農家 | バザラスからのアジアン紀行

農家

農家とは、農業を営む人ではなかった。

百姓は、百姓(せい)であり「天下万民・民衆一般」を

指す意味だった。

 

じゃあ、農家は?

 

古代中国では、道家、儒家、墨家、法家、名家等の

諸子百家が思想を競い合っていた。

 

その中のひとつに、農家という思想家集団(学派)が

いたのだ。

 

では、農家とは如何なる思想のことを言うのか?

 

賢者・王侯といえども耕作や炊事の万端を自分の

手で行うべきであり、このやり方に従えば物価は

一定となり国中で偽りをする者がいなくなる、という

主張であったという。

 

腐りきった政治家が蔓延っている

今の日本にぴったりの思想では

ないか(笑)。

 

この農家的思想に似たものに、

江戸中期の医師で思想家でもあった

安藤 昌益の著書『自然真営道』が

ある。

 

その著書の中で、農業を中心とした無階級社会を理想とし、

為政者を不耕貪食の輩と断罪しているそうだ。

 

これも今の日本に必要だな(笑)。

 

安藤昌益の思想は、明治政府による殖産興業

によって生じた農村解体に対するアンチテーゼ

の農本主義に繋がっていく。

 

一方、18世紀後半に欧州では、重商主義に対する

重農主義が台頭した。

 

重農主義の正統性を重んじた欧米は、

現在でも農業大国と言っても良いほどに

食品自給率が高い。

 

農本主義を軽んじた我が国日本は、

いまや食品自給率3割台。

 

農業で使用される石油、電気、肥料、畜産業での

肥料・飼料等、海外からの輸入依存度が異常に高い

現状を換算すれば、自給率は無きに等しい(涙笑)。

 

自国民を自国の食糧で養えない、

小市民的「平和」ボケの我が国は、

もう既に死に体なのである。