谷中(2-10) | シンクロニシティ

谷中(2-10)

 

  4月19日(金)

 

 三崎坂周辺―10

  蕎麦屋がなくなったと思ったら、別の蕎麦屋が開業した。アクセサリーのようなものを売る店とか江戸小物店、猫関係の商品を売る店、居酒屋飲み屋風が3軒、コンビニもやや三崎坂から外れるが2軒、小規模で美術館というほどではないが芸術品を展示するところ3軒。酒屋は吉田屋と伊勢五というのが古くからあったが、吉田屋は建物が文化財として移築、展示され、店の跡はマンションに、伊勢五は自転車販売店となったが、建物は以前からのものを使用しており、趣がある雰囲気となっている。

ちょっと前に町を歩いていたらドイツ人に空襲で焼け残った戦前からの建物があると聞いてきたがどこですかと尋ねられ、言問い通りの角の吉田屋を教えた。伊勢五のほうがよかったかもしれない。

谷中の建物といっても、京都などと違って普通の木造住宅がほとんどで、当家もそうであったが、ほとんど建て替えられている。戦後70年以上も経てば、庶民の住宅は変わるのが当たり前だ。

三崎坂周辺は以前は谷中の中心であったがだんだんと特徴のない住宅地になっていった。ところが最近20年ほどにまた往時ほどではないが(これは手前味噌のかなり勝手な推測です)、観光ブームによって賑やかさを取り戻してきた。

最後に医療機関のことを述べると、自分の幼少時に三崎坂周辺には7軒の医院があった。そのうちには小生の父の内科小児科医院も含まれている。現在は1軒のみ現存し6軒は廃院、新たに2軒の医院が開設されたが、そのうち一軒は何故か廃院となっている。

世の中は栄枯盛衰、有為転変。何十年も生きてきて、自分の住んできたところに対する勝手な想いをつづれる幸せをかみしめる。