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Vol.67 New York Spots (8) Church Ghost

New York Spots (8) Church Ghost


まだまだ暑い日が日本でも続いていると思います。ニューヨークも今年は特に暑かったです。そこで、ちょっとひやりとするお話しお届けします。ゴーストの出る教会の話です。

前にゴーストの出るミュージアム を紹介しましたが、今回はニューヨークで2番目に古い教会です。



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なんだか、本当に出そうでしょ。この教会はイースト・ビレッジのセント・マークスという地域にありSt. Mark’s Church と呼ばれています。


17世紀オランダ植民地時代のニューヨークはニュー・アムステルダムと呼ばれており、当時の統治者だった片足しかなかったPeter Stuyvesantはオランダからこの地域を買い取りました。1672年に彼が亡くなると彼の遺体はこの地に埋葬されました。ひ孫のPetrus Stuyvesantが新しい教会を建てるという条件で、Espiscopal教会にこの土地を寄付しました。そして、1795年にSt. Marks Church となり、1966年にニューヨーク市のランドマークに指定されました。
教会前の広場と入り口には教会のシンボルのライオン像があります。


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このライオン像からして、なんだか、怖いですね。そして、教会の左右にはとても不思議な像があります。ネイティブ・アメリカンの人物像で、右に“Inspiration”(霊感)と言う名の像があります。


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左には“Aspiration”(切望・大志)という像があります。


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とても不気味な像で、教会でこのようなものを見たのは初めてです。ゴーストに会えるかもという期待感が高まりました。
この教会のゴーストの話は“New York State Ghosts”という本で見つけました。


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これによると遺体が埋葬されたPeter Stuyvesantの足音が聞こえるというのです。ある女性が、1982年にこの教会が改装された時、そのオープンニングに参加できずに翌日の夕方一人で教会に行くと、大きな足音が聞こえたので、振り向くと、鼻の大きな杖をついた老人が、この女性に早く出ていくように促したそうです。不思議な老人だったので、彼女も出ていこうと階段をおり振り向くと誰もいなかったそうです。
後日、この話を友人にすると百科事典で、Peter Stuyvesantの絵を見せられ、その老人がその絵とそっくりだったとのことです。


この本の作者がこの話を確かめるために、この教会へ出かけて、教会で働いている人にゴーストが出るかどうか聞いたところその答えは次のようなものでした。


「私は見たことはありませんが、一人で夜遅く働いていると誰もいないはすの上のほうから大きな足音が聞こえるのです。この足音は私だけでなく、たくさんの人が聞いていますよ」


どうですか。そんな足音を聞いたら怖いですよね。で、私もその足音を聞くことができるかどうか、一人でこの教会に行きましたが、残念なことに閉まっていました。普通教会はいつも開いていて、誰でも入ることができるはずなのに・・・・なんだか、ますます興味が湧いてきました。看板をみると日曜日の11時からミサが行われるというので、再度日曜日に出かけました。


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教会内部は綺麗に改装されており、なんだか、拍子抜けするほど、明るくて、ゴーストが出る雰囲気ではありません。でも教会のミサなんて久しぶりなので、参加することにしました。


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ゴスペルを歌う人たちの服装もとてもカジュアルで、厳粛なムードはありません。高齢者のゴスペルですが、とても美しい声とハーモニーに感動しました。


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清潔で家庭的なミサは心地いいものでしたが、偶然にも私が座った席の真後ろに、あのPeter Stuyvesantのステンドグラスがありました。


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足音は聞こえませんでしたが、素晴らしいゴスペルを聞いていたら、彼に見守られているような感じがしました。“New York State Ghosts”の作者のディビッド・ピットキンさんもこのように書いています。「400年近くたっても彼の火のような魂は燃え尽きことがなく、彼の骨が立ち上がり再び動き出すことを望んでいるのだろう」 
そうなのです。彼のAspiration (切望)が足音を作り出すのかも知れません。