(6月22日・東京芸術劇場)
インディ・ロックバンド「The National」のリードギタリストにして現代音楽作曲家のブライス・デスナーの「2台のピアノのための協奏曲」に魅了された。第1ピアノは角野隼斗、第2ピアノはフランチェスコ・トリスターノ。
角野隼斗とトリスターノは水を得た魚のように生き生きとして音楽に乗る。二人のピアノの音色はそれぞれの個性があるが、息はぴったり。オーケストラとともにひとつになる演奏は盛り上がった。
プレトークに登場した角野は、デスナーについて『一度ニューヨークで聴いて大好きになった作曲家で、日本初演を光栄に思う。クラシックにしてクラシックにはない響きと浮遊感を楽しめる』と話した。
角野が素晴らしい友人とフランチェスコ・トリスターノを紹介。トリスターノは『トウキョウ、コンニチワ』と日本語であいさつ。『フランスの詩人、ボードレールが「美しいものにはいつも奇妙なものがある」と言ったが、人生も美しいが不思議なものでもある。東京と大阪でこの作品を初演できることを光栄に思う』と語った。
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死
ブライス・デスナー:2台のピアノのための協奏曲(日本初演)
ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
というプログラムで、今日明日2日間は完売満席。角野隼斗の人気はすさまじいものがある。
ヒンデミット「ウェーバーの主題による交響的変容」の第2楽章中間部にはトロンボーンがジャジーなフレーズを吹く箇所があり、デスナーの作品とも共鳴したことは興味深い。
詳しくは「音楽の友」コンサート・レヴューに書きます。
セバスティアン・ヴァイグレ©読響
角野隼斗©Ryuya Amao
フランチェスコ・トリスターノ©Greg Massat