野球賭博：古市容疑者３度目逮捕 元琴光喜関を恐喝未遂
古市満朝容疑者＝東京都墨田区で２０１０年６月２４日、梅村直承撮影 大相撲の野球賭博を巡る恐喝事件で、元大関・琴光喜関（３４）から１億円を脅し取ろうとしたとして、警視庁組織犯罪対策３課と本所署は２２日、指定暴力団山口組黒誠会系幹部、万谷里弘（３７）と元力士、古市満朝（３８）、山口組伊豆組系幹部、安田善彦（４５）の３容疑者＝いずれも別の恐喝事件で逮捕＝を恐喝未遂容疑で再逮捕した。組対３課によると、万谷、古市両容疑者は「やってません」などと容疑を否認し、安田容疑者は「間違いない」と容疑を認めているという。一連の事件で古市容疑者の逮捕は３度目。
逮捕容疑は、大阪開催の春場所中の３月２６日深夜と２７日未明、大阪府内で「４～５年前から力士や親方が野球賭博に関係している証拠を持っている。週刊誌に実名と写真を載せる。１億円払って引き取れ」などと要求し、現金を脅し取ろうとしたとしている。
組対３課によると、２６日の現金要求は、３容疑者が野球賭博の仲介役だった阿武松（おうのまつ）部屋の床山（２９）を岸和田市内の飲食店に呼び出し元琴光喜関側を脅していた。２７日は古市、安田両容疑者が元琴光喜関と前大嶽親方（４２）＝元関脇・貴闘力＝を大阪市内の路上に呼び出し「（万谷容疑者が）マスコミにばらすと言っている。ばらされたくなければ１億円出せと言っている」などと脅したが、前大嶽親方が警視庁に被害を届け出たため未遂に終わった。
東京地検は２２日、野球賭博の仲介役だった元幕下力士（３５）に因縁を付け現金３００万円を脅し取ったとして、古市、安田両容疑者を恐喝罪で起訴し、万谷容疑者と山口組黒誠会系組員の田原勝仁容疑者（３４）を処分保留とした。
古市容疑者は元琴光喜関から野球賭博の口止め料として３５０万円を脅し取った恐喝容疑でも逮捕、起訴されている。【酒井祥宏、川崎桂吾】
◇徹底的に解明を
日本相撲協会・放駒理事長のコメント 協会は反社会的勢力との関係を根絶するために全力を挙げて取り組んでおり、２０日には暴力団等排除対策委員会を立ち上げるなど努力をしている。今回の事案についても、迅速にかつ徹底的に解明されることを願っている。