HEAVEN's NOTE -2ページ目

HEAVEN's NOTE

徒然なるままに・・・ひぐらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事をそこはかとなく書きくつれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

■文化財の価値問う「真正性」
建築物や遺跡などの文化財が、世界文化遺産に登録されるには、ユネスコの世界遺産保護条約に従って、「顕著な普遍的価値」があると認められなければならない。  この「価値」を裏付ける考え方の一つが、オーセンティシティ(Authenticity)。「真正性」「真実性」などと訳される。文化財が、デザインや材料などで最初につくられた時の価値を維持しているかどうかを問う考え方だ。


UNESCO

設立当初の基準はとても厳格であったが、石造建造物ばかりじゃないことが考慮に入れられ、評価基準が見直されたらしい。

特に木造建築などについては、改造や消失などの経緯をどう捉えるかで評価は今でも分かれているとのこと。


これよりも一般的な言葉にオリジナルと言う言葉があり、ほぼカタカナ語化している。
保存や再生などの対象に対して、コピーまたは複製されていないか、改変は無いかと言う議論に良く使われる。
建造物に限ったことではないが、そのもの自体の起源(オリジン)が問われる。
一方、「テセウスの船」のパラドックスのように全てが置き換えられたとしても、
それ自体のアイデンティティは保たれる場合もあるはずである。
伊勢神宮の式年遷宮などは、いい例かもしれない。

さらに困ったことに、建造物や遺跡などにおいては、時代を遡ればさらに古い遺跡などが埋蔵されている可能性が高い。レイヤーのように重なり存在する「どれの」「なにに」照準を絞るのか?最も古いものが良いとされるならば?一体どこまで遡れば良いのか?
歴史が発見されるのと同じように、起源もまた発見されるということか。

「通天閣:震度7でも大丈夫!…免震工事が終了 大阪」
毎日新聞 2015年05月01日 10時53分

通天閣通天閣の免震工事が完成したらしい

日本社会は成熟しているといわれて久しいが、新しい整備計画や新設事業も相変わらず進められている。

そんな中既存施設やインフラの改修工事が注目されている。

大規模で不特定多数の利用が予想される施設においては、老朽化や耐震性能の不足などから安全面から考えても急務であることは誰の目から見ても明らかなことだと思う。

通天閣の改修工事は2014年10月から始まっていたが、工事を担当した竹中案は耐震改修にとどまらない提案で、費用は掛かったようだが「地震時の安心」が採用理由になったようだ。

展望エリアにいたるエレベーターが本体から離れているという構造が幸いし、支柱になる足元部分をカットし、免震構造を新設し、地震時の揺れを1/3に減免できるというものだそうだ。

こんな展望台施設の免震改修は、世界でも類が無いとのこと。
最近の大惨事のネパールの動画やニュースを見るたびに、有事を見越して如何に備えるかと言うことの大切さを再確認した。

蛇足になるが、免震装置のゴムは東洋ゴム製ではないことを付け加えておく。
(オイレス製だそうだ。)


さらにもう一つ足を付け加えるなら、この免震装置の設置工事と合せてダンパーによる制震装置も合せて採用されていること。
耐震工事を想定した理由は、阪神淡路級の大地震で倒壊はしないものの支柱の重大な損壊が予想されるという判定から改修に踏み切ったということ。

つまりは、不足している耐震性を含め、免震と制震とを組み合わせて安全と安心を得たということだ。
免震装置は、耐震とは直接関係無いが安心のための保険と言うことを考えれば、東洋ゴムの耐震データの偽装改竄は、そんな機能を裏切ったという意味だと思う。
過日のニュースなどでの倒壊の恐れは無いという報道は、誤解を招く。

ギリシャ神話のキプロス王のこと。
現実の女性に絶望して、理想の女性(ガラテア)を彫刻し、溺愛するようになった。
さらに、人間になることを切望し強く願い続けた。
これを見かねたアフロディータがその彫像に生命を吹き込み望みを叶えた。

image

ピグマリオン・コンプレックス(人形偏愛症)やピグマリオン・エフェクトなどは、この神話に由来する。


ピグマリオン効果(pygmalion effect)とは、児童心理学や教育心理学上で、期待されるとその期待に応えようとする心理が作用されるという傾向のこと。
また期待されないと結果も悪くなるという反対の意味のゴーレム効果(golem effect)と対になっている。


たしかに期待され望まれるとモチベーションもあがるが、結果が伴うのかはケースバイケースだろうし、課題や能力とも無関係ではないと思われる。


しかしゴーレム効果については、「出来ない」とか「ダメだ」と言われると、(中には反発する場合もあるだろうけれど)ほとんどグレて本当にダメになるでしょうね。


類似の効果にハロー効果というものもある。
ある対象を評価をする時に顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。ポジティブな引きずられ方よりネガティブな方向へ偏るほうが事例として多く思い当てるのは気のせいか?


・・・ 悪貨は良貨を駆逐する。
・・・ 腐ったみかん理論。

いずれもネガティブな傾向に偏った現象をさしている。


ラベリング理論にも、外側から「レッテル」を貼ることで逸脱行為が起こるとされている。
これも内的な要因よりも、外側からの因子で左右されやすいということ の証明で、よほどしっかりとした意思と内なる視野をもっていないと、外の圧力に屈してしまうということかもしれない。


外圧に弱いのは、日本人特有のことでは無いかもしれない。
人が人であるなら仕方の無いことかもしれない。


地方選挙の後半戦が終わって、投票率が大幅に下落したことが報道されました。


{FBAF92A5-4011-489E-9F4C-430D37BAC9CF:01}

全国の平均投票率は、市議会が48.62%、区議会が42.81%、町村議会が64.34%で、いずれの議員選挙でもこれまでで最も低くなりました。
報道では、公選法の仕組みの問題が取り上げられていました。短期間に多数の候補者を知ることができないのならば、せめて選挙運動と政治活動の閾値を変えるなどの工夫がないと、さらに低下が進むと懸念されていた。

確かに区議選などは、多数の候補者を見分けることもできずに、投票所で候補者を間違え投票してしまった知人がいたくらいだ。さらに普段から様々な情報を得ようとしてもかなり困難な様子である。

このまま加速度的に投票率が下がると、有権者の実数のわずか数%の得票で、代表者が決められてしまうことになり、民主主義が成り立たなくなってしまう。
田中 一村
明治41年生(1908)

{790E6063-2FDC-4CCB-809B-BA858D6A12E4:01}
1926   東京美術学校
(現在の東京芸術大学)

神童と呼ばれていたが、病気や生活苦の中で中央画壇とは一線を画したまま、絵筆一本の放浪の旅に出た。

昭和33年(50歳)奄美大島に移住、大島紬の染色工として働きながら、亜熱帯の野性的な植物、原色長野魚類、動物等を20年にわたる創作活動のモチーフとして約30点の作品を残し、昭和52年9月11日、69歳で孤高の生涯を閉じた。


{A1E0EE3C-C0DD-40D9-B0B8-240012BCB6C6:01}

鹿児島県奄美パーク・田中一村記念美術館
 鹿児島県奄美市笠利町節田1834
{7D5B17BA-450E-4E2C-9D84-50766DFD19D6:01}
{17F52F81-9657-42B8-A872-1116DFF5C597:01}