江戸時代の頃から駕籠屋(かごや)は儲かり駕籠かきはキツい仕事で貧乏のままと言われてきました。実はこの構造は今も変わっていません。現代の駕籠かきはもちろんタクシードライバーです。ここで言うタクシードライバーとは巷で走っている大部分の法人タクシーを指します。法人タクシーではドライバーの取り分はおよそ半分の50%です。売り上げが低いと40%に減額されます。完全歩合制という環境の中で管理する国やタクシー協会や会社は矛盾した事をドライバーに命令する訳です。初乗り料金を730円から500円に引き下げて何年か経ちましたが、横浜川崎地区では手挙げのお客さんは少ないから駅で1時間順番待ちをして走行距離が数百メーター(ワンメーター500円)という事が結構な割合であります。これは巡り合わせなのでお客様に罪は無く、こういう極端に短距離のお客さんが5~7組継続することもあります。わたしにとっては先週の火曜日がそういう日でした。1時間での売上が僅かに500円(順番待ち+実車+回送で駅に戻る時間の総合計)という事はわたしの時給は200円になるのです。時給200円で6時間やっての稼ぎは1200円。午後の売上がおよそ三千数百円(取り分が4割で千数百円)でした。これでは誰もタクシードライバーにはなりません。なので態度の悪いドライバーに当たってしまうと「チッ!」と舌打ちされてしまうのです。ところが管理する側は「文句言わずにちゃんとやれ!」と苦情が入るとドライバーを厳しく処分します。公共交通機関でありながら給料が不安定なのがタクシーなのです。そろそろ固定給との併用も考えてほしいと思います。例えば売上が前述のように低くても20万円保障するというやり方です。タクシー業界はなり手が少ないから入社して数か月は給料を保証する事があります。でも保証期間が終わると完全歩合になるのでドライバーは休まずに働かなければなりません。満足に休憩が取れないのはこういうシステムだからなのです。管理側が命令するように最低4時間は休憩しなさいという事になっていますが、そんなに休んだら売上がかなり減るのも現実なのです。矛盾に満ちたタクシーの給与体系によって高齢者のドライバーが次々と引退していく中で新人ドライバーは入ってこないからますますタクシー不足は加速するでしょう。安易にライドシェア(合法な白タク)を解禁してもそもそもやる人がいなければ問題の解決にはなりません。