『脳の闇 』中野 信子 著 (新潮新書) | バザラスからのアジアン紀行

『脳の闇 』中野 信子 著 (新潮新書)

現在、色んな学問の世界で既存の

学説を覆す新説が登場している。

 

脳科学もそのひとつだ。

 

我々が見ている世界は、

脳が作った世界。

 

その脳の活動は、人間にとって

味方にもなり敵にもなりうる。

 

 

(目次)
はじめに


第一章 承認欲求と不安

ヒトに特異的な欲望と快楽/誰もが持って

いる「空洞」/理性に情動がついていかない
「共感」というスキル/好意と「あわよくば」の

あいだ/脳が恋愛のさなかにあるとき
不安感情が内面に暴発するとき/不安と

戦わない、という方法

第二章 脳は、自由を嫌う
タイムプレッシャーによる意思決定/「迷わな

い人」は信用できない/ブランドと権威を認知

する脳の働き/「解は不定」の居心地悪さ/人は

かくも騙されやすい/迷信・俗信が確信に変わる

とき/「わからない」を嫌う脳/あいまいさを保持し

ておく知力/誰しも中立ではありえない/信頼でき

る意思決定をしてくれる誰か

第三章 正義中毒
「正しさハラスメント」/正義を執行する快楽/

集団を守るための不寛容/「美しい」=「正しい」

のトリック/ネアンデルタール人と現生人類の違い

/「倫理的に正しい」への警戒/糾弾は自省よりた

やすい/「不謹慎」を叩く快感/民の裁き訣別する

ために/誰しもが陥る正義中毒メタ認知が中毒状

態を乗り越える/「どうでもいい」という絶妙な距離感

第四章 健康という病
性格傾向の3類型/「いい子であれ」という無言の

メッセージ/片頭痛持ちは賢い?/不健康自慢が

ウザいわけ/自らに傷を負わせる作為症/自傷と

創作の痛々しさ/健康を崇め奉る風潮/リスキー・

シフトとコーシャス・シフト
 
第五章 ポジティブとネガティブのあいだ
解決できない感情という重荷/アドバイスと

いう名の自慢話/ナルシシストと自己肯定感
自身の醜さと闇を知る人/助けられなかった

人たち/ポジティブ思考の暗部/抑うつ的反芻

という思考習慣/音楽を聴けば頭が良くなる、

は本当か/音楽は灰白質の神経細胞を増やす
 
第六章 やっかいな「私」
子どもの頃から感じた分断/王道イメージへの

抵抗感/一番安いものを選ぶタイプ/気難しい

自分の扱い方/過敏な感覚とこだわりと/待つと

いう能動的選択/極上の孤独は蜜の味/インナー・

ヴォイスと毒親問題
 
第七章 女であるということ
女性の寂しさの肌感覚/結婚は合理的か/

「科学者」でなく「主婦」として評価されるマリー・

キュリー/理系と女性は両立しない?/女性に対

するステレオタイプ脅威/フェイルセーフの女子

アナ戦略/銃と男とテストステロン

第八章 言語と時間について
「始めに言葉ありき」の解釈/人は真実など欲し

ていない/ネガティブ感情とストレスホルモン/
急急如律令と建設的批判/仮説としての普遍物語

/自我とディスコミュニケーション/双子語と個人語/
「ヴァルダロの恋人たち」の時間/「話が通じる」という

奇跡/コミュニケーション力の測り方/杞憂と言い切れ

ない日本人気質/人間は安全より不安に惹かれる/

新世紀より世紀末が好き/時間軸と未来予測/
未来や過去を思えるのは人間だけ/何かが終われば、

新しい何かが始まる/人間の本質としての新奇探索性

 

脳科学の先端成果の公表

は少なく、著者の社会事象に

対する分析と批評が大半の

内容だ。

 

俺は民放TVを殆ど見ないが、

この間たまたま見てたら著者の

中野さんがコメンテーターで出演

していた。

 

結構有名人なんですね。