[ 内容 ]
「親」どうし、顔を見て、一緒に仕事をするというのは、すごく健全なことだ(著者)。
大変化を迎えた公教育の一断面をリアルに見すえた力作。
忘れられた「PTA」を蘇らせる処方箋とは。
[ 目次 ]
序章 PTAことはじめ
第1章 PTA-この素晴らしきもの(PTAってどんな組織なのだろう 基本は学級PTA ほか)
第2章 PTA-この悩ましきもの(166日・403時間の現実 役員選びはどんどんきつくなる ほか)
第3章 どんなPTAをめざすのか(PTA史をひもとこう 自分の意志で入会する、これが当たり前だ! ほか)
終章 和田中PTA「事件」から見えてきたこと
[ 問題提起 ]
本書は「婦人公論」の連載をまとめて書き直したもので、元原稿は「婦人公論」に出てからあまり間をおかずにwebサイトに掲載されてきたのでフォローしていたのだけれども、こうやって一冊の本となると格段に読みやすい。
実際に小学校PTAの役員を経験した立場からPTAの来歴と「今」を捉え、どうしたら「学校の嫁」「修行の場」「トンデモ圧力団体」のような否定的言辞から抜け出して、よりよい組織として生かすことができるのかを提言している。
[ 結論 ]
PTAは自分が作り上げている一部なわけだから、所与のものとして隷属するんじゃなくて、ちゃんと考えて捉えなおしてみようよ、という見方自体が、多くのPTA会員には青天の霹靂ではないかと思うし、そこにこそPTA問題の根幹があると思う。
それを意識することができるだけでも本書の価値は大きい。
全ての親に読んで貰いたい。
[ コメント ]
しかしまた、和をもって尊しとなす社会では下手に突出すると受け入れてもらえないので、手の打ち方に工夫が必要だと思ったが、そこはケースバイケースなのかなあ。
[ 読了した日 ]
2010年2月13日