今やお気に入りの楽曲が欲しければダウンロードする時代です。

もうCDを買う時代も終焉に近い。そしてとっくに終わったレコードやカセットの時代。

そんなアナログな媒体に演奏家たちのミスが記録されたまま販売されていました。

そんな貴重な資料が我が家にあります。

まずは東京六大学の校歌・応援歌集というLPレコード。

演奏は法政大学応援団吹奏楽部で実際に曲に合わせて演舞しているのは六大学各校の応援団(応援部、応援指導部)のみなさん。

当時の学生応援団のみなさんが声を限りに応援している臨場感溢れるレコードなのですが、立教大学の第1応援歌“行け立教健児”の1、2番の演奏の中で1番の後半の部分でシンバルが半音遅れてバシャーンと打つ音が記録されております。

彼らはアマチュア演奏家で決してプロではありませんが、演奏者本人はミスった!と思ったはずで指揮者も気づいたはずですがNGにならずにそのままレコード盤として販売されわたしが買いました。

当時「なんだかズレている?」と凄く気になっておりました。

次に陸上自衛隊中央音楽隊の世界の国歌全集というLPレコード。

これはある国の国歌の中でクラリネットが酷いリードミス(ポヘッという音)が記録されております。

これもNGにならずにそのままレコード盤になって販売されてわたしが買いました。これも気になってしょうがなかった。

今ではプロレベルの同音楽隊も当時はそうでもなかったのかもしれません。

そして最後にロンドン交響楽団演奏のロッシーニ序曲集(6曲)を収録したカセット。

1曲目のセミラーミデ序曲の最初のクライマックスシーンで弦楽器群とトロンボーンが半白、いや1拍ズレていて明らかにおかしいと誰もが思う程の演奏ぶりなのに、これもNGにならずそのままカセットとなって販売。それをわたしの父が買いました。

しかも指揮はかのクラウディオ・アバド先生なのです。もう随分お年を召されたアバド先生ですがこのカセットが収録された頃はまだお若く脂の乗りきっている頃でしたから、やっぱり“なんでそのままOK?”とずっと引っ掛かっております。

因みに、この音源をシエナウインドオーケストラ(日本の最高の吹奏楽団)のクラ奏者のK先生に聴いて頂いた所、「これロシアのオケ?」とのご感想。

アバド先生指揮のロンドン交響楽団と申し上げるとさすがに驚いておられました。

「こんなミスっても商品になっちゃうんですかね?」と尋ねてみたら。

いわく「当時はやっつけ仕事だったみたい、ステージ本番の練習の合間に一発どりして終了だよ。」とのこと。少々ミスろうが忙しいからこれでOK、ってな感じだったんでしょうか。

現代なら全て機械的に修正を掛けてこのようなミスは帳消しになって店頭に並ぶんでしょう。

なんだかつまらないよね?

そういう意味ではとても貴重な資料だ、とのこと。

買った当時は何だか損した気分でしたが、今となっては貴重な存在ってことみたいです。

大事にしなきゃ・・。