[ 内容 ]
厳選された良問を対話形式で解きながら、算数の面白さ・教え方のツボがわかる画期的虎の巻。
[ 目次 ]
プロローグ 夢の中
第1章 算数は驚きから始まる
第2章 計算の奥義
第3章 数の列の輪
第4章 整理整頓の術
第5章 基礎概念はイメージで(対応と対称性)
第6章 実験して法則を見つける
第7章 一見異なる問題の背後には
第8章 移動という考え方
第9章 単純な事実も組み合わせ次第
第10章 印象に残る短い問題に取り組もう
第11章 古典に価値あり
[ 問題提起 ]
算数の問題を題材にしながらも、高校数学(以上)でも必要になる「数学センス」が自然に磨かれる良書だと思います。
小学生の娘を持つA氏に算数の手ほどきをするという設定で、主にA氏との対話を進める形で算数の良問をドンドンと解いていきます。
この対話形式をとることによって、読みやすくなっていますね。
[ 結論 ]
実際に中学入試に出た問題を参考にしているようですが、高校生~大学生にも面白く読める本だと思います。
入試に役立つとか、そういう陳腐なレベルでこの本を語りたくないですね。
数学が【数が苦】でなく【数楽】になるための基本が語られていて、胸がすく思いがしました。
特に「はじめに」と「あとがき」における筆者の警鐘に傾聴すべきです。
例えば、次の計算を「図形でイメージして解く」とすると、どうなりますか?
23x37、65x65、73x77、24x21、38x62、1+2+4+8+16+32、1+3+9+27+81+243、1x1+1x1+2x2+3x3+5x5+8x8+13x13
イメージ出来なかった方も本書を読めば「あぁ、そうか!」と膝を打ちます。
まさに【Aha!体験】ですね。
この他「実験→整理→法則性の発見→洞察」を算数を通じて学ぼう、という章立てまで用意されています。
これは、まさに「科学」の精神性そのもの、嬉しい限りです。
技術立国を目指す日本において、将来を担う子供たちがこのような【数楽】の良書に触れることが出来るのは幸いです!、と断言しましょう。
[ コメント ]
この本の他に「算数の究極奥義教えます―子どもに語りたい秘法」(木村俊一)や「数学の考え方」(矢野健太郎)も数楽の良書としてお薦めします。
[ 読了した日 ]
2009年8月1日