わたしの古い友人(今は交流無し)が今度コンサートをやるという告知を見ました。

プロの伴奏を2名付けて彼が歌うこのライブの料金が4500円+ドリンク代とのこと。

プロでもない元友人の事だからいささか高いと思ったけれど、それはそれで彼のサポーターが集まるのなら十分に成立するのです。

でも一般の人からするとアマチュア演奏家のライブに5000円以上はかなり敷居が高いことでしょう。

日本人は音楽演奏、絵画、映像など手間暇かけて作り上げた作品を楽しむのに対価を払うという感覚がありません。

もちろんベルリンフィルのコンサートなら何万円でも出すのが当たり前ですが、知られていないアーチストにお金を払う感覚はほぼほぼゼロ。

ある大病院の1階ロビーに貼り出された募集案内。

「院内ロビーコンサートボランティア演奏者募集(ただしプロに限る)」

非常に違和感を感じるのは実際に演奏活動をしているわたし達だけ。

フツーの人々はなんの違和感も反感も持ちません。それがニッポンという国。

プロ奏者にタダで(どころか交通費も自腹で)演奏しに来てくれという募集。

わたしの知人のプロ歌手が福祉施設でのボランティア演奏をオファーされました。

本人はやる気でタダでも構わないと受けようとしましたが、伴奏のピアニストにはギャラと交通費が掛かると知らせた所、断りの返信が来たとのこと。

その昔、あるピアノ教室の発表会の余興でと演奏オファーを受けた事があります。

参加者はわたしも含めて8名ほど。

演目は4曲で尺は15分位でした。

この時はギャラが1人あたり5000円でました。

知りあいにこの話をしたら「15分で5000円?ボッタくりかよ!」と言われました。

日本にいるとこういう感覚が染みつくんだとつくづく思います。

この15分の演目の為に4曲をアレンジし、楽譜を作りメンバーを何度か集めて練習し、そして桶川という埼玉のかなり外れにある会場に車2台で行きました。

これらの準備に掛かった手間暇お金(主として交通費など)は全て自腹ですから5000円は経費で吹っ飛ぶ計算に。

実は芸術活動にはお金と時間とプラス鍛錬する苦労がふんだんに掛かっています。

でも日本にいるとタダを憂うどころか出番を与えて下さるだけでも有り難いという感覚になるのも事実です。

海外だと路上で帽子を置けばみんな投げ銭をしてくれます。

ちなみにわたしはギャラが出ない方が嬉しいというよりは気楽。

ギャラなんて貰ったら完璧なものを求められるから。