昨日で5月相場も終了し結局“セルインメイ”は回避された。ここから先はいつ大相場になってもおかしくはない状況だ。NYダウとS&P500が最高値を更新し恐怖指数VIXも最下限を更新中だ。この状況を鑑みれば投資家が資金を引き上げるタイミングと材料待ちの状態になっている事がうかがえる。そして、いよいよ98円への円高を見込んだ大口のオプションが設定されたようだ。このレートは先ごろ米モルガンスタンレー社が示唆したレートと符合する。昨年も同社の方向性は当たっていた。さらに最近のIMM円ショートポジションの動向にも注目すべきだろう。最近までは6万枚まで減れば円安派が再度円売りを仕掛けてきたが直近はそうはなっていない。現在の6万枚水準を軽くなったと見て円安に賭けるか、円ロングへの逆流を警戒して踏みとどまるかが分かれ目になる。ちなみにアベノミクス相場開始前の円高の時にも周期的に一旦円ロングから円ショートに逆流する現象は起こっていた。そうなると長い目で見た円安トレンドは変わらないとしても2012年11月以来一度も円ロングへの転換が無い事をむしろ警戒するべきだろう。かなり長期間ショートで推移していた豪ドルも最近ロングに転換した。105円を超えて上昇するには一旦大幅に調整しないと難しいのが相場のメカニズムだ。そういえば最近ドル円のオーダー推移を見ても上値での売りポジションが優勢だ。さらに円安か円高かを予想するアンケートでも円高と答える向きが増えてきた。群集心理が売り目線に変わってきたともいえる状況で米株上昇を信じての上値追いは危険極まりないとしか言いようが無い。