことはないだろうな」

アレキ 「あとはヤン・ブラコヴィッチvsルーク・ロックホールド」

ヒョードル 「ロックホールドは感情的になりやすいのがダメだな。今回もカッとなって我を忘れてしまったような感じだったけども。ストライクフォースで闘っているときは紳士的な雰囲気だったんだけど、クリス・ワイドマンに勝ってチャンピオンになったあたりかな、効いてないぜアピールとか、相手を見下す仕草が増えてきたんだよな。二回目のマイケル・ビスピン戦なんか一回勝ってるからか完全に油断してて一発もらっちゃった感じだしな。だからもう、評するに天罰だな(笑)。調子に乗ると痛い目にあいますよっていう。はい天罰! 以上!」

アレキ 「ではまたー」