あるメディアのデータによれば、日本の世界における競争力は20年前の1位から現在は34位(タイやマレーシアにも抜かれ・・)。日本の人材育成に掛けるコストはアメリカの20分の1以下で年々減っているとのこと。この国がダメになるはずです。不景気になると真っ先にカットされるのが人件費。ボーナスカットに給料引き下げにリストラと日本の経営者はとにかく人を安く使う事しか考えていない。儲かった利益は全て内部留保し、その額たるや国家予算並みだそうです。この日本の経営者達の考え方が日本の優秀な人材を海外に離散させてしまうんでしょう。また海外からの人材も、もはや安い給料の日本に何の魅力も感じない訳ですから、敬遠するのも当然です。結局はスキルの無い人材しか流れてこないのです。やがてそんな人たちからも見離されるでしょう。こういう傾向が最も顕著なのがアニメ業界です。前置きが長くなりましたが、海外勢(特に若い人達)から憧れの的になっている日本のアニメ・漫画。私の娘も以前は業務委託でネット配信用のコミックのカラーリングの仕事をしていました。この仕事、実に繊細で神経を使います。一枚の絵を仕上げるのに結構時間が掛かります。私達が普段何気に観ているアニメのモブシーンなんかも実に細かくて繊細な描写が多く製作には本当に時間が掛かります。配信された線画に色付けして送り返し、OKが出て初めて報酬の対象になります。この絵1枚あたりの単価はわずか400円です。瞬間的に流れていくアニメの作画に比べればコミックですから読者にとっては味わいを持って観て頂いているのかもしれません。それでも末端で働いている人達はこんなに安い報酬で働いているのです。そして最近日本のアニメが崩壊し始めた予兆を感じさせる事が頻発して起こり始めています。制作を発表しても放映に間に合わずいきなり延期されるアニメ。放映が始まって程なく、制作が追い付かず1話目からの再放送に切り替わり、延々と次話のオンエアが延期されるアニメ。以前はコロナの影響により、というのが定番でしたが、最近はそんな言い訳通用するはずもなく、いきなり延期しますというテロップが入って打ち切るという、昔では到底考えられない事が頻発して起こっているのです。近年では中国で制作された質の良いアニメも放映されていて、これが実に素晴らしい。今、日本のアニメ制作の現場で頑張っている人達もやがて愛想を尽かして海外のアニメ制作会社に続々と移籍してしまうのではないかと危惧しています。アニメは金になる、と信じて疑わない日本の馬鹿な経営者達は優秀な人材を安くこき使って結局は自分自身の首を絞めているのです。