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才能を見いだし、鍛え、さらなる高みへと導く(春秋)
2006/08/04, 日本経済新聞 

 才能を見いだし、鍛え、さらなる高みへと導く。対戦相手を選ぶ巧みなマッチメークで経験を積ませつつ自信を植え付け、世界ランクを上げて、王座に挑む。ボクシングでは、トレーニングとマネジメントがチャンピオンをつくる、という面を否定はできない。
▼そのつくる意識が過大だと、時にスポーツの根幹である「公正」を疑われることになりかねない。二日のWBA世界ライトフライ級王座決定戦は、意外な判定にみんなびっくり。手間取った採点の公表後、リングアナウンサーは勝者の名を紹介するのに、大げさに「浪速の闘拳」というキャッチフレーズをつけた。
▼表彰式では、亀田興毅選手を育てた父親へ贈る特別なチャンピオンベルトなるものが渡された。対戦相手のランダエタ選手が勝っていればただムダになるだけのベルトが用意されていたわけだ。いささか過剰な物語性の演出が、疑惑の判定と重なると、苦く切ない。
団塊世代が少年のころ、あこがれのカミソリサウスポーの海老原博幸さんが、海外の試合で地元びいき=ホームタウン・ディシジョンで敗れた。後からその映像を見て相手国をののしっていた自分を思い出す。ランダエタ選手の母国ベネズエラで少年たちは日本をどう見るだろう。相手を敬う心と言葉を持たずにスポーツは続かない。