やられたらやり返す、法治国家では許されないけれど、被害者感情は理解できます。

目には目をというハムラビ法典は野蛮な悪法と言われてきましたが、実は倍返しのような過度な復讐を防ぐのが本来の趣旨でした。

ホロコーストの忌まわしい歴史を背負うユダヤの人々。やり返したい気持ちは解ります。

ナチスによって600万人が虐殺された事により世界で最も保護され同情されるべき人々という認識が世界共通になった次第。

そんなユダヤ人も実は大戦後に敗戦国となったドイツで水道施設に猛毒を流して600万人を一気に虐殺しようとした過去があります。幸い西側陣営によって未然に防がれたものの復讐心はやがて暴力的な思考を巡らせる方向に向かったのかもしれません。

大戦中にチェコスロバキアを占領していたドイツ。

戦争が終わるや在チェコのドイツ人(民間人)が一斉に集められ道路に仰向けになるように強制され端から順にトラクターで生きたまま踏み殺され数万人が犠牲になりました。その模様を撮影していたチェコ人は「神よ、我が同胞が今やナチスと同レベルに自らをおとしめた。」と嘆いたそうです。

それ程の怒りがあったとはいえ、民間人を虐殺する理由にはならないはず。

それはユダヤ人も一緒。

そんな混沌の時代の中でパレスチナの地に樹立されたイスラエルという国。

ホロコースト以降、世界中がユダヤ人がやる事に口出しは一切無用という空気感に包まれました。

ホロコーストに疑問を持った時点で犯罪と認定。

ホロコーストはそれ程に強烈なインパクトを持った免罪符となったのです。

以降ユダヤの人々がその矛先を向けたのがパレスチナの人々です。

反発するイスラム教原理主義の人達。

ユダヤ人とアラブ人が共存する道を模索していた穏健派のラビン氏が暗殺されて以降台頭したのが強硬派のネタニヤフ。

オスロ合意で治まった両陣営の戦闘もその後ネタニヤフの主導により再び激化し現在はレバノンのヒズボラ、ガザのハマス、そして彼らを支援するイランとの3方面での戦闘が継続中。

世界中を混乱に陥れている今回のイラン攻撃で当てが外れたネタニヤフ。

イスラム指導体制転覆どころか、より結束力が高まり厄介な状態に。

そしてたぶらかして参戦させたトランプアメリカも支持率急落でたまらず停戦実施に。

汚職で起訴されているネタニヤフはとにかく自己保身の為にこの停戦和平交渉をぶっ壊す為にレバノンを総攻撃。

怒ったイランは再び海峡を封鎖し今や原油価格も100ドルを超える結果に。

平和的解決を妨害するネタニヤフ・イスラエルに世界中から非難殺到。

英仏にイタリア、スペイン、トルコは激しくネタニヤフ政権をバッシング。

これは今までになかった動き。

ホロコーストの免罪符を手にパレスチナのアラブ人を散々虐殺してきたイスラエルもさすがにこの反発に驚いた様子。

たまらずネタニヤフもレバノンとの和平交渉をとトランプの圧力によってブレーキを掛けなければならなくなりました。

さてユダヤ人に対する世界中の人々の苛立ちと怒りは収まるのやら・・。

ホロコーストから80年以上が経過し、そろそろこの免罪符も有効期限切れのような空気感が漂い始めています。

歓迎すべきなのか。