『西行巡礼』 山折哲雄 著(新潮文庫)
この本は、平成15年(2003年)に
刊行されている。
山折哲雄さん(1931年~)は、日本を代表する
宗教学者だ。
俺は、若い頃に山折さんの本を
数冊読んだ事があり、その独特の
視座に感銘を受けた記憶がある。
その宗教学者である山折さんが、
歌人西行について書かれている。
西行は、出家僧の歌詠みだから
当然山折さんの射程に入る。
ふむふむ、なるほどと思って頁を捲れば、
西行が出てこない!!(笑)
インドやヨーロッパの旅エッセイが
ずっと続く。
これはこれで面白いのだが、
西行は????
西行も旅の歌人(うたびと)。
平安末期に海外旅行はしていないが(笑)、
生地京の都を中心に、伊勢や四国、
陸奥にまで、庵を結びながら旅を
重ねてきた遊行の歌人だ。
そう自分を慰めながら読み進めた(笑)。
半分ほど読み進めて、やっと西行が登場してきた。
短いエッセイ集だから、西行の全体像は描き切れて
いないが、山折氏の西行観が宗教家独特の
視点で描かれている。
この本を読んで以降、今は西行に
関する三冊目の本を読書中だ。