今日は15番・「悪魔」について書いてみようと思います。

 

私は子供のころから絵が好きで今でも描いています。

実力はご覧のとおりです(´∇`;)アハハッ

今はパソコンで描くことが多いので、昔みたいに紙も絵の具もペンもあまり買わなくなりました。

久しぶりに水彩を混ぜてみたのですが、絵の具の色って占いと似てるところがあるな、と思います。

 

特に命術と言われるお誕生日で占うものは、自分の中にある要素を知るのに便利ですね。

タロットでも、「悪魔」や「力」のカードが出たときは、自分の闇の部分を見てあげるチャンスです。

 

例えば、ある人がこういう配色で構成されていたとして。

 

そこから、黒はキライだからって言って、抜いた場合。

 

混ぜると当然、違う色になります。

向かって左が黒なし。右が黒あり。

 

でも、

いくら理想に近づいたからって、

違う色(人)になっちゃっていいのでしょうか?

 

いや、

自分以外の人になっちゃ意味がない。えーん
 

私たちは、他でもない、自分自身を生きるために、

何にもないところからこの世に飛び込んできたんだと、

1番・「マジシャン」は伝えています。

 

さあ、その設定でやってごらん!

 

設定に文句言っても始まらない。

くそー、こんな設定じゃなければ・・・こんな体や環境じゃなければ・・・

神様に文句言いたくなる時もあります。

それでも、その設定でやるしかない。

できるよ!魔法かけてごらん!って。

そうマジシャンは言ってきます。

 

こんな時に思い出すのが、

前に、吊るされた男の魅力 の記事でも紹介した、弁護士の中坊公平さんの著書、

『金ではなく鉄として』の一節です。

 

中坊さんは若いころから容姿に自信がなかったそうです。

ある日、お茶屋遊びに連れて行ってもらった際、人生の先輩がこう声をかけてくれたそうです。

 

すると上崎さんがひょっと、

「あんた頭ハゲて、女子にモテんで、これまでずいぶん気にも病んだでしょう」と聞くのだ。

何をこの人は突然、と思いつつも「あかんのですわ」と頭に手をやると、上崎さんはこう言ったものだ。
「確かにこういう場では、あきませんでしょう。けどその代わり、おウチにお帰りになって玄関の戸を開けたとき、奥さんに、何後ろ暗いところなく元気よう「ただいまっ」と言えまっせ。ハゲてるっちゅうのは中坊はん、そういうことです」
なるほどねえ。その見方があったか。

そう言うご当人が、五十歳ちょいでヤカンみたいに完成したハゲやったから、私としても異存なく、心が放たれたように愉快に笑った宵だった。
 

人の世に、苦のタネは浜の真砂の数ほどある。
たかがハゲでも、二十四時間、一生ついて回るから、折々気にしていれば、人の気持ちをくすませる。
けど、「マイナス」の事柄は、本当にのっぺりマイナス一辺倒なんやろうか。

誰しも「これさえ無ければ自分は・・・」ということはある。

だが時には、そうしたことに自分の足元が守られていることさえ、あるんではないか。
人生っちゅうのはそういう不思議な道を行くことやと、おやっさん、ワシ、急所を教えてもろうたな。

 

(『金ではなく鉄として』 中坊 公平 (著) より)

 

15番・悪魔は、その人の「心の急所です。

「そこ突かれると痛いんだよね」ってところ。

でも、時には、悪魔に「自分の足元が守られている」ことさえ、あるかもしれない。

 

中坊弁護士のこの文章は、15番・悪魔のカードを見るたびに、頭に浮かんでくるのです。

そしてそれは、決して無理やりポジティブシンキングなんかじゃなくて、

本当にそういうことってあるかも・・・と、この年になって思います。

 

理想の自分になれば・・・

これさえ手に入れば・・・

「これさえなければ悩みがなくなる」って思ってるけど、なくならない。

悪魔の渇望はきりがない。

 

タロットでも、悪魔は排除できないことになっています。

ではどうするか?

黒い色も混ぜたらいい。

取り込んだらいい。

悪魔ひっくるめて私の色。

 

そんな大げさに考えなくても、

私こういうとこあんだよねー」

で、いい話。

ただ、自覚してればいい。

 

自覚したからって何が変わるのかって?

全然違う。月とスッポンくらい違う。

生命の木で言ったらベールの上と下くらい違うんだそうです。

生命の木のティファレトと言う場所は、自分が何者であるか?を自覚する地点です。

 

 

この本の中坊さんみたいに、さらっと反応できるようになるには、何年もかかるでしょう。

さらに、上崎さんみたいに、混ぜてすべての色を生かせるのは、人生の達人の技です。

 

タロットではそういうのを14番・節制と呼びます。

全部混ぜて私の材料にしちゃうよ!

 

 

さっきの色、比べて見てどうかな?

どっちが好き?

明るい方がいいに決まってる!?

でも、小物なら明るい色がきれいだけど、

スカートやシャツや車の色だったら、くすんだカラーを選ぶ人も多いはず。

使い勝手がいいですもん。

つまりは、あれも色、これも色、ってことだと思います。