昨日以前いたタクシー会社の元上司殿とバッタリ出くわしました。そこで話題になったのがライドシェアです。

業界に詳しい上司殿の話を聞いてだんだんこのインチキライドシェアの実態が見えてきました。日本で初めて認可されたこの合法的な白タク業。大きく分けて二分されるようです。つまりやらせない地域とやらせる地域。やらせる地域とは先ごろ始めた三浦市など夜の19時以降に本当にタクシーがいなくなるエリアです。そこに住む住民の為にそこに住む住民がライドシェアをやるという本来の目的に合っているような気がします。こういう地域ではそもそもタクシーがいないのだから(時間帯によって)迷惑にはならずタクシー会社も反対しないのでしょう。ではやらせない地域とは、東京横浜川崎のようなタクシーが溢れているエリアです。もちろん現在東京でも始まっていますが、N交通のライドシェア募集に応募した人6000人、で採用された人はわずかに5名。横浜のS交通には300名の応募があって実際に採用された人はどうもいないらしいのです。それもそのはずでとにかく割に合わない、条件が悪い。足かせが多すぎるという訳です。営業距離の上限が決まっていて例えば目いっぱい稼いでも8千円。そこからアプリ会社への手数料にタクシー会社への上納金(管理料)などを引くとたぶん半額位になるのではないでしょうか。(実際に法人タクシードライバーの歩率は半額程なので)残った額から燃料代を引いて保険料を引いて、車の整備費は自腹など本当に割に合わない実態が見えてきた感じです。有名な自動車評論家の先生もこのライドシェアでは使えない、とめった切りでした。

ではなぜN交通の社長殿がいままで反対していたのに手の平を返したように“やろう!”と言い出したのか。

要するに割に合わないライドシェアをやるくらいならタクシードライバーになった方が全然稼げるぞ、と説得してタクドラを増やす作戦のようです。意外と知られていないタクシー会社の入社後の手厚いフォロー。祝い金に2種免許取得は会社負担(2年縛りなど条件あり)最初の数ヶ月は給料保障などなど。真面目にやっていれば車内トラブルに遭遇する場面も少ないでしょう。

わたしもこれ程多くの人が応募してきたとは驚きです。でも手軽に気ままに自家用車で稼げると勝手に勘違いして応募した人がたぶんほぼ100%ではないかと思います。

日本の既得権益をそう簡単に崩す事はできないのです。