監査委員会報告第76号
「後発事象に関する監査上の取扱い」
会計制度委員会
「重要な後発事象の開示について」の廃止について
(平成15年3月25日 日本公認会計士協会 監査委員会)
本報告は、後発事象に係る開示内容の多様化と開示の適時性に伴い、以下の事項について対応するため取りまとめられたものです。
1.実務上の問題点の整理
2.連結監査上の取扱いの追加
3.事例分析による開示例の見直し
4.後発事象に関する監査手続の明示
なお、本報告の確定により、監査第一委員会報告第44号「後発事象に関する監査上の取扱い」(昭和58年3月29日)及び会計制度委員会「重要な後発事象の開示について」(昭和59年7月6日・会計制度委員会)は廃止されました。
<主な内容>
1.
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監査対象となる後発事象の範囲
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監査対象となる後発事象の範囲は、決算日の翌日から監査報告書日までの間に発生した会社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす会計事象である。
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(1)
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財務諸表を修正すべき後発事象
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財務諸表(商法の計算書類、連結計算書類及び証券取引法の財務諸表(連結及び中間を含む)をいう)を修正すべき後発事象(従来の第一の事象、以下「修正後発事象」という)は、決算日後に発生した事象ではあるが、その実質的な原因が決算日現在において既に存在しており、決算日現在の状況に関連する会計上の判断ないし見積りをする上で、追加的ないしより客観的な証拠を提供するものとして考慮しなければならない事象であるので、重要な事象については、財務諸表の修正を行うことが必要となる。
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(2)
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営業報告書に記載又は財務諸表に注記すべき後発事象
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営業報告書に記載又は財務諸表に注記すべき後発事象(従来の第二の事象、以下「開示後発事象」という)は、決算日後において発生し、当該事業年度の財務諸表には影響を及ぼさないが、翌事業年度以降の財務諸表に影響を及ぼす事象であるので、重要な事象については、会社の財政状態及び経営成績に関する的確な判断に資するため、当該事業年度の営業報告書に記載又は財務諸表に注記を行うことが必要となる。
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2.
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修正後発事象に関する取扱い
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(1)
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財務諸表における修正後発事象の取扱い
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1.
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個別財務諸表
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a.
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商法監査
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計算書類が会計監査人に提出された後、会計監査人の監査報告書日までに修正後発事象が発生した場合には、計算書類を修正する。
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b.
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証券取引法監査
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・
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証券取引法に基づく監査報告書日までに修正後発事象が発生した場合は、財務諸表を修正する。ただし、修正後発事象が商法監査における会計監査人の監査報告書日後に発生した場合、証券取引法に基づいて作成される財務諸表においては、計算書類との単一性を重視する立場から当該修正後発事象は開示後発事象に準じて取り扱う。なお、商法監査を受けていない会社が、証券取引法監査の対象となっている場合には、監査役の監査報告書日までに発生した修正後発事象について財務諸表を修正する。
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・
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中間監査報告書日までに発生した修正後発事象は中間財務諸表を修正する。
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2.
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連結財務諸表
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a.
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商法監査
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・
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連結計算書類としての連結財務諸表に係る監査報告書日までに修正後発事象が発生した場合には、本来連結財務諸表を修正すべきものであるが、連結財務諸表作成会社の計算書類に係る会計監査人の監査報告書日後に発生した修正後発事象については、計算書類との単一性を重視する立場から、開示後発事象に準じて取り扱う。
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・
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連結子会社及び持分法適用会社に係る修正後発事象については以下のように取扱う。
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i
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商法連結計算書類に係る監査報告書日までの取扱いは、商法監査に準じて取り扱う。
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ii
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親会社の会計監査人の計算書類に係る監査報告書日までに発生した修正後発事象(連結子会社等に係るものを含む)は、連結財務諸表において当該事象に関する修正を行う。親会社の計算書類に係る監査報告書日後、連結財務諸表の監査報告書日までに発生した修正後発事象(連結子会社等に係るものを含む)は、開示後発事象に準じて取り扱う。
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・
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中間連結財務諸表監査
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中間連結財務諸表の監査報告書日までに発生した修正後発事象については、中間連結財務諸表において当該事象に関する修正を行う。
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(2)
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監査報告書における修正後発事象の取扱い
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1.
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個別財務諸表監査
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a.
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商法監査
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重要な後発事象が、修正後発事象に該当しているにもかかわらず、貸借対照表及び損益計算書の修正が行われていない場合には、会計監査人は監査報告書に不適法意見を記載する。
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b.
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証券取引法監査
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(a)
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財務諸表監査
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重要な修正後発事象が及ぼす影響を財務諸表に反映すべきものについて、その影響が財務諸表に反映されていない場合は、監査報告書に監査意見に係る除外事項として記載する。商法監査上、修正後発事象に関連して不適法意見が表明されている場合には、監査報告書に監査意見に係る除外事項として記載する。
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(b)
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中間財務諸表監査
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重要な後発事象が及ぼす影響を中間財務諸表に反映すべきものについて、その影響が当該中間会計期間の中間財務諸表に反映されていない場合は、中間監査報告書に中間監査意見に係る除外事項として記載する。
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2.
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連結財務諸表監査
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a.
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商法監査
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重要な後発事象が、修正後発事象に該当しているにもかかわらず、貸借対照表及び損益計算書の修正が行われていない場合には、会計監査人は監査報告書に不適法意見を記載する。なお、親会社又は連結子会社等の計算書類に係る監査報告書において、修正後発事象に関連して不適法意見が表明されており、かつ連結子会社等の修正後発事象が連結財務諸表上修正されていない場合で、当該修正後発事象が連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと認められるときは、会計監査人は不適法意見を監査報告書に記載する。
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b.
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証券取引法監査
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(a)
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連結財務諸表監査
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重要な修正後発事象が及ぼす影響を連結財務諸表に反映すべきものについて、その影響が当該連結財務諸表に反映されていない場合は、監査報告書に監査意見に係る除外事項として記載する。商法連結計算書類における除外事項は、証券取引法の連結財務諸表においても除外事項とする。
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(b)
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中間連結財務諸表監査
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重要な後発事象が及ぼす影響を中間連結財務諸表に反映すべきものについて、その影響が当該中間連結財務諸表に反映されていない場合は、中間監査報告書に、中間連結財務諸表が一般に公正妥当と認められる中間連結財務諸表の作成基準に準拠していない旨の除外事項を記載する。
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3.
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開示後発事象に関する取扱い
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(1)
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開示後発事象についての基本的な考え方
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a.
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翌事業年度以降(又は中間決算日後)の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす事象であること
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b.
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財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象であること
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c.
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決算日(又は中間決算日)後に発生した事象であること
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(2)
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営業報告書又は財務諸表における開示後発事象の取扱い
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1.
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個別財務諸表
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a.
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商法監査
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決算日後会計監査人の監査報告書日までの間に重要な開示後発事象が発生した場合には、営業報告書において、決算日後に生じた会社の状況に関する重要な事実として記載する。
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b.
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証券取引法監査
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・
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決算日後監査報告書日までの間に重要な開示後発事象が発生したときは、当該事象を財務諸表に注記する。
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・
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中間財務諸表においては、中間決算日後、当該会社の当該中間財務諸表に係る中間会計期間が属する事業年度(当該中間会計期間を除く)以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす開示後発事象が発生したときは、当該事象を中間財務諸表に注記する。
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2.
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連結財務諸表監査
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a.
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商法監査
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決算日後会計監査人の監査報告書日までの間に、親会社及び連結子会社等に重要な開示後発事象が発生した場合には、連結貸借対照表又は連結損益計算書において、連結決算日後に生じた会社の状況に関する重要な事実として注記する(営業報告書へ記載することもできる)。
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b.
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証券取引法監査
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(a)
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連結財務諸表
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連結決算日後、連結監査報告書日までの間に、親会社及び連結子会社等に重要な開示後発事象が発生したときは、当該事象を注記しなければならない。連結子会社等の事業年度の末日が連結決算日と異なる場合には、当該連結子会社等に係る後発事象については、当該連結子会社等の決算日後に発生した事象を後発事象として注記する。
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(b)
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中間連結財務諸表
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中間連結決算日後、中間連結監査報告書日までの間に、親会社及び連結子会社等に重要な開示後発事象が発生したときは、当該事象を注記しなければならない。
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(3)
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監査報告書における開示後発事象の取扱い
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1.
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個別財務諸表監査
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a.
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商法監査
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・
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決算日後、計算書類が会計監査人に提出されるまで(以下「計算書類の作成期間」という)に発生した開示後発事象及び会計監査人の監査報告書日までに発生した開示後発事象について、営業報告書に記載されている場合には、監査報告書にその旨を記載する。
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・
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計算書類の作成期間に発生した後発事象が営業報告書に記載されていない場合には、会計監査人は当該後発事象が営業報告書に記載されていない旨及び当該後発事象の具体的内容を監査報告書に記載する。
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・
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計算書類が会計監査人に提出された後、会計監査人の監査報告書日までに発生した後発事象については、原則として、営業報告書に追加して記載することが必要であるが、例外的に、計算書類の修正に関する取締役会が日程等の制約により開催できないなど会社が実務上当該後発事象を計算書類に記載することが困難な場合には、取締役から報告を受けた後発事象の内容を監査報告書に記載する。
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・
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営業報告書に記載された後発事象について監査できなかった場合には、会計監査人は監査報告書にその旨及び理由を記載する。
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b.
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証券取引法監査
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・
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財務諸表に注記すべき重要な後発事象について適切な注記がなされていない場合には、監査報告書において監査意見の除外事項を記載する。
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・
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適切な注記が行われている重要な後発事象が、財政及び経営の状況に関する利害関係人の判断を誤らせないために特に記載が必要と認められる事項に該当すると判断される場合には、当該事項を追記情報として監査報告書に記載する。
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・
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監査人が特に追記情報として記載する必要があると判断した重要な後発事象が、財務諸表に注記されていない場合には、注記を求めなければならない。当該注記が行われていない場合又は当該注記が不十分な場合には、監査報告書において監査意見の除外事項を記載するか、意見を表明しない。
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・
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なお、中間財務諸表監査においても同様に取り扱うものとする。
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2.
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連結財務諸表監査
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a.
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商法監査
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・
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連結決算日後、連結計算書類が会計監査人に提出されるまで(以下「連結計算書類の作成期間」という)に発生した開示後発事象及び会計監査人の監査報告書日までに発生した開示後発事象について、連結貸借対照表又は連結損益計算書に注記(営業報告書への記載を含む)がある場合には、監査報告書にその旨を記載する。
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・
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連結計算書類の作成期間に発生した後発事象について開示が行われていない場合には、会計監査人は当該後発事象が注記が行われていない旨及び当該後発事象の具体的内容を監査報告書に記載する。
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・
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連結計算書類が会計監査人に提出された後、会計監査人の監査報告書日までに発生した後発事象については、原則として連結貸借対照表又は連結損益計算書に追加して注記(営業報告書への記載を含む)することが必要であるが、例外的に、連結計算書類の修正に関する取締役会が日程等の制約により開催できないなど会社が実務上当該後発事象を連結計算書類に記載することが困難な場合には、取締役等から報告を受けた後発事象の内容を監査報告書に記載する。
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・
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連結貸借対照表、連結損益計算書又は営業報告書に記載された後発事象について監査できなかった場合には、監査報告書にその旨及び理由を記載する。
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b.
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証券取引法監査
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・
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連結財務諸表に注記すべき重要な後発事象について適切な注記がなされていない場合には、監査意見の除外事項を記載する。
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・
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連結財務諸表に適切な注記が行われている重要な後発事象が、企業集団の財政及び経営の状況に関する利害関係人の判断を誤らせないために特に記載が必要と認められる事項に該当すると判断される場合には、当該事項を追記情報として監査報告書に記載する。
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・
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監査人が特に追記情報として記載する必要があると判断した重要な後発事象が、連結財務諸表に注記されていない場合には、注記を求めなければならないが、当該注記が行われていない場合又は当該注記が不十分な場合には、監査報告書において、監査意見の除外事項を記載するか、意見を表明しない。
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・
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なお、中間連結財務諸表監査においても同様に取り扱う。
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4.
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継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況を後発事象として開示する場合の取扱い
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(1)
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財務諸表における開示
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決算日後に継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が発生し、翌事業年度以降の財政状態及び経営成績に影響する場合には、当該事象又は状況を後発事象として取り扱い、営業報告書に記載又は財務諸表に注記する。
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(2)
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監査報告書における記載
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決算日後に継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が発生し、当該事象又は状況について後発事象として適切な開示が行われている場合には、監査報告書において、商法監査では後発事象の記載、証券取引法監査では追記情報として後発事象の記載を行う。
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5.
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後発事象に関する監査手続
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(1)
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後発事象に関する内部報告制度の整備・運用状況の検討
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(2)
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財務諸表(連結財務諸表、中間財務諸表、中間連結財務諸表を含む)に係る実証手続
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1.
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後発事象に係る情報入手及び検討
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2.
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法務対応・専門家の利用
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3.
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関係会社に関する後発事象の把握
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4.
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会計処理及び開示に関する妥当性の評価
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5.
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継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況に関する評価
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6.
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追記情報の検討
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<適用時期>
平成15年3月1日以後終了する連結会計年度及び事業年度に係る監査並びに平成15年9月1日以後終了する中間会計期間に係る中間監査から適用する。