歌占(うたうら) | バザラスからのアジアン紀行

歌占(うたうら)

今月から始まった

新たな謡稽古

『歌占』(うたうら)。

 

能の世界に入って16年目。

 

もうそろそろ上手くなっても

良いと思うのだが・・・(笑)。

 

 

以下、The 能.comより

あらすじとみどころ。

 

あらすじ

 

「伊勢国・二見の浦から来た、若くして

 白髪の男巫・渡会家次が、小弓につ

 けた短冊を選ばせて和歌の内容に

 よって吉凶を占う「歌占」を行いなが

 ら諸国を回っています。


 

加賀国、白山の麓にて、占がよく当た

るという噂を聞きつけた里人が、親を

探しているという子どもの幸菊丸を連

れてその男巫のもとを訪ねます。

 

まず里人を占うと、里人の親の病気

が治ることが判じられます。

 

続いて幸菊丸を占うと、探している父と

は既に会っていることが判じられます。

 

 

不思議に思った男巫が幸菊丸

と話していると、男巫と幸菊丸

の二人が実の親子であることが

明らかとなり、再会を喜びます。

 

以前、男巫は諸国を回っていた時に

急死して、三日後に蘇生し、白髪の

原因ともなったのですが、そのとき

見た地獄の様子を謡う曲舞を里人た

ちに見せます。

 

神がかりになったように舞う男巫の

様子は、うつつなき様子の凄まじい

ものでしたが、やがて狂気から覚め

ると、親子仲睦まじく故郷の伊勢へ

と帰っていきました。

 

みどころ

 

本作は、霊峰である白山を舞台と

した父子の再会が物語の主題と

なっています。

 

父の渡会家次は諸国を廻りながら

歌占をしています。

 

歌占はもともと神の託宣を神子などが和歌

で告げることでしたが、後に複数の和歌から

一首を選び読み解く、おみくじのような形式

となっていきました。

 

現在のおみくじに和歌や漢詩がよくみられるの

もその名残です。

 

父子の再会を扱った曲には他に「花月」

「木賊」「雲雀山」「弱法師」などがありま

すが、「歌占」の特筆すべき点は後半に

見られる曲舞です。

 

男が実際に見てきたという地獄を表現

する曲舞は、難解な語句のために聴い

ただけでは理解することが難しいですが、

 

白髪で不気味な風体の男巫の

舞からは異様な雰囲気が感じ

られます。

 

この舞は当時流行していた「地獄の曲舞」

を能に取り入れたものと考えられます。

 

能「百万」でも「地獄の曲舞」が

舞われています。」