以前このブログでも紹介したが、40年前に購入したアバド指揮のロンドン交響楽団のカセットテープ、ロッシーニの曲で金管と弦楽器が明らかにズレまくっている箇所がある。プロの先生いわく当時は今みたいにデジタル技術が発達してなかったから、やっつけ仕事で録音してそのまま製品化したのではないかとの事。少しでも気になる箇所があれば編集されてしまう昨今ではありえないのでそのテープはむしろ貴重だと言われた。なるほど、プロ中のプロでもミスると言う訳か。でも逆に言えば今のCDはミスの無い完璧なものに仕上がっているからよく考えてみれば面白くない。ベルリンフィルのような大御所なら変なミスなんてしないだろうが、でもやっぱり継ぎはぎのような編集は当たり前のように行われている訳だからかなりガッカリした気分にさせられる。つまり余計な編集をするお陰で人間味の無いものになってしまうから。先ほどのテープと同じ頃に購入したレコードで世界的に有名なテューバプレーヤーのジョン・フレッチャー氏のレコードがある。編集後記にある楽曲の録音に大変な時間が掛かったと書いてあった。フレッチャー氏が納得のいく演奏が出来るまで何度も繰り返されたからだそうだ。あの世界的名プレーヤーでもダメだしがあった訳だ。でもそんな苦労の末に出来上がったレコードの方が人間味があって素直に感動できる。そういう意味ではライブ演奏というのは価値があるのかもしれない。