2019.05.19 神宮
横浜DeNA 7 - 0 ヤクルト
試練を乗り越え濱口完封！
9回のマウンドに上がった濱口、先頭の西田に対して安易に入ったストレートをジャストミートされるとレフトポール際へ大きな当たり。
ボールはわずかにレフトポールの右側でファールの判定。
多くの方が胸をなでおろした瞬間でした。
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今日の濱口は一貫して動くボールを巧みにつかいストライクを先行。
解説の井端氏がしきりにコメントしていた通り、綺麗なフォーシームのまっすぐはほとんど見られなく、140キロに届くか届かないかのツーシーム系のストレートにカットボール。
それに大きく曲がるスライダー、途中で大きな失速をするチェンジアップで相手打線を翻弄していました。
初回にヒットと四球でピンチを招きますが、2回から8回まで7イニング連続で3者凡退を記録。
空前絶後と言っても良いピッチング。
相手がまともな打撃フォームでスイングできず、腰が引けたり刺しこまれて窮屈になったり。
ストレートで真っ向勝負するイメージのある濱口とはちがい、また技巧派系かと言わればそれもちょっと違う、不思議なピッチングでした。
見ていても気持ちのよいストレートはなく、ただなかなか打者が手を出さずにストライクが取れ、タイミングを崩されて内野ゴロになる。
先にも書いた通り、綺麗な軌道のまっすぐはほとんど封印していました。
終盤に入ると140キロ台前半のストレートがちらりほらり見られるようになり、いわゆるフォーシーム系のストレートを投げ始めていましたが、用途としては見せ球。
8回まではまさにつけいる隙さえ与えない快投で、誰もが濱口完封での勝利を疑いませんでした。
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西田にヒヤリとする大ファールを打たれた後、ツーシームやスライダーでまともなスイングをさせていませんでしたが、最後の綺麗なまっすぐが高く浮いたところを叩かれてレフト前ヒット。
これが初回以来のランナーとなり、完封勝利に向けて最後の試練が始まりました。
続く阪口をスライダーで三振に打ち取ると、青木、山田と連続四球でなんと一死満塁のピンチ。
1人で投げ続けてきた疲労に加え、ランナーを背負っての投球が久々で投球の際のバランスは崩れていましたね。
そして迎えたバレンティンに対してなんとボールが3つ先行。
ワンバウンドしたり、すっぽ抜けたりするボールも多く、いよいよ限界を感じさせる投球内容でした。
押し出し四球・・・・
ある意味濱口らしい失点の仕方をしてしまうのか・・・
ここで真ん中付近に動くストレートで簡単にストライクを1つ。
バレンティンも打つ気なし。
続いてストレートでもう一つストライク。
ようやくセットでのバランス感覚を取り戻したか。
フルカウントとなって注目の6球目。
渾身の力を振り絞ったフォーシームの正真正銘の綺麗なまっすぐがバレンティンの膝元に決まり、見逃三振！！
おそらく、このまっすぐがこの試合で最も美しく、最も力強いストレートでした。
実はこの9回はこの綺麗なストレートを多投している節があり、どうも完封に向けて少々色気づいたところもあるのかなと思って見ていました。
満塁でボールが3つ続いたところから、良く巻き返してストライクを3つ続けましたね。
味方の大量援護があったとはいえ、見事なセルフコントロールだったと思います。
二死満塁となり、ここまで来たらなにがなんでも完封しろ！！と思っていたら、5番の川端に外角のボールをミートされて打球はレフト線へ痛烈なライナー！
「やれれた！」と思った次の瞬間、そのライナーに猛然とアプローチしているのはこの回から守備固めでレフトに入っている乙坂。
見事にこのボールをキャッチ！
マウンドで苦しんでいた濱口はこの最終回、四球2つ、三振2つとこの回はどこか独り相撲のような格好になっていましたが、気がつけばバックには心強い味方がいることを思い出したことでしょう。
乙坂の好プレーによりピンチを脱出して今シーズン二度目の完封勝利！！
なかなかストレートのスピードが上がってこない状態の中で、ツーシーム、カットボールを中心に我慢の投球を一貫出来たことがこの完封勝利に繋がったと思います。
そしてそれをさせたのはやはり捕手の伊藤光。
陰で我慢さえ続けた伊藤が笑顔を弾けさせる濱口をマウンド上で強く抱きしめ、チームとして今シーズン初の同一カード三連勝に花を添えました。