奥多摩デート その3 | バザラスからのアジアン紀行

奥多摩デート その3

ここは、奥多摩。

地元の名士、小澤酒造会長と
仲良く登山デート中(笑)。


小澤会長と出会ったのは、
およそ20年ほど前。


俺の故郷・焼酎王国・宮崎で
日本酒の「大吟醸酒の会」
なるものが地元ホテルで
開催されるというので、


毎日新聞の女性記者に
誘われて顔を出したら、
その記者の友人であった
小澤社長(当時)を紹介された
のが始まりだった。


当時の俺は、日本の酒のルーツを
陸と海のシルクロードに残る
酒に求め、中国、韓国、モンゴル
ベトナム、タイ、カンボジア、スリランカ
から、その国で親しまれている酒を
輸入販売していた。


そしたら、小澤社長(当時)から、
「私がメンバーになっている蔵主の
会で、アジアの酒について喋って
欲しい」と依頼を受け、1時間半ほど
喋った。


終了後にお礼の封筒を渡され、中には
10万円も入っていた。


暫くして後、当時俺が一番酒の
人脈を持っていた中国に蔵主の会の
メンバーを案内して欲しい、と。

当時の中国の主な酒メーカーは、国営から
民営に移行中で、まだまだ国営色が強く、
中国の伝統酒の製法は機密事項に
なっていて、他国の同業者には
決して原料や仕込みの過程は見せ
てもらえなかったのだ。

俺は、二つ返事で引き受け、
蔵主の会の社長夫妻や
俺の知り合いの酒造会社
社長等総勢15名を引き連れて
著名な紹興酒工場等を
案内した。


中国の老朋友のお蔭で、
製造工程全てをオープンに
してくれた。


工場見学に、観光名所を訪ね、
上海では、当時の小泉首相が
訪中時に食べた同じホテルの
レストランで、同じ上海蟹コースに
舌鼓を打って貰った。


当時の俺は、政治家や官僚などの
会合に良く出入りしていた。


その中の一つの勉強会に
元海上幕僚長や警視総監
等が参加しているものが
あった。


その勉強会の主宰に
「タカギさん、毎年忘年会を兼ねて
伊豆でゴルフをやってるんだけど、
来ない?」


「いやあ、俺はゴルフしませんから」

「じゃあ、夜の宴会だけ参加して」

と誘われて、ノコノコ出掛けた
事があった。


宿で旅装を解いて、温泉にでも
入ろうと廊下に出たら、向こうから
見たような人がこちらに向かって
歩いてくる。


あら?なんでここに小澤社長(当時)が??

 

見間違うくらい似ているその人は、

元海上幕僚長だった。

 

つづく。