先の大戦中にナチスの高官が暗殺された唯一の実例がハイドリッヒ暗殺である。この事件はかつて暁の7人という映画で有名になった。今回はそのリメイク版がチェコ&イギリス映画として制作された。この映画を観ていると、この作戦がいかにズサンだったかということと、現実の世界を思い知らされる。護衛なしのしかもオープンカーにのった運転手と標的(ハイドリッヒ)の2名。ハリウッド映画なら手榴弾1発投げ込めば楽勝、か機関銃乱射であっと言う間に2人殺して終わり、なのだが・・。実際は弾が詰まって撃てなかった機関銃に手榴弾を投げつけて爆発させたのに標的が負傷で済んだというお粗末な結果。(その後感染症で死亡)それでいて運転手は実行犯に撃ち殺されたというのだから、いつの世も運転手は殺される可哀想な役どころなのだ。(それはいいとして)結局は暁の7人どころか実行犯は2人(しかも1人はドジ)だけだった。襲撃前の偵察の段階で衛兵が5人いるのを確認して「護衛が多すぎる」と実行犯の一人がつぶやいていたのが妙にリアルだった。訓練を受けた完全武装の兵士を相手の銃撃戦はそう簡単ではないということが解る。ところがリアルな描写は前半のハイドリッヒ暗殺までだ。後半はハリウッド並みのいつものメチャクチャパターン。教会に立てこもる2人の実行犯と5人の関係なさそうな連中。内3名が教会内部の上層階に立てこもって武装親衛隊員をバタバタとなぎ倒す。上から狙われていて突撃する馬鹿っているんだろうか?と思いながらいささか非現実的な戦闘シーンが続く。結局7名は全員射殺か自決した。(これは事実)今なお残る大聖堂には当時の銃撃戦の弾痕が残り、7名が英雄のように扱われている。だがしかし、彼らの作戦のせいで無関係のチェコ人が1万人以上殺された事を忘れてはいけない。