[ 内容 ]
タブーなき“青い瞳のジャーナリスト”だからこそ書ける、この国の情報を操る本当の権力とは。
[ 目次 ]
第1章 誰が真実を歪曲しているのか(“知っているのに書かない”という罪 大本営発表を垂れ流す大手メディア ほか)
第2章 騙しに加担する日本のメディア(裏取りのレベルを上げる「記事潰し」 「自殺の連鎖」を止める簡単な方法 ほか)
第3章 世界を欺き続けるアメリカの論理(「年次改革要望書」はアメリカからの命令 郵政民営化の実態は「米営化」 ほか)
第4章 国民を見殺しにする日本政府(まやかしの経済成長に騙されるな 誰が日本を格差社会にしたのか ほか)
第5章 日本人が身につけるべき本当のメディア・リテラシー(すべての情報は何らかの加工がされている 「陰謀論」に真実が含まれることもある ほか)
[ 問題提起 ]
日本に20年以上住んでいるカナダ人ジャーナリストがアメリカの言いなりになっている日本や、体制に都合の悪い記事を出さない大手マスコミに警鐘を鳴らす。
筆者は「フォーブス」アジア太平洋支局長を務めていたが、ウィルス対策ソフト会社がウィルスをばら撒いているというスキャンダルを封殺されてからフリーになり、ヤクザやブッシュ利権など、大手マスコミのタブーに挑戦し続けている。
[ 結論 ]
筆者によれば、北朝鮮は脅威ではないという。
人口が日本の5分の1、GDPが100分の1では何もできない。
ところがこれを煽るのはアメリカで、その目的は低性能のミサイル防衛システムや次世代戦闘機を売りつけて軍産複合体を儲けさせることにある。
イラク戦争開戦の理由が石油利権にあったことはもはや隠しようのないことになっているが、9・11が飛行機の激突ではなく爆薬によるものだったことが隠蔽されていることは知らなかった。
イラン・イラクが石油取引をユーロ決済にしようとしたことがアメリカに狙われた一因だったと。
翻って日本。
郵政民営化もアメリカの年次改革要望書によって進められたもので、相変わらず言いなりだ。
国連への負担金が世界第2位、アメリカに40兆円ものお金を貸しているのに言いなりになっている日米関係を、筆者はこのように揶揄する。
「パチンコをやりたいから金を貸してくれ」
「はい」
「その間、おまえは外で待ってろ」
「はい」
「全部すっちまった。もうちょっと都合してくれ」
「はい」
「やっと出たから、この金で遊びに行ってくる。先に帰ってろ」
「はい」
そんな日本もいつまでも金が続くわけではない。
国債・地方債の総額が国民の個人資産の総計1400兆円を超えるとされるのが2008年。
さらにこの年は小渕内閣が発行した10年債償還の年でもある。
この多重債務をどう乗り越えるのか。
通貨危機になった場合、IMF(国際通貨基金)に頼ることになるが、その際に起こる事態が2002年の「ネバダレポート」に記されている。
・年金30%カット
・国債の利払いは5~10年停止
・消費税20%
・預金の30~40%を財産税として没収
今の日本では、これくらいしないと本当の財政再建にならないのだ。
こんな大問題に、政治家は口をつぐんだまま。
[ コメント ]
筆者が「全ての情報は、何らかの加工がなされている」と言うとおり、この本に書かれていることも信じがたいことばかりで、一種の煽りが入っているのかもしれない。
そうだとしても、新聞などでは読めない別の面から多角的に物事を捉える必要性を感じた。
[ 読了した日 ]
2009年2月8日