■ [経済 ]私が日本経済に漠然と不安を感じる理由
http://d.hatena.ne.jp/itamae/20071217
こないだ実家にいる親父と話をしていて、何か漠然と感じたものを適当 にまとめてみる。まとまってないかもしれないけど。
以下長々と書いていますがまとめると「繊維業界 と現在 の機械電機産業を重ねると、日本企業 が製造を海外 に持っていってから、そのセクタ全体が衰退を始めているんじゃないか?」という話。
皆さんも肌で感じているように一部の高級なモノ以外、衣類のほとんどが中国もしくは他のアジア圏で製造されております。
つまり流通 ・物販以外の繊維関連業は、日本においてはほとんど無いといって過言ではないでしょう(あるとするなら必ず中国等海外 に出先がある)。
まぁ、正直ほとんど儲かっていない。(若干儲けがあるのが奇跡 なくらいだ)
長男である私が社長である父に「もう少しで廃業するからお前、跡を継がなくて良いよwww」と宣告されるくらいなわけで。
私の経営者 としての能力 が足りないとかいう前提の前にコレだから。俎上にも乗らないってやつです。
何せ実家の会社 の取引先は、販売先もそうだが仕入先もドンドン廃業もしくは潰れていっている状態で、安定して右肩下がりという見た目お先真っ暗なであるのだから。
さて、個人的な状況は差し 置いて現在 に至る繊維業界 の歴史を自分が感じたイメージ で説明したいと思います。
ソース は私と私の親父ですので、かなりザックリで嘘もあるかもしれません。サーセン ww
第二次世界 大戦以前より日本は生糸,紡績,服地・部品 の製造,染色,製品 の製造まで一貫して行い、高度成長期 まで日本を支える基幹産業であり続けました。
その証左として現在 でも東証 に紡績やらの繊維関係の企業 が上場 しています*1
大体30~40年程度前でしょうか、他の製造業 (機械,電子 ,電機関連…今の基幹産業ですね)が強くなり始めた時期と同じくもしくはオーバーラップ気味に繊維業界 はほぼピークアウトしていきます。
ピークアウト…といっても、それまでの日本の産業における繊維関係の重要 度はとてもすごく、「ガチャマン」*2 とよばれるくらいべらぼうな利益 を日本に生んだわけです。
特に戦前 戦後 において愛知県一宮市は紡績業の集積地であったのですが*3 、現JR ・当時国鉄 の尾張一宮駅には九州や東北から出てきた働き手の若者 で混み合っていたという話を聞きました。
その後(20年くらい前でしょうか)、少しずつ繊維業界 の規模が小さくなっていく中、体力と行動力があった繊維業の一部は、大規模な労働 集約が可能な中国という国に目を付け進出していったのです。
繊維業界 にとって中国は約束の地であったのかもしれませんね…。
そんなわけで、約30年程度前から一貫して右肩下がりの日本の繊維業界 (製造・加工)。
もちろん、前述のとおり繊維関連業を営む自分の実家(一宮市にあります)も25年前に起業 して、10年程度はかなり調子が良かったですが、その後は萎んでいっています。
ちなみに現在 の一宮市は名古屋駅までJR で20分という利便性も手伝って見事なまでに名古屋のベッドタウンとなりました。
(余談ですが、岐阜市や大垣市まで名古屋市の通勤 圏内の為、「県庁所在地である岐阜市は名古屋のベッドタウンで良いのか!」と岐阜の偉いさんが言ってたような気がします)
で、本題ですが。
実家の会社 から察するに、取引先が中国に進出していってしばらくしてから衰退(実家の業績もそうですが取引先の業績も)が始まっています。
これから察するに、繊維業界 というセクタが衰退していくタイミング で、日本でやってきた製造・加工という業態 が海外 へ移転 しています。
まぁ、ここでそのときの判断をされた各企業 の経営者 を批判するつもりはサラサラ ありません。彼らも座して死ぬことはしたくなかったでしょうから。
転じて現在 の日本はどうでしょうか。
日本の製造業 は機械・運送機器(トヨタとか),電機・精密機器(キヤノン ・ソニー とか)を代表する企業 が競争力 を持ち世界 を有る程度席巻しています。
しかし、これら企業 の製造や加工などの業態 は海外 へ依存 していることが多くなってきました。
特に労働 単価が安く,その労働 単価の安い人員が大量に居る中国はそれら製造業 にとっても約束の地となってきた感があります。
これらの日本の製造業 が中国へ本格進出してから…どうでしょう、もう10年程度になっていると思います。
繊維業がたどった道をなぞれば、もう日本の製造業 は衰退を始めていて、あと10~20年で一部の大企業 を除き、廃業もしくは廃業の危機にさらされていると思います。中小企業 は軒並み危うくなっているのかもしれません。
つまり、20年もすれば日本の機械や電機機器のセクタ自身の規模が現在 より大幅に縮小しているのではないか?と。
あまり当たってほしくないんですが、もしこれら現在 日本が胸を張って世界 に誇る「ものづくり 」が縮小していくと仮定していくとするなら、この衰退した穴をどこのセクタが埋め合わせるのでしょうか?
IT?バイオテクノロジー?コンテンツ 産業?エコ産業?
それは私にも分かりません。
しかし、ただなんとなく親父が置かれた状況を見ると、「そのとき」が来たときに私が克服できるかという不安があります。