先般の更新で、目下進行中のウクライナ紛争への日本人義勇兵の事を書きました。その際に女性兵士の可能性について少し書いてみました。今、大変注目されている小説“同志少女よ、敵を撃て!”の主人公、少女セラフィマの活躍ぶりが絶賛されているようです。私もいずれ読みたいと思っています。この平和な日本でも日々戦争のニュースが流れる中で、女性兵士の活躍に興味をお持ちの方が意外と大勢いらっしゃる事が分かりました。当ブログへのアクセス数も普段の10倍位頂きました。先の大戦中は女性が戦闘に直接参加していたのはレジスタンスやパルチザンなどの非正規軍を除けば、ソ連軍だけでした。しかもその人数たるや100万人が動員され、少なからず功績を残しました。元々独ソ戦の初期にはドイツ軍の電撃作戦によってソ連軍は総崩れとなって多くの犠牲者と100万人規模の捕虜を出してしまいました。ロシア人気質はダメ、となった途端に崩れてしまい、士気が上がると調子づくという国民性は確かにあります。例えばサッカーの試合を見ているとよくわかります。1941年6月から始まったナチスドイツによるソ連侵攻作戦は、初戦でのドイツ軍の大勝によってソ連赤軍はたちまち兵力不足に陥りました。そこで闘いたい女性を募集したところ大勢の志願者が応募。女性兵士の活躍ぶりをプロパガンダに利用するあたりは心理戦に長けたソ連指導部の得意技でした。社会主義国の徹底した情報管理の元で前線に送られた若干20歳前の少女達の活躍ぶりの詳細はつぶさに報道され、独ソ戦後半の赤軍の活力となっていった事なのでしょう。男でも戦場に向かうことを躊躇う人が多い中で、できるだけ多くのナチスを殺したいと願う当時のロシア女子達の精神的な強さを感じます。とはいえ100万人近くも従軍したロシア女子達ですがその多くは看護兵や衛生兵として従軍。ロシアの男達も日本男子同様に“女のくせに・・”という感覚の人が多数派だったため、戦闘参加を希望する女子達が一旦断られるケースが多かったようです。世界的にも有名になった女性狙撃兵のリュドミラ・パブリチェンコさんは309名のドイツ兵を射殺。これは敵の遺体が確認された公式な数なので未確認の射殺も加えると、少なくとも500名以上の敵を殺したのは確かな事のようです。私は彼女の活躍ぶりに以前は懐疑的でソ連による水増しプロパガンダだと感じていました。その根拠は自衛隊のレンジャー部隊出身の友人から260mの距離での動かぬ的への射撃もかなり難しかったと聞いたからです。それが現代の高性能な銃より大分旧式の銃で、しかも800mの精密射撃などできるはずがないと勝手に思っていました。ところが、最近になってある女性狙撃兵のインタビュー記事を読んで、それは本当かもしれないと確信しました。リュドミラさんは独ソ戦開始時にはすでに25歳で他の女子志願兵よりはひとまわり年上のお姉さんでした。狙撃の経験値も豊富で天性の射撃の才能を持ち合わせていました。徹底したカモフラージュと何時間も微動だにしない忍耐力と射撃の才能と優れた戦術により従軍期間1年で309名の殺害スコアは十分にあり得ると思い始めています。大戦中に狙撃兵として参加したロシア女子は2468名で彼女達が殺害したドイツ兵の数は11580名にも上ります。(確認戦果のみで実際にはこの倍以上との見立てです)100万人の女子の中で2500人はやや少ない人数だと思いますが、ごくごく短期間で養成して前線に送り出さなければならなかった事情から、適正のある人物に絞られたようです。狙撃兵の他にも女子が直接戦闘に参加していた部門は戦闘機・爆撃機のパイロット(これは養成が大変な為少数でした)、高射砲部隊(大部分の部隊が女子で占められていた模様)、戦車兵(過酷な環境の為、操縦士が若干いたようです)、機関銃射手(短期間の訓練で前線に行けるのと、一度に大勢の敵兵を殺せる事から志願者が多かった)、等々、と看護兵・衛生兵とあとは一般歩兵でした。スターリングラード攻防戦の際に、塹壕のドイツ軍部隊に突撃を敢行した赤軍が撃退され、その遺体の中に十代の少女兵がマシンガンを抱えて戦死しているのが発見されました。この事は瞬く間にドイツ軍内でウワサ話として拡散され“こんな幼気な少女までもがマシンガンを持って自分達を殺しにくる?”という恐怖が部隊内に蔓延し、浮足立つ兵士が続出した、というエピソードを私が高校生の時に読んだ第二次大戦史の東部戦線という巻に書かれていました。十代のロシア女子達の活躍は味方の士気を上げるばかりか、敵であるドイツ軍兵士をも不安に陥れていたようなのです。明日からは、本来のブログ(日常のつぶやき)とはかなり趣向が変わります。パブリチェンコさんは近年日本でも有名ですが、私は日本では殆ど知られていないロシア少女兵達の活躍をロシアのサイトを徹底的に調査した上で、その実例集を臨場感を交えてシリーズでご紹介していこうと思います。
乞うご期待を!