Dr.クワンのハンフィクション-46 | シンクロニシティ

Dr.クワンのハンフィクション-46

12月9日()



谷中事情―上野公園周辺(2)

 ハゼの木に関しては昨年記したとおり、この時期に赤く紅葉することでその存在がわかる。隣の寺院と通勤路の途中の路地裏に個人宅の庭に2本、根津神社の境内に2本認めた。子供のころ、隣の寺院のハゼは大木で、ただその木がはぜということは知らなかった。紅葉することも意識したことがなかった。最近になってハゼということがわかり、確かに紅葉しているのだが、樹木全体の葉が紅変するというより、5分の一程度がポチポチと色が変わってゆくようで、モミジ類とは様相が異なる。それでもハゼは紅葉するから巨木となっても、ハゼと知ることができる。


最近、東京芸術大学の音楽学部の敷地内にハゼの木を見つけた。上野のほうから両大師橋を越えて谷中に向かう、公園内の道路の右手の大木だ。いつもその前をとおるのだが、大きな木がうわっているとはおもっていたが、葉を見定めることができなかった。その隣のヤナギ、サクラなどは大木でもすぐそれと知れる。周辺に多いスダジイかなとおもっていたが、ハゼだった。谷中を歩きまわって、今の時期に同定しやすい樹木をみつけるのはクンの楽しみのひとつだ。


紅葉が単独でもっとも鮮やかで立派なのはこの周辺では、東京大学農学部の門をはいって左の数本のヤマモミジ。ここのモミジは木が大きい。完璧に紅葉する。門の前の並木道(本郷通り)には同じ時期に銀杏が金色にかがやき、風が吹くと黄色、赤色の葉が舞う。