伊藤操のブログ -76ページ目

Vol.49 Botanical Garden

私は公園が大好きで、マンハッタンに好きな公園がたくさんあるのですが、

今回は、マンハッタンから少し離れたブルックリンにあるボタニカル・ガーデンに

行ってみましょう。


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ボタニカルというだけあって、花がたくさんあります。

日本庭園もあり桜が見事で、毎年、桜祭りも行われます。

温室も人気がありますが、5月から6月にかけては薔薇園が素晴らしいのです。


ボタニカル・ガーデンの薔薇を、私の母の俳句を読みながら見ていきましょう。

薔薇園の全景を少し小高い丘から見ることができます。


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薔薇園に必ずあるのが、アーチですね。

薔薇のアーチはなぜ、ロマンティックなのでしょうか。

白い薔薇のアーチはティアラを思い起こさせるからロマンティックなのでしょうか。


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行き過ぎて戻りし薔薇の香りかな 


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薔薇には赤、黄色、ピンク、白、赤紫などなど様々な色があり、香りもいろいろです。


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でも薔薇と言えばやはり赤です。

母も赤い薔薇の俳句を作りました。


"独り居の老女の庭に赤き薔薇


この薔薇はどのような姿をしているのでしょうか。

可愛い小さな薔薇ではなく、私はなんだか、つる薔薇ではなく、

凛とした美しさをもって、一輪で咲いているようなイメージを持ちました。


でも薔薇園では1輪の薔薇は見当たりませんでしたが、こんな感じでしょうか。


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この薔薇園には他にもたくさん赤い薔薇があります。


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諍いて痛き心に赤き薔薇


なんだか、わかるような気がします。

喧嘩をして自分の心に棘が刺さったよう気がして、反省していても、

でもその薔薇は白でもピンクでもなくやはり赤くて、まだ血がたぎっているのです。


でも母は、その後にこんな俳句を作りました。


リンゴ剥き夫に謝る時を待ち


剥いたリンゴを夫に出す時に、赤い薔薇を一緒に出したら夫はどんな顔をするのでしょうか。

でもたいていの男性は残念ながらこうした女心は理解できないでしょうね。

私も母にならいこの薔薇園で俳句を作りました。


薔薇園で人恋しさに蝶を追い


実は、最後のところ、“追い”がいいか、“追う”と止めた方が

いいか今でも悩んでいます。母が生きていれば助言してくれたでしょう。


この薔薇園で母の俳句を読みながら、私が恋しがっていた人は母だったのかも知れません。

みなさんにも薔薇の香りが届きますように。



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