タクシーの仕事をしていると高齢者と障害者の方達のご利用が非常に多いのです。
ところで障害者の方達にはその程度によって自治体からタクシー福祉券が配布されています。
このチケットは障害を負っていて移動も大変な方に配られるものですが、実際にこのチケットで乗車されてくる方は見た目上は健常者と変わらない方が多いのです。でもわたしの娘のように重い疾患を患っていたり(わたしの娘は障害者にはなっていません)、心臓に機械を入れていたり、精神疾患だったりと見た目とは裏腹にハンデを背負っている方が多いのも事実です。
でもなぜか見た目も不自由な方がチケットを使う事は少ないのです。これがいささか不可思議なところ。
でもドライバーから「障害者の方ですか?」という質問は大変失礼になるにで絶対にNGです。
ところで先週の乗務の時に駅から高齢女性4名が乗ってきました。行先は900mの至近距離で「近くて悪いわね、でも歩きたくないから。」と言われました。「あまり気にしないでください。」と応えつつ目的地に数分で到着。
料金は800円でしたが「これ使えるよね?」と川崎市のタクシー福祉券を出してきました。
「使えますよ。」と言って受け取って帰庫した時に、会計さんから「これ使えないよ。」と言われました。
券面に必須の障害者番号が記入されていなかったのです。
横浜市の見慣れた券だと反射的に記入を確認するのに見慣れない券だとよくよく確認しなかった自分のせい?
結局1割引き額の720円自腹になりました。40分順番待ちして乗って来た近距離客の料金まで払わなければならなくなったこの理不尽さですが仕方がない。
でもこの人達、福祉券の不正利用の可能性が濃厚なのです。
経験上ですが障害者ご本人様は必ず障害者手帳を提示して番号を記入しています。未記入だと使えない事がよく分かっているから。
ところが昨今この福祉券を不正に譲渡しているというウワザがあります。
そういえば使用期限間際に「結構余っちゃってさ。」という数十枚残った冊子を見せられた事が度々あります。
人によって使わない人は本当に余らせてしまうようです。
そんな時に家族や友人に「これ使って。」と言って譲ってしまう人が結構いるんだとか。
この日の人達も未記入の券をそのまま出してきたという事は使用法を知らなかった=障害者本人ではない。
という事になりそうです。
こういう不正利用は詐欺系の犯罪になる可能性がありあす。
よく障害者免除の路上駐車証を偽造して逮捕されている輩がいます。
これもそういう類なのかもしれません。
だからこそ余計に悔しいね!