アメリカの利上げ前倒し観測で上昇してきた米長期金利と軟調推移の米株、そして急激に上昇してきたドル円。明後日のFOMCで発表される声明分には過度な注目が集まっている。つまり利上げ時期を“相当な期間”先延ばしという文言が削除されるか否かという訳である。ところが過去を振り返れば前回の利上げサイクル開始時の2004年6月に向けたFRBのスタンスも現在と全く同じだった。あの当時も声明文の文言から利上げ時期を読み取ろうと毎度注目が集まっていた模様。そして利上げ観測のたびにドルは買われ、期待が裏切られると売られるという事を繰り返していた。当時の文言は最初“かなりの期間”となっていて、その後“忍耐強く”に変わり最後には“慎重なペースで”と変化していった。なるほどFRBの慎重なスタンスが声明文によって読み取れる。そしてこのような利上げ時期を明確にしないいわば“ジラシ戦術”が奏功してか利上げ観測は徐々に後退していったようだ。実際の利上げ2ヶ月前にグリーンスパン議長が“もはやデフレの懸念はなくなった。”と利上げを示唆した時にはいよいよ利上げ前倒しかという事で大騒ぎになったようだ。米株など2日で300ドルの急落を演じている。しかし結局この作戦が上手くいって大規模な金融不安を起すことなく利上げサイクルに入ったのが2004年だった。どうもこの手法をイエレン・フィッシャー体制も踏襲しているような気がしてならない。