精神疾患だった娘を16年間に渡って監禁し衰弱死させた両親が逮捕された。本人達には虐待していた感覚は無かったらしい。ここがこの問題の恐ろしい所であり本質である。このニュースを見れば誰もが“おぞましい”、“鬼のような親”、“痛ましい”と感じることだろう。しかしながら、こういう極端なケースに発展するほど親は追い詰められていた。統合失調症、昔で言う精神分裂症。この病気は突然発症し治療ができない。その上に治らない。一般的に精神疾患の治療とは薬を飲ませる事である。この薬とは病気を治すものではなく患者本人が辛い状態になり叫んだり暴れたりできなくなるだけのもの。周囲の人間にとっては幸せだが患者にとっては地獄なのである。とにかくこの病気にかかると家族にとっては地獄。やがて近隣の住民も我慢できなくなり、「何とかしろ!」と怒鳴り込んでくるようになる。この病気について説明しても「そんな事知ったこっちゃねえ」とか「そっちでなんとかしろ!」と怒鳴り返してくる。これが現実である。そうすると黙らせる、静かにさせるには手足を拘束してさるぐつわをするしかない。こういう状態を周囲に観られると今度は「虐待している!」と言われるから隠すしかない。そうするとプレハブ小屋を建てて監禁することになるのである。統合失調症は周りの人間には中々理解されない。健常な部分と異常な部分が混在しているからだ。人は皆健常な一面だけを見て「静かにしろ!」と言いたくなる。ところが患者本人が騒いだりおかしな行動を繰り返している時は異常なスイッチが入っているから誰にも止められない。止めようとすると余計に騒ぐ、暴れるのである。だから手が付けられない。この状態が一生継続するのが精神疾患である。(程度の差は当然ある)私の愚兄は統合失調症を患って死んだ。だから家族にとっての地獄はよく理解できる。