Vol.83 New York Spots 9 The Frick Collection
New York Spots 9 The Frick Collection
マンハッタンにはたくさんの美術館やギャラリーがありますが、5番街の80丁目から104丁目あたりはミュージアム・マイルとも呼ばれ、豪華な建物の美術館が並んでいます。
このブログでも紹介しましたメトロポリタン美術館
が最も有名で、Fabulous New Yorker に登場したほとんどの人がメトロポリタン美術館をニューヨークで好きな場所に選んでいます。
そして次に人気があるのが、ブリック・コレクション
です。
今回は私も大好きなフリック・コレクションを訪ねてみましょう。この美術館の入り口は5番街から70丁目に入ったところにあります。
5番街に面した庭には両側に大きなモクレンの木がこの美術館を守るように立っています。春の満開のモクレンはとても見事です。
この美術館はヘンリー・フリック(1849-1919年)の家を改造し彼のコレクションを展示しています。
ヘンリー・フリックは石炭のビジネスで成功し、鉄鋼ビジネスで成功したアンドリュー・カーネギー(カーネギーホールで有名ですね)ともパートナーになり、ビジネスはますます拡大し、二人はアメリカを代表する大金持ちになりました。19世紀のアメリカの大富豪たちの生活振りは本当にすごいものがあります。このフリック・コレクションの家と美術品をみているだけでため息が出ます。
入り口から2階に上がる階段もまるで映画のシーンを見ているようです。
2階は公開されていないので、この階段を登ることはできないのですが、いつも2階はどんな風なのだろうと、この階段を登りたい衝動を抑えるのが大変です。
レセブションルームやリビングホールなどは当時の様子がうかがえるように家具が展示されています。
そして、私が一番好きな場所が、邸内にある中庭です。
天窓から差し込む光が、中庭の緑を生き生きとさせています。噴水のある池の周りにおかれた石のベンチで、瞑想をするのが好きです。ここなら噴水の音を聞きながら安心して目をつぶることができますから。
美術収集家としても名高いヘンリー・フリックはヨーロッパの絵画や置物をたくさん収集しました。私も大好きなウィリアム・ターナー(1775-1851年)の絵が大きなホールに飾られていて、椅子に座りながら、この絵を見るのも瞑想をしているような気分になります。
ルノワール(1841-1919年)の有名な「母と娘」やルノワールに大きな影響を与えたフランス新古典主義の巨匠ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル(1780-1867年)の「ドーソンヴィル伯爵夫人」などの絵を見ていると、彼女たちが今にも動き出して、この邸宅美術館内を歩いているのではないかという錯覚を起こします。
この「ドーソンヴィル伯爵夫人」の左手は瞑想を意味しているそうです。どうりでこの美術館に来ると私は瞑想したくなるわけですね。
絵以外では様々な時計が展示されています。
このような素晴らしく豪華な時計を見ていると本当に18世紀か19世紀にタイムスリップできるような気がしてきます。たまには現代社会のストレスを忘れて静かな瞑想的な時間を過ごすのもいいものです。










