最近時々ストリートピアノに関するネット記事を目にします。全部トラブル系の内容に少し辟易しております。

昨日見た記事では公共スペースに設置されたピアノでのヘタな演奏が苦情の元凶になっているので、ちゃんと演奏できる人だけ演奏可という告知に対する賛否というもの。確かに初心者が30分以上も占有して、つっかえながら何度も同じフレーズを繰り返したら迷惑かもしれません。また興味の無い子供にピアノを触らせようと力任せに鍵盤を連打させたり・・。こういうのは論外です。

ただわたし的には少しピアノを弾いてみたいという人が短時間でも楽器に直接触れるのはとても大事な事だと思っています。

ところがこういう苦情が発生するのは日本人の国民性か?日本人は芸術(特に音楽)をタダだと思っている人が大半です。しかも完璧に演奏するのが当たり前という考え方。だから一生懸命に演奏しても反応は極めて薄く拍手がパラパラと起こるくらい。

プロの演奏家の方達もそれは大いに感じている事でしょう。ヨーロッパやアメリカなら多少水準の低いパフォーマンスでも拍手喝采が起こるのが普通。だから例えば病院のロビーにこんな募集広告が出たりします。「ボランティア演奏家募集、ただしプロに限る。」というもの。これは実際に川崎市の大病院で見かけたものです。要はギャラはもちろんの事、交通費など経費も一切出さないけれど演奏水準はアマチュアレベルではダメ!プロではいとという矛盾した考え方。こういう感覚の人は実に多く、わたし達のようなアマチュア演奏家はいつも見下されていると実感します。オケ専というサイトで演奏募集の告知がよく出ています。高齢者福祉施設からの募集が多いのですが、施設の担当者の見識も大病院の担当者と同じ考え方です。わたしも何回か応募した事があります。でも返信が来た事は一度もありません。恐らく最初から音大出身のプロレベルの奏者しか望んでいないのでしょう。(それでいて謝礼&交通費も一切出せないという但し書き付き)だからそれ以外のアマチュア演奏家のようなゴミには返信すらしないという態度。なのでわたしは二度とこの手の募集に応募したりしません。

実際にママさんブラスのお手伝いでこういう施設で演奏した事は何度もあります。わたし達のようなアマチュア楽団でもギャラリーはとても喜んでくれましたから、変な線引きをする施設スタッフの考え方には怒りすら感じます。以前某SNSで施設担当者の怒りの投稿を見た事があります。「地元のアマチュア演奏家を読んだら下手くその素人だった。時間の無駄、有害な騒音でしかなかった。やっぱり頼むなら音大出の人に限る!」というもの。こういうポリシーが日本の文化水準を低くしています。私はプロ顔負けのアマチュア演奏家をたくさん知っています。でも前述のような尺度だと全部お断りの対象になるのです。

精神的に貧困で文化水準の低い人間に聴かせる音楽は無い!死んでも聴かせたくはない!